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平成29年度 経営工学部門 Ⅲ-11

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問題

Ⅲ-11 経済的発注量を計算する場合に必要な次の要因の組合せとして、最も適切なものはどれか。

① 1期当たりの推定所要量、1回の発注費用、1個1期当たりの保管費

② 1期当たりの推定所要量、1回の発注費用、1期当たりの労務費

③ 1期当たりの推定所要量、1個当たりの材料費、1個1期当たりの保管費

④ 1期当たりの推定所要量、1期当たりの労務費、1個1期当たりの保管費

⑤ 1個当たりの材料費、1回の発注費用、1個1期当たりの保管費

解答

正解は 1 になります。

経済的発注量(EOQ)の概要

経済的発注量(EOQ:Economic Order Quantity)は、在庫管理の分野で「発注に関わる総コスト(在庫保管費用+発注費用)」が最小となる最適な発注量を求めるための考え方です。
発注量が多すぎると在庫が増え保管費用が増大し、逆に発注量が少なすぎると発注回数が増え発注費用がかさみます。
このバランスを最適化するのがEOQの目的です。

EOQの計算には、「1期当たりの推定所要量」「1回の発注費用」「1個1期当たりの保管費」という3つの要素が必須となります。


各選択肢の詳細解説

① 1期当たりの推定所要量、1回の発注費用、1個1期当たりの保管費

この組み合わせが最も適切です。

  • 1期当たりの推定所要量:一定期間(例:1年)に必要な数量。
  • 1回の発注費用:1回の発注ごとにかかる全てのコスト(事務、通信、検品、人件費など)。
  • 1個1期当たりの保管費:1個を一定期間保管するためにかかるコスト(倉庫代、保険料、維持管理費など)。
    EOQの計算式はこれらの要素を使って導かれます。

② 1期当たりの推定所要量、1回の発注費用、1期当たりの労務費

「1期当たりの労務費」は、在庫保管や発注に直接関係しない場合が多く、EOQの計算には使いません。

③ 1期当たりの推定所要量、1個当たりの材料費、1個1期当たりの保管費

「1個当たりの材料費」はEOQの計算に直接関与しません。材料費は必要量に比例して発生し、発注量の最適化とは関係がありません。

④ 1期当たりの推定所要量、1期当たりの労務費、1個1期当たりの保管費

「1期当たりの労務費」は、EOQの計算には不要です。

⑤ 1個当たりの材料費、1回の発注費用、1個1期当たりの保管費

「1個当たりの材料費」はEOQの計算に必要ありません。EOQは発注費用と保管費用のバランスで決まるため、材料費は影響しません。


EOQ(経済的発注量)の計算式

\(EOQ = \sqrt{\frac{2DS}{H}}\)

  • \(D\):1期当たりの推定所要量(需要量)
  • \(S\):1回の発注費用
  • \(H\):1個1期当たりの保管費

図解:経済的発注量のイメージ

  • 発注費用は発注量が増えると減少
  • 保管費用は発注量が増えると増加
  • 2つの合計が最小になる点がEOQ

まとめ:問題の要点

  • 経済的発注量(EOQ)は、「1期当たりの推定所要量」「1回の発注費用」「1個1期当たりの保管費」を使って計算する。
  • 材料費や労務費はEOQの計算には直接関与しない
  • EOQは発注費用と保管費用のバランスを最適化するための重要な管理指標。

感想

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なんとなく、正解でした。

経済的発注量(EOQ)、過去にも出ていますがウロ覚えだったようです。

今回の解説はわかりやすく書いたつもりなのでだいぶ頭に入ってきました。

でも日が経つと忘れるんだよな・・・。

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