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平成29年度 経営工学部門 Ⅲ-33

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問題

Ⅲ-33 サプライチェーンマネジメントに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、VMIはVendor Managed Inventory、TOCはTheory Of Constraints、CPFRはCollaborative Planning, Forecasting and Replenishment、POSはPoint Of Sales、ERPはEnterprise Resource Planningの略である。

① VMIとは、発注企業とサプライヤーが情報を共有し、サプライヤーが在庫管理をする方式であり、サプライヤーが在庫リスクを負うことになる。

② TOCとは、ボトルネックの発見・対策と活用、スループット会計、キャッシュフロー最適化を特徴とした生産管理技術である。

③ CPFRとは、サプライチェーンの価値と企業の収益を向上させるために、製造業者と流通業者が共同して需要予測を行い様々な協業活動を行なうものである。

④ POSとは、商品市場における顧客囲い込みのためのマーケティング戦略やそれを支えるWebシステムやデータマイニングなどの支援ソフトを指す。

⑤ ERPとは、販売・在庫管理・物流の業務、生産管理又は購買管理の業務、管理会計又は財務会計、人事管理など基幹業務に必要なそれぞれの機能を、あらかじめ備えたソフトウェア群である統合業務パッケージを利用して、相互に関係付けながら実行を支援する総合情報システムである。

解答

正解は 4 になります。

サプライチェーンマネジメントの概要と問題解説

サプライチェーンマネジメント(SCM)は、原材料の調達から製品の生産、流通、販売に至るまでの一連の流れを最適化し、企業の競争力や収益性を高めるための経営手法です。
SCMでは、複数の企業や部門が連携し、情報を共有することで、在庫の最適化や納期短縮、コスト削減などを実現します。
本問題では、SCMに関連する用語や考え方について、正しい知識が問われています。

各選択肢の詳細解説

① VMIとは、発注企業とサプライヤーが情報を共有し、サプライヤーが在庫管理をする方式であり、サプライヤーが在庫リスクを負うことになる。

  • VMI(Vendor Managed Inventory)は、納入業者(サプライヤー)が顧客の在庫情報を把握し、在庫補充や管理を主導する方式です。
  • サプライヤーが在庫リスクを一部負担する形となるため、記述は正しい内容です。

② TOCとは、ボトルネックの発見・対策と活用、スループット会計、キャッシュフロー最適化を特徴とした生産管理技術である。

  • TOC(Theory Of Constraints)は「制約理論」と訳され、生産や業務プロセスの中で最も制約となる部分(ボトルネック)を特定し、全体最適を図る手法です。
  • ボトルネックの活用、スループット会計、キャッシュフローの最適化などが特徴であり、正しい記述です。

③ CPFRとは、サプライチェーンの価値と企業の収益を向上させるために、製造業者と流通業者が共同して需要予測を行い様々な協業活動を行なうものである。

  • CPFR(Collaborative Planning, Forecasting and Replenishment)は、製造業者と流通業者が協力して計画、需要予測、在庫補充などを行う仕組みです。
  • サプライチェーン全体の効率化と価値向上を目指すものであり、記述は正しいです。

④ POSとは、商品市場における顧客囲い込みのためのマーケティング戦略やそれを支えるWebシステムやデータマイニングなどの支援ソフトを指す。

  • POS(Point Of Sales)は、本来「販売時点情報管理」を意味し、レジなどで商品の販売情報をリアルタイムで記録・管理するシステムです。
  • POSデータは、売上分析や在庫管理、需要予測などに活用されますが、「顧客囲い込みのためのマーケティング戦略やWebシステム、データマイニング支援ソフトそのもの」を指すものではありません。
  • POSはあくまで「販売時点の情報を記録するシステム」であり、記述は不適切です。

⑤ ERPとは、販売・在庫管理・物流の業務、生産管理又は購買管理の業務、管理会計又は財務会計、人事管理など基幹業務に必要なそれぞれの機能を、あらかじめ備えたソフトウェア群である統合業務パッケージを利用して、相互に関係付けながら実行を支援する総合情報システムである。

  • ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業の基幹業務(販売、在庫、生産、会計、人事など)を統合管理するためのシステムです。
  • 各業務機能を連携させて一元管理することで、業務効率化や情報の可視化を実現します。記述は正しいです。

まとめ:問題の要点

  • サプライチェーンマネジメントの用語やシステムは、正しい定義と役割を理解することが重要。
  • POSは「販売時点情報管理システム」であり、マーケティング戦略やWebシステムそのものを指すものではない。
  • 最も不適切な記述は「④ POSとは、商品市場における顧客囲い込みのためのマーケティング戦略やそれを支えるWebシステムやデータマイニングなどの支援ソフトを指す。」である。

感想

サプライチェーンマネジメント、やはり出てくるようになりましたね。

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前年からその兆しはあったもんなあ。

それにしても今日の問題。横文字のすごさハンパない!

これ、ワタクシの頭では一気に覚えるのが不可能だと思うので少しずつ。

POSとERPは知ってましたよ。だから正解できた!

この辺の学習、実務でも出てくるのでたぶんうまくいくはずです。

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