問題
Ⅲ-13 かんばん方式に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① かんばん方式は、ジャストインタイム生産を実現するためにトヨタ生産システムで導入された情報伝達方法の1つである。
② かんばん方式を有効に利用するためには、生産リードタイムの短縮や小ロット化が必要である。
③ かんばんの種類には、大別して生産指示かんばんと引取かんばんの2種類がある。
④ かんばん方式による進捗管理は、押し出し型の方式である。
⑤ かんばんは、指示情報が一目でわかるように工夫されているため、目で見る管理の一つとされている。

解答
正解は 4 になります。
かんばん方式の概要
かんばん方式は、トヨタ生産システムを特徴づける代表的な生産管理手法で、ジャストインタイム生産(JIT)を実現するために不可欠な情報伝達のしくみです。
「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」生産することで過剰な在庫や無駄を徹底排除し、生産現場の効率化やコスト削減を図るものです。
情報カード(かんばん)を現物と共に運用し、部品調達・生産・出荷まで一連の流れが全体最適化されます。
各選択肢の詳細解説
① かんばん方式は、ジャストインタイム生産を実現するためにトヨタ生産システムで導入された情報伝達方法の1つである。
この記述は正確です。
かんばん方式はトヨタ生産方式の核であり、ジャストインタイムの考え方を実現するツールです。
工程間の情報伝達や必要数のコントロールを「かんばん」というカードを用いて行うことで、生産現場全体の最適化を図ります。
かんばんには物の流れと情報の流れを一致させる役割もあります。
② かんばん方式を有効に利用するためには、生産リードタイムの短縮や小ロット化が必要である。
これも正しい内容です。
かんばん方式を機能させるには、工程ごとに余分な品物(仕掛品)や在庫を持たない環境が重要です。
そのためには、生産リードタイム(製品ができあがるまでの時間)の短縮や、工程ごとのロット(まとめ生産単位)を小さくする必要があります。
こうした改善がよりフレキシブルで効率的な生産につながります。
③ かんばんの種類には、大別して生産指示かんばんと引取かんばんの2種類がある。
この記述も妥当です。
かんばん方式で使われる「かんばん」は主に次の2種類に分けられます。
- 生産指示かんばん(仕掛けかんばん):前工程に「何を・どれだけ生産せよ」と指示するカード。
- 引取かんばん:後工程が前工程から部品などを「引き取る」ことを伝えるカード。
必要に応じて、臨時かんばんや信号かんばんなどの特別なカードもありますが、基本は生産指示かんばんと引取かんばんが核です。
④ かんばん方式による進捗管理は、押し出し型の方式である。
この記述が最も不適切です。
かんばん方式は「引っ張り型(プル型)」の方式であり、「押し出し型(プッシュ型)」ではありません。
- 押し出し型(プッシュ方式):需要予測などに基づき、先に生産して工程や市場に製品を「押し出す」方式です。
- 引っ張り型(プル方式/かんばん方式):実際の需要や後工程の使用実績に応じて、前工程が必要分だけを生産する方式です。
かんばん方式は後工程が必要になった時だけ前工程から引き取る=「引っ張る」仕組みであり、これが無駄な在庫や過剰生産を抑える要因となります。
⑤ かんばんは、指示情報が一目でわかるように工夫されているため、目で見る管理の一つとされている。
この記述は正しいです。
かんばんには「品番」「数量」「納期」などの必要な「生産・引取指示情報」が集約されて記載され、現場の製品ごと・部品ごとに見える化されています。
誰が見ても状況把握できる「目で見る管理」の代表例です。
管理板やアンドンと同じく、現場の問題把握や進捗管理をサポートします。
まとめ
- かんばん方式はプル型(引っ張り型)生産管理方式であり、押し出し型(プッシュ型)の方式ではない点が最大のポイントです。
- ジャストインタイムの実現や、余分な在庫・コストの削減に効果的な生産管理手法です。
- 「生産指示かんばん」と「引取かんばん」の2種類が中心で、指示や進捗状況が一目で分かる目で見る管理として実践されています。
- 押し出し型ではなくプル型方式であることを間違えないよう注意が必要です。
感想
とりあえず過去問は貼っておきます。

「かんばん方式」単体で出題されるのは初めてではないでしょうか。
今までなかったもんな。
この考え、昔某社で働いていたときに教わったのでまあまあ頭に入っていました。
もちろん今日は正解!
内心ヒヤヒヤしながらの回答でしたが(笑)
押し出しじゃなかったよな?とうっすら感づいてましたね!!