問題
Ⅲ-20 統計用語に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 順序統計量は、確率変数を非減少な順序に並べることによって得られる統計量である。
② 標本メディアンは、データセットの中の非常に極端な値に影響されにくい推定量を与えるという意味で有用である。
③ 不偏分散は、ランダムサンプルにおける確率変数からそれらの標本平均を引いた偏差の2乗和を、サンプルサイズ-1で割った量である。
④ 帰無仮説を棄却できないということは、帰無仮説の妥当性を証明したことではなく、むしろ、帰無仮説を否定する十分な証拠がなかったと考えられる。
⑤ 第2種の誤りは、帰無仮説が真のときに、それを棄却することである。

解答
正解は 5 になります。
統計用語に関する問題の全体解説
本問は、統計学における基本用語とその定義や意味を正確に理解しているかを問うものです。
特に順序統計量、メディアン(中央値)、不偏分散、仮説検定における帰無仮説や誤りの種類(第1種・第2種)について、それぞれの定義や性質が理解できているかが重要です。
業務改善やデータ分析、品質管理の現場で活用される内容なので、基礎的な知識が求められます。
順序統計量(選択肢①)
順序統計量は、データを小さい順や大きい順など決められた順序で並べて得られる統計量です。
例として、最小値、中央値、最大値などがあります。
この用語は、データの分布把握や外れ値の特定にも役立つ重要な概念です。
標本メディアン(選択肢②)
標本メディアンは、データを昇順に並べたときの中央の値です。
特徴として、平均値と比べて極端に大きい値や小さい値(外れ値)の影響を受けにくい性質があります。
そのため、外れ値が含まれるデータでも代表値として使われます。
不偏分散(選択肢③)
不偏分散は、母分散の推定量として使われます。
標本データにおける分散を求める際、値のばらつきを「サンプルサイズ-1」(n-1)で割ることで、母分散の平均的な値(期待値)に一致させる工夫がされています。
数式で表すと
$$S^2 = \frac{1}{n-1} \sum_{i=1}^n (x_i – \overline{x})^2$$
です。不偏分散は推定のバランスをとる大切な指標です。
帰無仮説の棄却(選択肢④)
仮説検定では、「帰無仮説」が棄却できない場合、それが正しいと証明されたとは言えません。
「帰無仮説を否定する十分な証拠が得られなかった」という意味であり、あくまで“判断できなかった”だけです。
この点を誤解すると、結果の取り扱いを誤る原因になるので注意が必要です。
第2種の誤り(選択肢⑤)
第2種の誤りとは、「本当は帰無仮説が誤っている(対立仮説が正しい)のに、帰無仮説を棄却できなかった」場合を指します。
一方、選択肢⑤の「帰無仮説が真のときに、それを棄却すること」は第1種の誤りに該当します。
よって、この説明は明確な誤りです。
選択肢ごとの詳細解説
選択肢 | 内容 | 判定 | ポイント(詳細) |
---|---|---|---|
① | 順序統計量の定義は正しい | 適切 | データを順序付けして得る統計量の説明として正確 |
② | 標本メディアンは極端な値の影響を受けにくいという記述は正しい | 適切 | 外れ値耐性がある代表値としての特徴を説明 |
③ | 不偏分散の定義と計算式も正しい | 適切 | 「n-1」で割ることで母分散の推定値になる理由 |
④ | 帰無仮説が棄却できない場合の解釈は正しい | 適切 | 証拠不十分で否定不可=妥当性証明ではない |
⑤ | 第2種の誤りの定義が誤っている(第1種の誤りを説明している) | 不適切(正解) | 「帰無仮説が真のときに棄却」は第1種、第2種は「誤りを見逃す」 |
【図表】仮説検定における誤りの種類まとめ
帰無仮説が正しい | 帰無仮説が誤り(対立仮説が正しい) | |
---|---|---|
帰無仮説を棄却しない | 正しい判定 | 第2種の誤り(見逃し、偽陰性) |
帰無仮説を棄却する | 第1種の誤り(誤判、偽陽性) | 正しい判定 |
まとめ・問題の要点
- 順序統計量… データを順に並べて得られる統計量で、データの分布把握に役立つ
- 標本メディアン… 外れ値に影響されにくい代表値
- 不偏分散… サンプルサイズ-1で割ることで母分散の適切な推定値となる
- 帰無仮説の棄却できない場合… 妥当性を証明したのではなく、証拠が不十分で否定できなかっただけ
- 第2種の誤り(偽陰性)… 帰無仮説が誤りにもかかわらず棄却しないことであり、「真のときに棄却」は第1種の誤りの説明
感想
やっぱり統計ものは苦手だなあ・・・。
こうやって解説作成しているとある程度わかってはくるのですが、これを血肉とするのにはまだまだ時間がかかりそうです。
本日も不正解でした・・・・。



このあたりが近そう。
今後も統計問題、たくさん出るのだろうな。