平成30年度 経営工学部門 Ⅲ-24

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問題

Ⅲ-24 シミュレーションに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① シミュレーションでは、対象とするモデルを構築し、モデルの操作によってシステムの挙動を再現しようとする。

② 離散型シミュレーションは、システムの状態に変化をもたらす出来事が時間軸上で不規則に発生するようなシステムのシミュレーションである。

③ 算術乱数は、完全なサイコロを振って出る目を記録することによって作られるような物理現象を利用する乱数である。

④ モンテカルロ法は、乱数を用いてシミュレーションや数値計算を行う方法である。

⑤ システムダイナミックスは、非線形システムの動的振る舞いを理解するためのシミュレーションとモデル化の手法の1つである。

解答

正解は 3 になります。

シミュレーションの全体解説

本問は「シミュレーション技法の基礎」として、モデリング、離散・連続のシミュレーション、乱数の概念、さらにはモンテカルロ法やシステムダイナミックスの定義まで幅広く問う内容です。
シミュレーションは、現実の現象やシステムを数学的・論理的に再現し、実験や改善・設計を効率的に進めるための重要な手法です。
特に、モデル構築から乱数発生、実験方法の選択まで正確な理解が求められます。

シミュレーションの基本(選択肢①)

シミュレーションは、現実のシステムや現象を模倣する「モデル」を構築し、そのモデルをコンピュータなどで操作・実験することで、システムの動きや挙動を再現・分析する方法です。
モデル化によって複雑な現象も理論的に扱うことができます。この説明は正しい内容です。

離散型シミュレーション(選択肢②)

「離散型シミュレーション」とは、銀行や工場のように“出来事”や“処理”などのイベントごとにシステムの状態が「不連続」に変わる場合に使う手法です。
到着・出発・切り替えなどのタイミングがランダム(不規則)に発生する現実現象の解析に用いられます。
選択肢の説明は適切です。

算術乱数と物理乱数(選択肢③)

「算術乱数」とは、計算式(アルゴリズム)で作られる擬似乱数(例えば線形合同法など)のことです。
これに対し、サイコロやコイン投げのような自然現象に頼る乱数生成は「物理乱数」や「真の乱数」と呼びます。
選択肢③では算術乱数を「サイコロなど物理現象による」としており、これは誤った説明です(本問の正解)。

モンテカルロ法(選択肢④)

「モンテカルロ法」とは、乱数を用いてさまざまな事象を大量に“模擬実験”し、現実の確率や期待値、パターンを数値的に求めるシミュレーション技法です。
確率計算の難しい現象の評価・推定などに幅広く活用されており、説明はその通りです。

システムダイナミックス(選択肢⑤)

「システムダイナミックス」とは、時間的変化を含むダイナミックなシステムを、フィードバック構造や非線形関係も含めて再現・分析できるモデル化・シミュレーションの枠組みです。
人口・在庫・生産管理の動的解析などが代表例で、まさに非線形システムの理解に使われます。説明の通りです。

各選択肢の詳細解説

選択肢内容判定詳細解説
モデルを構築してシステム挙動を再現するのがシミュレーション正しいモデル操作により現象を再現・分析可能
離散型シミュレーションはイベントタイミングが不規則なものを扱う正しい離散事象の不規則性を模倣できる手法
算術乱数はサイコロなど物理現象を使う乱数生成法とする説明誤り(正解)算術乱数は「計算式で作る乱数」で誤った説明
モンテカルロ法は乱数を使うシミュレーションや数値計算法正しい確率計算や期待値評価に広く使われている
システムダイナミックスは非線形システムの動的挙動理解の手法正しいフィードバックを含む複雑システムの解析が可能

図表:乱数生成法の整理

用語生成方法代表例特徴
算術乱数数学的アルゴリズムで作る(例:線形合同法)0.1234…計算で再現される擬似乱数
物理乱数サイコロや放射性崩壊など自然現象の記録サイコロ・コイン完全なランダムだが入手・再現しづらい

まとめ・問題の要点

  • シミュレーション技法の本質はモデルを使った現象再現・分析にある
  • 離散型と連続型の違いを押さえることが重要
  • 算術乱数は計算機・数式による擬似乱数であり、サイコロ等の物理乱数とは区別される
  • モンテカルロ法システムダイナミックスといった発展的概念も出題範囲

感想

過去問にもありましたもんね。

よって正解しました!

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まあまあ出題されていますね。

比較的解きやすい、と感じるので確実に理解しておかねば。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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