問題
Ⅲ-10 生産統制に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 生産統制では、生産実施が計画どおりに行われているかどうかをチェックし、計画からのずれを調整し、進捗管理を行う。
② 余力管理は、工数管理ともいわれ、進捗管理と並行して進められる。
③ 生産時点情報管理によって収集された情報は、常に現品の流れと一致する。
④ 生産時点情報管理とは、生産活動において発生する情報を、その発生場所で即時に収集し、必要な指示を提供する情報管理システムである。
⑤ かんばん方式では、引取かんばんを用いて運搬指示が出される。

解答
正解は 3 になります。
生産統制の本質とこの問題の主旨
生産統制は、生産現場で計画された目標に対して現実の進捗や作業状況を把握し、必要があれば調整することで最適な生産活動を維持する管理の一部です。
具体的には資源(人・設備・材料・情報)の有効活用や納期遵守、無駄の削減などが主要な目的となります。
今回の問題は、生産統制の現場で使われる代表的な概念や仕組みについての理解・正しい使い方を確認する内容です。各選択肢で用語や管理手法が正確に使われているかどうかを見極めることが求められます。
承知しました。下記の解説では、各選択肢ごとに「正しい内容」か「誤り(不適切)」かを都度明記し、わかりやすく整理します。
選択肢ごとの詳細解説
① 生産統制では、生産実施が計画どおりに行われているかどうかをチェックし、計画からのずれを調整し、進捗管理を行う。
〈正しい内容〉
生産統制の主目的は、進捗管理によって生産活動の計画と実績のズレを把握・調整することです。
計画通り進んでいるかを確認し、問題があれば現場に指示して軌道修正する仕組みが基本です。
② 余力管理は、工数管理ともいわれ、進捗管理と並行して進められる。
〈正しい内容〉
余力管理(工数管理)は、現場の作業負荷や能力の余裕(余力)を管理するもので、進捗管理とは別に、同時並行して運用されるケースが一般的です。
生産計画の調整やリソース配分を最適化する効果があります。
③ 生産時点情報管理によって収集された情報は、常に現品の流れと一致する。
〈不適切(誤り)〉
この選択肢が誤りです。
生産時点情報管理は現場情報を即時に収集する仕組みですが、収集された情報が「常に現品(現物)の動きと一致する」とは限りません。
入力遅れや誤操作などで情報と現品の流れにズレが生じる場合が少なくありません。
④ 生産時点情報管理とは、生産活動において発生する情報を、その発生場所で即時に収集し、必要な指示を提供する情報管理システムである。
〈正しい内容〉
生産時点情報管理は、現場情報の即時収集および指示伝達を行う情報管理手法です。
作業実績や設備の状態、仕掛品の流れなどを、その場でリアルタイムに把握します。
⑤ かんばん方式では、引取かんばんを用いて運搬指示が出される。
〈正しい内容〉
かんばん方式の一つである「引取かんばん」は、運搬や部品供給のタイミング・数量を明示するカードであり、運搬指示を担うものです。
余計な在庫を持たずにスムーズな運用が可能となります。
まとめ:問題の要点・強調すべきキーワード
本問は生産現場の代表的な管理手法や情報システムに関する基本理解が問われました。
誤りの選択肢(③)は「生産時点情報管理で集めた情報は現物の流れと常に一致する」と誤認している点が不適切です。
リアルタイム管理の重要性を認識しつつも、実際には情報のズレやタイムラグが起こり得る、という実務的観点が学習の要点です。
要点:
- 進捗管理や余力管理は生産統制の中核
- 生産時点情報管理は即時収集が原則だが現物と情報は必ずしも一致しない
- かんばん方式は引取かんばんを使った現場の運搬指示
- 情報システムの限界やリスクも認識しておくことが重要
感想
生産統制に関する問題、実に久しぶりです。

過去2回しか出ていないのですよね。
今日は勘違いして間違ってしまいましたが、しっかり覚えておいておこうと思います。
このへん、実務でバンバン出てくるようになったので・・・・。
