問題
Ⅲ−19 実験計画法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 実験計画法は、効率的かつ経済的に、妥当で適切な結論に到達できるような実験を計画する方策である。
② 実験におけるブロック化の方策には、乱塊法、ラテン方格法等がある。
③ 実験におけるランダム化とは、処理を実験単位に割り付ける際、それぞれの実験単位にどの処理も等しい確率で割り付けられるようにする方法である。
④ 実験における反復とは、説明変数に関する所与の設定について、複数回の実験を実施することである。
⑤ 要因実験は、一度に1つの因子を直感的に取り上げる実験方法をとる。

解答
正解は 5 になります。
実験計画法の基礎と今回の設問の全体像
実験計画法は、製造現場や品質管理、サービスの改善など、さまざまな分野で活用されています。
限られたリソースや時間の中で、効率的に「確実な結論」にたどり着くための計画方法というのが本質的な役割です。
この問題では、実験計画法に関連する用語やそれぞれの考え方に対して、どれが適切でどれが誤りかを問う形式です。
各選択肢で挙げられた手法や用語の基礎を一つずつ丁寧に見ていきましょう。
各選択肢の詳細解説
① 実験計画法の目的と意義
この選択肢は、実験計画法の本質を端的にまとめています。
実験を行うにはコストや時間がかかりますが、むやみに行うと無駄が増えてしまいます。
そこで、効率的・経済的で、しかも適切な結論を得られるように「実験の流れ」や「比較対象」などをあらかじめしっかり計画するのが実験計画法の役割です。
- 効率的: 少ない回数で必要なデータを得る
- 経済的: 無駄な実験やコスト増を防ぐ
- 妥当・適切な結論: 信頼できる結果を導く
よって、①は適切です。
② ブロック化・乱塊法・ラテン方格法
「ブロック化」は、実験の際にどうしても避けられない“ばらつき”(例えば日ごとの環境差など)の影響を減らすための工夫です。
似たもの同士のグループ(ブロック)を作り、そのブロック毎に比較することで、外的要因の影響を低減できます。
- 乱塊法(ランダム化ブロック法): ブロックごとに無作為に割り当てる方法。土壌の性質が異なる畑で農作物の成長を比べる例でよく使われます。
- ラテン方格法: 複数の因子(例: 種類と肥料)や行・列の影響が考えられる場面で、無駄なく効率良く実験する方法です。
どちらもブロック化の代表的手法なので、②は適切です。
③ ランダム化の意味
ランダム化とは、いわゆる「くじ引き」によって各条件を割り当て、公平な比較ができるようにする工夫です。
例えば実験対象にA処理とB処理を割り当てるとき、誰がA、誰がBになるかを完全に無作為(等しい確率)で決めることで、担当者の癖や思い込みなど余計なバイアスを排除できます。
したがって、③の説明は正しい内容です。
④ 反復実験の意義
「反復」とは、同じ条件下で同じ実験を複数回行うことです。
これにより偶然によるバラつきを小さくし、信頼性の高い平均値や傾向を導き出すことができます。
たとえば同じ設定で3回実験して、その平均を取ることで、たまたま一度だけ出た特異な値に振り回されるリスクを減らせます。
選択肢④も、正しい説明と言えます。
⑤ 要因実験の説明の誤り【不適切】
要因実験(要因分析型実験)では、複数の因子を同時に検討することが本質です。
「一度に1つの因子だけを直感的に調べる」のは一因子実験の特徴ですが、要因実験の目的は「複数の因子の組み合わせ」で全体の影響を効率的に調査すること。
たとえば自動車の燃費向上を考える時、「タイヤの種類」と「エンジンオイルの種類」を同時に変えながら、その組み合わせごとの効果を探るのが要因実験の代表例です。
したがって、この選択肢は大きな誤りであり、最も不適切なものです。
まとめ — 実験計画法で押さえるべきポイント
- 実験計画法は無駄なく信頼できる結果を出すための計画手法。
- 「ブロック化」「ランダム化」「反復」は全てバラつきを減らすための基本的な考え方。
- 要因実験は複数の因子の効果や相互作用を一度に調べる方法であり、「一度に1つだけ」を調べるやり方ではない。
これらの基礎理解が、製造業からサービス業・ITまで様々な現場での品質向上や問題解決に直結しています。
感想
ああっ!実験計画法!!
ここのブログでは何度も苦手だと申して参りましたが。

しかし!
今日は正解でした。
このブログ作成で身につけた知識で消去法にて(笑)
これおかしいな?って思って選択しました。
いやあ、一歩前進!!
