令和元年度(再) 経営工学部門 Ⅲ-21

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目次

問題

Ⅲ-21 確率論に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 起こり得る全ての結果の集合のことを、標本空間という。

② 標本空間の部分集合のことを、事象という。

③ 所与の事象に割り当てられる実数のことを確率といい、必ず0から1の値を取る。

④ 所与の事象を標本空間から除いたものを、余事象という。

⑤ 共通部分の確率がそれぞれの確率の積となる事象の対のことを、排反事象という。

解答

正解は 5 になります。

概要:確率論の基礎と用語整理

確率論は、不確実性を数学的に扱う学問分野です。
日常の様々な現象(サイコロ・天気・診断結果など)を論理的・数値的に説明するために重要な考え方が凝縮されています。
この問題では、確率論で必ず押さえておくべき基本用語や考え方を問う選択肢が並んでいます。
まず、それぞれの選択肢を具体例とともに解説し、誤りや注意点を分かりやすく整理します。


各選択肢の詳細解説

選択肢①【標本空間】

「起こり得る全ての結果の集合のことを、標本空間という。」

標本空間とは「考えうる全ての結果(可能性)」を網羅した集合です。
例えば、サイコロを1回振る場合の標本空間は「1・2・3・4・5・6」。$$S = \{1, 2, 3, 4, 5, 6\}$$

どんな問題でも、最初に標本空間を設定することで、何が起こり得るかを整理します。


選択肢②【事象】

「標本空間の部分集合のことを、事象という。」

事象(イベント)は「具体的に考えたい結果のまとまり」で、標本空間の一部です。

例えばサイコロで偶数が出る事象は…$$A = \{2, 4, 6\}$$

事象は、確率を計算する対象です。


選択肢③【確率】

「所与の事象に割り当てられる実数のことを確率といい、必ず0から1の値を取る。」

確率とは「事象が起こる度合い」を表す数で、0から1の間の値を取ります。起こる可能性が高いほど確率は大きく、必ずこの範囲に収まります。

例:サイコロで「4」が出る確率は 1/6。$$0 \leq P(A) \leq 1$$


選択肢④【余事象】

「所与の事象を標本空間から除いたものを、余事象という。」

余事象は「ある事象が起こらない場合」をまとめたものです。

例:偶数Aが出る余事象は「奇数」$$A^c = \{1, 3, 5\}$$

余事象の確率は$$P(\text{余事象}) = 1 – P(A)$$


選択肢⑤【排反事象】

「共通部分の確率がそれぞれの確率の積となる事象の対のことを、排反事象という。」

この説明は不適切です。

排反事象とは「同時に起こることが絶対にない事象」のことです。

例:サイコロで「偶数が出る」と「奇数が出る」。
この2つは同時に起こることはなく、共通部分はありません。$$ \cap B = \emptyset$$

排反事象同士は同時発生確率が 0 です。

一方、”共通部分の確率がそれぞれの確率の積となる”は、実は独立事象の説明です。

  • 排反事象: 同時発生確率 = 0
  • 独立事象: 同時発生確率 = 各確率の積

$$P(A \cap B) = P(A) \times P(B) \quad \text{(独立事象)}$$

表:排反事象と独立事象の違い

種類定義同時発生確率
排反事象同時に起こらない$$P(A \cap B) = 0$$
独立事象互いに影響しない$$P(A \cap B) = P(A) \times P(B)$$

まとめ:重要ポイントの整理

今回の問題のポイントは、確率論の基本用語を正しく理解し、排反事象と独立事象の違いを見分けることです。

  • 標本空間は「すべての結果」の集合
  • 事象は「任意の結果の集まり」
  • 確率は「0〜1までの実数」
  • 余事象は「起こらない場合」
  • 排反事象は同時に起こることがなく、確率の積ではなく同時発生確率がゼロになることが特徴

こうした知識は、他の確率論や品質管理・統計学の分野でも共通する重要なベースとなります。


感想

確率論、お初ですね。

過去問ゼロでした。

よって下の関連記事もゼロになるのかな?何かしら引っ張ってきそうですが。

今日はたまたま正解でした。

しっかり理解していたわけではなく、なんとなく違和感ありありだったので。

直感も大事なのかもしれませんね。

まあ、サイコロ解説書いて理解は深まりましたが。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
同じ道を進む方や、資格取得を目指す方のお役に立てる情報をお届けします。

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