問題
Ⅲ-31 ある日の設備の稼働状況に関する以下の【データ】a~dにもとづいた設備総合効率の値として、最も近いものはどれか。
【データ】
a.機械の負荷時間は8時間であった。
b.故障、段取り、調整などの機械停止時間は1時間であった。
c.製品は1種類であり、その基準サイクルタイムは50秒である。
d.加工数量400個のうち、20個の不適合品があった。
① 60%
② 65%
③ 70%
④ 75%
⑤ 80%

解答
正解は 2 になります。
問題の概要
この問題は、生産現場でよく使われる「設備総合効率(OEE)」を計算するものです。
OEE は 稼働率 × 性能稼働率 × 良品率 で求められ、設備がどれだけ効率よく使われているかを示す重要な指標です。
与えられたデータから、稼働率・性能稼働率・良品率を順番に求め、最終的に OEE の値を算出します。
稼働率・性能稼働率・良品率の考え方
- 稼働率(Availability):設備が「動いていた時間」の割合
- 性能稼働率(Performance):設備が「どれだけ基準速度に近いスピードで動いていたか」
- 良品率(Quality):生産された数量のうち、良品の割合
これらを掛け合わせると、設備の総合的な効率が分かります。
各項目の計算
稼働率
負荷時間 8 時間のうち、停止時間が 1 時間なので、
実稼働時間は 7 時間(420 分=25,200 秒)
稼働率
= 25,200 ÷(8 時間=28,800 秒)
= 0.875(87.5%)
性能稼働率
基準サイクルタイムは 50 秒/個。
よって、400 個を作るために必要な理論時間は
50秒 × 400個 = 20,000 秒
性能稼働率
= 理論時間 ÷ 実稼働時間
= 20,000 ÷ 25,200
= 0.7936(79%)
良品率
加工数量 400 個のうち、不適合品 20 個 → 良品は 380 個
良品率
= 380 ÷ 400
= 0.95(95%)
設備総合効率(OEE)
OEE
= 稼働率 × 性能稼働率 × 良品率
= 0.875 × 0.7936 × 0.95
= 0.660(66% 程度)
最も近い選択肢は ② 65% となります。
選択肢ごとの詳細解説
① 60%
60% は実際の OEE(約66%)よりも低すぎます。
稼働率・性能稼働率・良品率のいずれも極端に悪い値ではないため、60% まで下がることは考えにくく不適切です。
② 65%
稼働率 87.5%、性能稼働率 約79%、良品率 95% を掛け合わせると約66% となり、最も近い値です。正しい選択肢です。
③ 70%
70% は OEE の実測(約66%)より高めの値で、性能稼働率のロスを考えると到達しません。
計算根拠と合致しないため誤りです。
④ 75%
稼働率は87.5%と比較的高いですが、性能稼働率が79%、良品率が95%であることを考えると 75% には届かず、過大評価です。
⑤ 80%
80% に達するためには、稼働率・性能稼働率・良品率のいずれかが非常に高い必要があります。
特に性能稼働率が基準速度より遅れているため、80% は完全に不適切です。
追加解説:OEEの使い方と改善への応用
OEE は単なる数値ではなく、以下のような改善活動と結びつけることで大きな意味を持ちます。
- 稼働率の改善 → 故障削減、段取り改善、5S、保全の強化
- 性能稼働率の改善 → サイクルタイムの短縮、作業者の教育、設備の劣化対策
- 良品率の改善 → 不良原因解析、品質管理の強化、標準作業の徹底
現場でのボトルネックを発見するための実践的な指標として、多くの企業が採用しています。
まとめ
- 設備総合効率(OEE)は、稼働率 × 性能稼働率 × 良品率 の 3 要素で計算される指標。
- 実稼働時間、基準サイクルタイム、生産数量、不良数から計算する。
- 本問題では、稼働率87.5%、性能稼働率79%、良品率95% となり、OEE は約66%。
- 最も近い選択肢は ② 65% である。
感想
設備総合効率、実はイマイチわかってませんでした。
機械設計屋なのでそこはあんまり意識していない、というのが実情です。
問題解説の度にあ、そうか!ってなるんですけど今回も例外では無く。

うん、今回の解説でしっかり記憶定着。
そこまで難しく考えなくていいですね。
