問題
Ⅲ-10 作業空間(作業域)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 最小作業域とは、固定した肩を中心に、手を最大にのばしたときの手の届く範囲である。
② 正常作業域とは、上腕を身体に近づけ、前腕を自然な状態で動かした範囲をさしている。
③ 動作経済の原則に基づいて、工具、材料、制御装置は、使用点に近接しておくようにする。
④ 作業者の身長などの身体的な特性を考慮して、作業域の大きさを調整することは動作経済の原則に則している。
⑤ 隣接する作業域は互いに重ならないように配置すべきである。
解答
正解は 1 になります。
作業空間(作業域)について
作業空間または作業域とは、作業者が効率的に作業を行うことができる範囲のことです。主に2種類の作業域があります:
- 最大作業域
- 正常作業域
最大作業域
- 定義:肩を固定したまま、腕を最大に伸ばしたときに手が届く範囲
- 特徴:この範囲内での作業は疲労が大きいため、頻繁に使用する物は置かないようにします
正常作業域
- 定義:上腕を体に近づけ、前腕を自然な状態で動かせる範囲
- 特徴:最も効率的に作業ができる範囲で、頻繁に使用する道具や材料はこの範囲内に配置します
動作経済の原則
動作経済の原則とは、最小の労力で最大の効果を得るための作業設計の指針です。主な原則には以下があります:
- 工具、材料、制御装置は使用点に近接して配置する
- 作業者の身体的特性(身長など)に合わせて作業域を調整する
- 無駄な動きを最小限に抑える
問題の解説
問題の選択肢を見ていきましょう。
- ①は不適切な説明です。ここで説明されているのは「最大作業域」の定義であり、「最小作業域」ではありません。「最小作業域」という用語は一般的ではなく、この文脈では適切ではありません。
- ②は正しい説明です。正常作業域の定義が適切に述べられています。
- ③は正しい説明です。これは動作経済の原則に基づいた適切な配置方法です。
- ④は正しい説明です。作業者の身体的特性に合わせて作業域を調整することは、動作経済の原則に則しています。
- ⑤は正しい説明です。隣接する作業域が重なると、作業者同士の干渉が起こる可能性があるため、重ならないように配置すべきです。
したがって、最も不適切なものは①です。「最小作業域」という用語を使用していることと、その定義が実際には最大作業域を説明していることが不適切な点です。
まとめ
作業空間(作業域)の適切な理解と設計は、作業効率の向上と作業者の疲労軽減に重要です。最大作業域と正常作業域の違いを正確に理解し、適切な用語を使用することが、効率的で快適な作業環境の実現につながります。
感想
最小作業域?最大作業域??で混乱しました。
まあ、手を最大に、って書いてあるから最大なんだって覚えておくことにしましょう。
動作経済の原則については過去に出てきています。
やはり過去問に出ているとわずかながらでも記憶しているものですね!!
うん、毎日やってると少しずつですが変化を実感。
しかし来年の試験に間に合うのか??