問題
Ⅲ-16 MRPに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① MRPは、生産計画情報、部品構成表情報及び在庫情報に基づいて、資材の必要量と時期を求める生産管理体系である。
② 部品構成表には、部品の親子関係の連鎖を木構造で示したサマリー型と、表形式で示したストラクチャ型がある。
③ MRPⅡは財務計画の業務領域が含まれており、MRPより対象とする業務領域が広い。
④ 独立需要品目とは、受注又は予測に基づいて、その必要時期又は必要量を決定する品目である。
⑤ MRPシステムでは、タイムフェイズされた計画対象期間を設定し、これを単位にすべての生産、調達活動の計画、実施、統制を行う。
解答
正解は 2 になります。
MRPとは
MRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)は、製造業で使用される生産管理システムです。必要な部品や材料を、必要な量だけ、必要な時期に用意するための計画を立てるのに役立ちます。
各選択肢の解説
① MRPの基本概念
この記述は正確です。MRPは以下の3つの情報を基に計算を行います:
- 生産計画情報:何をいつまでに、どれだけ作るか
- 部品構成表情報:製品を作るのに必要な部品の情報
- 在庫情報:現在ある部品や材料の量
これらの情報を使って、必要な資材の量と時期を計算します。
② 部品構成表の種類(不適切な記述)
この記述が不適切です。部品構成表(BOM:Bill of Materials)の種類について、誤った情報が含まれています。正しくは:
- サマリー型BOM:製品全体の構成を一覧表示する形式
- ストラクチャ型BOM(ツリー型やインデント型とも呼ばれる):部品の親子関係を階層的に示した形式
「表形式で示したストラクチャ型」という説明は適切ではありません。ストラクチャ型BOMは通常、ツリー構造やインデント形式で表現されます。
③ MRPⅡの特徴
この記述は正確です。MRPⅡ(Manufacturing Resource Planning:製造資源計画)は、MRPを拡張したシステムで、財務計画も含めたより広範囲の業務をカバーします。
④ 独立需要品目の定義
この記述は正確です。独立需要品目とは、他の製品の需要に影響されず、直接的に需要が決まる品目のことです。例えば、完成品や交換部品などが該当します。
⑤ MRPシステムの時間管理
この記述も正確です。MRPシステムでは、計画期間を細かい時間単位(例:週や日)に分けて管理します。これにより、各時期に必要な生産量や調達量を正確に把握できます。
MRPの重要性
MRPは以下の点で企業に大きな利益をもたらします:
- 在庫の最適化:必要な量だけ在庫を持つことでコストを削減
- 生産効率の向上:必要な材料を適切なタイミングで用意することで生産の遅れを防止
- 計画の精度向上:需要の変化に迅速に対応可能
まとめ
MRPは現代の製造業において欠かせない管理システムです。正確な情報入力と適切な運用により、企業の生産性と競争力を大きく向上させることができます。
感想
MRP、過去にも出てきてますね!↓
そう、ここでストラクチャ型出てましたもんね。
ツリー型という呼び方のほうがワタクシにはなじみがあるのですが。
BOMにもいろんな種類ありますよね。
EBOM、MBOMはしょっちゅう仕事でも出てきますが。
今後の問題で出てくるのかなあ??