問題
Ⅲ-17 以下に示すa~cの条件でライン生産を行っている職場に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
条件
a. 各工程の作業時間[分]は、それぞれ第1工程4.2、第2工程4.5、第3工程4.7、第4工程5.0である。
b. 最大の作業時間をサイクルタイムとして運用する。
c. 各工程の作業者数は、それぞれ1名である。
① ラインの編成効率は92%である。
② ラインのバランスロスは8%である。
③ 第1工程の作業時間を短縮すると、現状の編成効率は減少する。
④ 第4工程を改善し、作業時間4.9分となった場合、単位時間当たりの生産量は減少する。
⑤ ボトルネック工程の作業時間を1割短縮したとき、ライン全体の手待ち時間は減少する。
解答
正解は 4 になります。
ライン生産方式とは
ライン生産方式は、製品を作る工程を複数の作業に分け、それぞれの作業を順番に行っていく生産方法です。ベルトコンベアを使った自動車の組立ラインをイメージするとわかりやすいでしょう。
条件の解説
a. 各工程の作業時間が示されています。
b. サイクルタイムは、最も時間のかかる工程の作業時間となります。
c. 各工程に1名ずつ作業者がいます。
重要な概念
- サイクルタイム:ラインの中で最も時間のかかる工程の作業時間。この場合は第4工程の5.0分です。
- 編成効率:ラインの効率を表す指標。以下の式で計算します。
編成効率 = (全工程の作業時間の合計) ÷ (サイクルタイム × 工程数) × 100% - バランスロス:ラインの非効率な部分を表す指標。100% – 編成効率で求められます。
各選択肢の解説
① ラインの編成効率は92%である。
正しい記述です。
編成効率 = (4.2 + 4.5 + 4.7 + 5.0) ÷ (5.0 × 4) × 100% = 92%
② ラインのバランスロスは8%である。
正しい記述です。
バランスロス = 100% – 編成効率 = 100% – 92% = 8%
③ 第1工程の作業時間を短縮すると、現状の編成効率は減少する。
正しい記述です。第1工程の作業時間を短縮すると、分子(全工程の作業時間の合計)が小さくなるため、編成効率は減少します。
④ 第4工程を改善し、作業時間4.9分となった場合、単位時間当たりの生産量は減少する。
不適切な記述です。これが正解です。
単位時間当たりの生産量は増加します。
サイクルタイムが5分から4.9分と短くなったことで、単位時間当たりの生産量は増加します。具体的には:
- 改善前:60分 ÷ 5.0分 = 12個/時間
- 改善後:60分 ÷ 4.9分 ≈ 12.24個/時間
このように、わずかではありますが、生産量が増加することになります。
⑤ ボトルネック工程の作業時間を1割短縮したとき、ライン全体の手待ち時間は減少する。
正しい記述です。ボトルネック工程(この場合は第4工程)の作業時間が短縮されると、サイクルタイムが短くなり、他の工程の手待ち時間が減少します。
まとめ
ライン生産方式では、各工程のバランスを取ることが重要です。サイクルタイムを短縮し、編成効率を上げることで、生産性を向上させることができます。ただし、一部の工程だけを改善しても、ボトルネック工程が変わらなければ全体の生産性は向上しないことに注意が必要です。
感想
これは正解でした。
なんでサイクルタイムが短縮するのに生産量減少するの?って気づきますもんね!
編成効率とバランスロスについては計算する必要ありますね!
今日、覚えておきます。