問題
Ⅲ-19 ある工程の品質特性の平均値が79.5、標準偏差が1.2、上限規格値が82.0、下限規格値が定められていないとき、工程能力指数を1.33にするために最も適切な改善方法はどれか。
① 現状の平均値を0.11増加させる。
② 現状の平均値を1.09減少させる。
③ 現状の平均値を2.29減少させる。
④ 現状の平均値を3.49減少させる。
⑤ 現状の平均値を4.69減少させる。
解答
正解は 3 になります。
工程能力指数(Cp)とは
工程能力指数は、製造プロセスが製品の品質規格をどれだけ満たしているかを示す指標です。値が大きいほど、プロセスの能力が高いことを意味します。
問題の条件
- 現在の平均値:79.5
- 標準偏差:1.2
- 上限規格値:82.0
- 下限規格値:なし
- 目標とする工程能力指数:1.33
工程能力指数の計算方法
片側規格(上限のみ)の場合、工程能力指数は以下の式で計算されます:
Cp = (上限規格値 – 平均値) / (3 × 標準偏差)
目標達成のための計算
目標のCp(1.33)を達成するための理想的な平均値は以下のように計算されます:
理想的な平均値 = 上限規格値 – (Cp × 3 × 標準偏差)
= 82.0 – (1.33 × 3 × 1.2)
≈ 77.212
正解の解説
現在の平均値(79.5)から理想的な平均値(77.212)を引くと、約2.29の減少が必要であることがわかります。
したがって、正解は ③ 現状の平均値を2.29減少させる です。
なぜ平均値を下げる必要があるのか
工程能力指数を上げるには、製品のばらつき(標準偏差)を小さくするか、平均値を規格の中心に近づける必要があります。この場合、上限規格値のみが定められているため、平均値を下げることで上限規格値との距離を広げ、工程能力指数を向上させることができます。
まとめ
工程能力指数の改善は、製造プロセスの品質向上に直結します。平均値や標準偏差を適切に管理することで、不良品の発生を減らし、顧客満足度を高めることができます。ただし、実際の製造現場では、平均値の調整だけでなく、ばらつきの低減も同時に行うことが重要です。
感想
ちょっと似たのが過去問のこれ↓。
答えが今回のメインである工程能力指数でした。
今回の問題のように数字が入っているもの、案外と来やすい鴨です。
落ち着いて前提条件確認して、焦らず計算していくといいと思います。
なんていいつつ、今日は不正解でしたが・・・。
平成25年度 経営工学部門 Ⅲ-18
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