問題
III-3 次のうち、準備段取作業に関する説明として最も不適切なものはどれか。
① 準備段取作業を専門とする作業者にとっては、その作業は主体作業である。
② ロット生産の総所要時間を短縮するためには、外段取の時間を短縮する改善が必要となる。
③ 準備段取作業は、主体作業の前に行う準備作業と、その後に行う後始末作業に区分することができる。
④ 組立作業などにおいて一連の主体作業の中で部品の梱包を解いたりする付帯作業が主体作業と区別できない場合は、間接作業時間又は主体作業における変動的要素と考える。
⑤ 準備段取作業自体は価値を生まない作業であるから、ムダな作業として省略や簡素化を図る改善の対象になる。

解答
正解は 2 になります。
準備段取作業とは?
準備段取作業とは、生産プロセスにおいて製品を作る前後に行われる準備や後片付けの作業を指します。たとえば、機械の設定変更、工具や材料の準備、使用後の片付けなどが含まれます。このような作業は直接的に製品を生み出すわけではありませんが、生産効率やコストに大きな影響を与えるため、効率化が重要です。
特に、準備段取作業は以下の2つに分類されます:
- 内段取:機械が停止している間に行う準備作業(例:工具交換、機械設定の変更)。
- 外段取:機械が稼働している間に行える準備作業(例:次工程の材料準備)。
選択肢①
「準備段取作業を専門とする作業者にとっては、その作業は主体作業である。」
- 解説
主体作業とは、その人の主な仕事や役割に該当する作業のことです。たとえば、機械オペレーターが製品を加工することが主体作業です。一方で、準備段取作業は通常、補助的な役割と考えられます。しかし、「準備段取専門」の役割で雇用されている場合、その人にとってはそれが主体作業となります。この説明は正しいです。
選択肢②
「ロット生産の総所要時間を短縮するためには、外段取の時間を短縮する改善が必要となる。」
- 解説
ロット生産とは、一度にまとめて一定量の製品を生産する方式です。この場合、生産効率を上げるためには「内段取」の時間短縮が重要です。なぜなら、内段取は機械が停止している間に行うため、この時間を短縮すれば機械稼働率が向上します。一方、「外段取」は機械が稼働中でも行えるため、ロット生産全体の所要時間短縮には直接的な影響を与えません。
したがって、「外段取」を短縮することがロット生産全体の時間短縮につながるというこの記述は誤りであり、不適切です。
選択肢③
「準備段取作業は、主体作業の前に行う準備作業と、その後に行う後始末作業に区分することができる。」
- 解説
準備段取作業は通常、「事前準備」と「後始末」に分けられます。たとえば、事前準備として工具や材料をセットし、後始末として使用した工具を片付ける、といった流れです。この説明も正しいです。
選択肢④
「組立作業などにおいて一連の主体作業の中で部品の梱包を解いたりする付帯作業が主体作業と区別できない場合は、間接作業時間又は主体作業における変動的要素と考える。」
- 解説
この選択肢では、「部品の梱包を解く」という付帯的な活動について述べています。このような活動は通常、「間接作業」または「変動的要素」として分類されます。しかし、この説明では付帯的な活動が主体作業と区別できない場合について述べており、その場合でも適切な分類方法として認識されています。この説明も正しいです。
選択肢⑤
「準備段取作業自体は価値を生まない作業であるから、ムダな作業として省略や簡素化を図る改善の対象になる。」
- 解説
確かに、準備段取作業そのものは直接的には価値(製品そのもの)を生み出しません。しかし、それ自体が完全な「ムダ」とされるわけではなく、生産プロセス全体で不可欠な部分です。その効率化(省略や簡素化)は重要ですが、「完全になくす」ことは現実的ではありません。この説明も正しいです。
まとめ:問題の要点
- 正解:②
- 準備段取には「内段取」と「外段取」があり、それぞれ改善対象となります。
- 選択肢②では、「外段取」の短縮がロット生産全体の所要時間短縮につながると述べていますが、この記述は誤りです。ロット生産全体の効率化には「内段取」の短縮が重要です。
- 他の選択肢はいずれも正しい内容でした。
感想
これは迷いましたね。5なんじゃないかと。
しかし2の外段取りのみに言及してるのも気になり。
しかし5を選んで、不正解でした〜。
過去のこの問題と非常に近しいから間違えてはダメでしたかね・・・。