平成27年度 経営工学部門 Ⅲ-10PR含む
問題
Ⅲ-10 次のうち、生産計画に関する説明として最も不適切なものはどれか。
① MRPにおける独立需要品目とは、その品目に対する需要(必要時期又は必要量)が、上位品目の需要から算定される品目である。
② MRPシステムにおける基準生産計画(MPS)は、独立需要品目に対して、品目ごとにタイムバケット単位で設定した生産予定を意味している。
③ 大日程計画の立案においては、販売予定及び製品変化に対応するため、調達期間の長い資材の購買、準備期間の長い設備の配置、人材の補充と技能の修得などを考慮して、通常は1年又は半年にわたり月別に生産する製品と数量が計画される。
④ 2機械フローショップでメイクスパン最小化を目的とするスケジューリング問題の解法には、ジョンソンの最適化アルゴリズムがある。
⑤ 日程計画で用いられるガントチャートの表示形式には、さまざまなものがあるが、横軸を時間軸とし、縦軸に、機械、作業者、工程などを割り当てて、各作業の開始から終了までを長方形で示したものがよく用いられる。

解答
正解は 1 になります。
生産計画に関する問題の徹底解説
生産計画は、製造業やサービス業において、効率的に製品やサービスを提供するための計画を立てるプロセスです。経営工学では、生産計画の立案や管理に関する知識が重要視されます。
生産計画とは?
生産計画は、製品やサービスを効率的に生産するために必要な資源(人材、設備、材料など)を適切に配分し、スケジュールを立てる活動です。以下のような段階があります:
- 大日程計画(マスタープラン):長期的な生産量や種類を決定。
- 中日程計画:月単位や週単位で詳細な計画を立案。
- 小日程計画(スケジューリング):具体的な作業手順やタイミングを決定。
これらの計画は、生産効率向上や納期遵守、コスト削減などに直結します。
問題文と選択肢解説
問題文:
次のうち、生産計画に関する説明として最も不適切なものはどれか。
選択肢①
「MRPにおける独立需要品目とは、その品目に対する需要(必要時期又は必要量)が、上位品目の需要から算定される品目である。」
- 解説: この記述は不適切です(正解)。
MRP(資材所要量計画)では、「独立需要品目」と「従属需要品目」の区別が重要です。 - 独立需要品目: 顧客から直接需要が発生する製品(例:完成品)。
- 従属需要品目: 上位品目(独立需要品目)の生産に必要となる部品や材料(例:部品や原材料)。
この記述では「独立需要品目」が「上位品目から算定される」とされていますが、それは「従属需要品目」の説明です。したがって、この選択肢は誤りです。
選択肢②
「MRPシステムにおける基準生産計画(MPS)は、独立需要品目に対して、品目ごとにタイムバケット単位で設定した生産予定を意味している。」
- 解説: この記述は正しい内容です。
MPS(基準生産計画)は、独立需要品目ごとに「いつ」「どれだけ」生産するかをタイムバケット(時間区分)単位で設定します。この情報はMRPシステムの出発点となり、従属需要品目の所要量計算にも影響します。
選択肢③
「大日程計画の立案においては、販売予定及び製品変化に対応するため、調達期間の長い資材の購買、準備期間の長い設備の配置、人材の補充と技能の修得などを考慮して、通常は1年又は半年にわたり月別に生産する製品と数量が計画される。」
- 解説: この記述も正しい内容です。
大日程計画(マスタープラン)は長期的な視点で立案されます。販売予測や市場動向を考慮しながら、生産量や種類を決めます。また、資材調達や人員配置なども含まれるため、中長期的な視点が求められます。
選択肢④
「2機械フローショップでメイクスパン最小化を目的とするスケジューリング問題の解法には、ジョンソンの最適化アルゴリズムがある。」
- 解説: この記述も正しい内容です。
ジョンソンのアルゴリズムは、「2機械フローショップ問題」においてメイクスパン(全作業完了までの時間)を最小化するための手法です。このアルゴリズムでは、作業順序を特定し効率的なスケジュールを構築します。
選択肢⑤
「日程計画で用いられるガントチャートの表示形式には、さまざまなものがあるが、横軸を時間軸とし、縦軸に、機械、作業者、工程などを割り当てて、各作業の開始から終了までを長方形で示したものがよく用いられる。」
- 解説: この記述も正しい内容です。
ガントチャートは、生産管理やプロジェクト管理で広く使われるツールです。横軸には時間軸が設定され、縦軸にはリソース(機械・作業者・工程など)が割り当てられます。作業期間は長方形で示されるため、一目で進捗状況が把握できます。
まとめ:問題解答と要点
正解:①
選択肢①は、「独立需要品目」と「従属需要品目」の定義が混同されています。「独立需要品目」は顧客から直接発生する需要によって決まり、「上位品目」から算定されるものではありません。
問題要点
- 生産計画には、大日程、中日程、小日程という階層構造がある。
- MRPでは、「独立需要」と「従属需要」を明確に区別する。
- ジョンソンのアルゴリズムやガントチャートなど、生産管理ツールも試験範囲として重要。
- 用語や概念を正確に理解し、それぞれの役割や適用範囲を把握することが重要。
感想
このあたり、なかなか苦手・・・。
しかし1か2だろうとは思ってました。
おんなじ項目に言及してたので。
この山の張り方は危険だけども!!
結果、不正解・・・・。
そっくりだったこの過去問二つとはちょっと毛色が違ってましたね。
もっと復習しよう。