平成27年度 経営工学部門 Ⅲ-14PR含む
問題
Ⅲ-14 次のうち、ファクトリーオートメーションで用いられる技術として最も不適切なものはどれか。
① CAM(コンピュータ支援製造)
② CAE(コンピュータ支援工学)
③ 産業用ロボット
④ ジャストインタイム
⑤ 自動マテリアルハンドリング

解答
正解は 4 になります。
ファクトリーオートメーションにおける技術の適切性を問う問題解説
ファクトリーオートメーション(FA)は、生産現場の自動化を目的としたシステムや技術を指します。
これには、機械やロボット、ソフトウェアを活用して効率的かつ正確な生産体制を構築することが含まれます。
FAにおいては、製造工程の効率化やコスト削減が重要な目標です。
この問題では、FAで直接的に使用される技術を選び、不適切な選択肢を見極めることが求められています。
本記事では、各選択肢について詳しく解説し、最終的に正解を導き出します。
各選択肢の詳細解説
1. CAM(コンピュータ支援製造)
概要:
CAMは、設計データを基に工作機械を制御し、自動的に部品を加工するための技術です。
CAD(コンピュータ支援設計)と連携して使用されることが多く、FAでは不可欠な要素です。
FAとの関連性:
製造プロセスの自動化に直結しており、NC工作機械やCNC機械などで広く利用されています。FAシステムの中核となる技術です。
2. CAE(コンピュータ支援工学)
概要:
CAEは、設計段階で製品の性能や強度などをシミュレーションする技術です。
有限要素解析(FEA)などを用いて、試作前に問題点を発見できます。
FAとの関連性:
CAE自体は設計段階で使用されるため、生産現場で直接的に使用されることは少ないですが、製品設計と製造プロセスの効率化に貢献しています。
そのため間接的にはFAと関係があります。
3. 産業用ロボット
概要:
産業用ロボットは、自動化された搬送・組立・加工など多岐にわたる作業を行う機械です。
多軸アームやプログラム可能な制御装置が特徴です。
FAとの関連性:
生産現場での作業自動化において主役ともいえる存在であり、FAには欠かせません。
例えば、自動車工場では溶接や塗装など多くの工程で活躍しています。
4. ジャストインタイム
概要:
ジャストインタイム(JIT)は、「必要なものを必要な時に必要な量だけ生産する」という生産方式です。
トヨタ生産方式として知られています。
FAとの関連性:
JITは生産管理手法であり、生産現場の効率化には寄与しますが、それ自体がFA技術ではありません。
つまり、自動化システムや機器そのものではなく、生産戦略や思想の一部です。
このため、本問では「不適切」と判断されます。
5. 自動マテリアルハンドリング
概要:
自動マテリアルハンドリング(AMH)は、材料や部品の搬送・仕分け・保管などを自動化するシステムです。
AGV(無人搬送車)やコンベアシステムが代表例です。
FAとの関連性:
生産現場で材料供給や製品搬送の効率化に貢献し、FAには欠かせない技術です。
物流工程も含めた全体最適化に寄与します。
まとめ
この問題では、「ジャストインタイム」がファクトリーオートメーションの技術として最も不適切な選択肢となります。その理由は以下の通りです:
- 他の選択肢(CAM、CAE、産業用ロボット、自動マテリアルハンドリング)は、生産現場で直接的に利用される自動化技術。
- 一方、ジャストインタイムは生産管理手法であり、自動化そのものではない。
このように、「ジャストインタイム」はFA技術とは異なる性質を持つため、不適切な選択肢として正解となります。
感想
ワタクシ、ちょっと前までは自己紹介の際に「FA設計屋です」って必ず言ってました。
そんなワタクシ向きの問題ですね。
もちろん正解でした。
これを間違えたらブログ的にはいいネタになるんですがそれはさすがになく。
この手の問題は初めてですかね?
類似の問題を見つけることが出来ませんでした。
正解だったから、まあいいか!!