問題
Ⅲ-15 次のうち、環境対応生産に関する説明として最も不適切なものはどれか。
① 環境対応生産とは、原材料・資源の採取、製品の開発、製造、流通・販売、保全、再生、廃棄などプロダクトライフサイクルの各段階で、環境負荷を減少させるよう工夫された生産を意味している。
② 環境対応生産では、ある生産装置のエネルギー消費量を削減する改善だけでなく、より本質的には、使用済み製品の回収、リサイクル、廃棄などが求められている。
③ 環境対応生産においては、製品のライフサイクル全体、及び、各段階のプロセスに対して責任を持つ拡大製造者責任の考え方が望まれている。
④ 循環型生産システムは、物質循環系として、製品の供給と使用が閉じた系を構成しなければならないという考え方に基づく生産の仕組みである。
⑤ ライフサイクルアセスメントとは、プロダクトライフサイクルの各段階で発生するコストを把握する際に、環境コストも考慮して、特定の製品のコストを見積もる管理会計の手法である。

解答
正解は 5 になります。
環境対応生産に関する問題の解説
環境対応生産とは、製品のライフサイクル全体を通じて環境負荷を最小限に抑えることを目指した生産活動を指します。
この問題では、環境対応生産に関連する説明の中から「最も不適切なもの」を選ぶことが求められています。
各選択肢の詳細解説
① 環境対応生産とは、原材料・資源の採取、製品の開発、製造、流通・販売、保全、再生、廃棄などプロダクトライフサイクルの各段階で、環境負荷を減少させるよう工夫された生産を意味している。
解説:
この説明は正しいです。
環境対応生産では「プロダクトライフサイクル(PLC)」という概念が重要であり、製品が誕生してから廃棄されるまでの全過程で環境負荷を最小限に抑える取り組みが求められます。
具体的には、省エネルギー化や廃棄物削減、リサイクル促進などが含まれます。
② 環境対応生産では、ある生産装置のエネルギー消費量を削減する改善だけでなく、より本質的には、使用済み製品の回収、リサイクル、廃棄などが求められている。
解説:
これも正しい説明です。
環境対応生産では、生産工程そのものだけでなく、生産後の使用済み製品への対応(例: 回収やリサイクル)も重要視されます。
この考え方は「循環型社会」の構築にもつながります。
③ 環境対応生産においては、製品のライフサイクル全体、および各段階のプロセスに対して責任を持つ拡大製造者責任(EPR)の考え方が望まれている。
解説:
この説明も正しいです。
「拡大製造者責任(EPR: Extended Producer Responsibility)」は、生産者が製品のライフサイクル全体にわたって責任を持つべきだという考え方です。
これには製造だけでなく、使用後の回収やリサイクルまで含まれます。
④ 循環型生産システムは、物質循環系として、製品の供給と使用が閉じた系を構成しなければならないという考え方に基づく生産の仕組みである。
解説:
この説明も正しいです。
「循環型生産システム」とは、廃棄物を極力出さずに資源を再利用する仕組みです。
これにより資源循環型社会を実現しようとする取り組みが進められています。
たとえば、「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」はこの考え方に基づいています。
⑤ ライフサイクルアセスメントとは、プロダクトライフサイクルの各段階で発生するコストを把握する際に、環境コストも考慮して、特定の製品のコストを見積もる管理会計の手法である。
解説:
この説明は不適切です。
「ライフサイクルアセスメント(LCA)」とは、本来「製品やサービスがそのライフサイクル全体でどれだけ環境に影響を与えるか」を評価する手法です。
LCAではエネルギー消費量や温室効果ガス排出量などが分析対象となりますが、「コスト」を見積もる手法ではありません。
この点で管理会計とは異なるため、この選択肢は不適切です。
まとめ
本問題では、「⑤ ライフサイクルアセスメント」が不適切な選択肢として正解となります。その理由は以下の通りです:
- ライフサイクルアセスメント(LCA)は「環境影響評価」の手法であり、「コスト見積もり」や「管理会計」の手法ではない。
- 他の選択肢①~④はいずれも環境対応生産における正しい説明であり、不適切ではありません。
この問題から学べるポイントとして、「LCA」や「拡大製造者責任」など重要なキーワードについて理解を深めることができます。
感想
このあたりはあんまり得意でないのですが。
マグレなのか、正解でした。
コストは違うよね、という思いがあったので一応、正解でしたね!
今日の問題も過去問に似たようなのがありませんでした。
しかしこれは復習しないと次に繋がらないな・・・・。