平成27年度 経営工学部門 Ⅲ-17PR含む
問題
Ⅲ-17 3台の機械M1、M2、M3を対象として、5つの性能(A、B、C、D、E)について5点満点で点数つけ、レーダーチャートで評価を行うとき、最も適切なものは①~⑤のうちどれか。

① 3つの機械の中で、M1は性能間のばらつきが最も大きい。
② M2は、3つの性能について、他の機械より優れている。
③ 4つの性能について、M3はM1より優れている。
④ 性能Aについて、3台の機械はすべて同じ点数である。
⑤ 性能Dについて、M2とM3の差は3である。

解答
正解は 2 になります。
問題の概要
この問題は、3台の機械(M1、M2、M3)の性能を5つの項目(A、B、C、D、E)で評価し、それをレーダーチャートで可視化した結果から最も適切な選択肢を選ぶものです。
レーダーチャートは、複数の項目を視覚的に比較するためのツールであり、形状やスコアの分布から機械ごとの特徴や傾向を読み取ることができます。
各機械のスコアは以下の通りです:
性能項目 | M1 (実線) | M2 (短い破線) | M3 (長い破線) |
---|---|---|---|
A | 2 | 4 | 4 |
B | 2 | 4 | 1 |
C | 2 | 5 | 4 |
D | 2 | 3 | 1 |
E | 1 | 4 | 5 |
これらのデータを基に各選択肢を検証していきます。
各選択肢の検証
① 3つの機械の中で、M1は性能間のばらつきが最も大きい
- 解説:
- 性能間のばらつきとは、1台の機械内で各項目(A~E)のスコアにどれだけ差があるかを指します。
- 各機械のスコア範囲(最大値 – 最小値)を計算すると:
- M1:最大値=2、最小値=1 → 範囲=\(2−1=1\)
- M2:最大値=5、最小値=3 → 範囲=\(5−3=2\)
- M3:最大値=5、最小値=1 → 範囲=\(5−1=4\)
- 結果として、M3が最もばらつきが大きく、M1はばらつきが最も小さいです。
- 結論:この記述は誤りです。
② M2は、3つの性能について、他の機械より優れている
- 解説:
- M2は「A:4」「B:4」「C:5」「D:3」「E:4」というスコアです。
- 他の機械と比較すると:
- A項目:M2=4点 → 他より優れている。
- B項目:M2=4点 → 他より優れている。
- C項目:M2=5点 → 他より優れている。
- D項目とE項目では他より優れていませんが、「3つの性能」で他より優れていることが確認できます。
- 結論:この記述は正しいです(正解)。
③ 4つの性能について、M3はM1より優れている
- 解説:
- M3は「A:4」「B:1」「C:4」「D:1」「E:5」というスコアです。
- M1と比較すると:
- A項目:M3=4点、M1=2点 → M3が上。
- B項目:M3=1点、M1=2点 → M1が上。
- C項目:M3=4点、M1=2点 → M3が上。
- D項目:M3=1点、M1=2点 → M1が上。
- E項目:M3=5点、M1=1点 → M3が上。
- 結果として「A」「C」「E」の3つで優れており、「4つ」ではありません。
- 結論:この記述は誤りです。
④ 性能Aについて、3台の機械はすべて同じ点数である
- 解説:
- A項目を見ると:
- M1=2点
- M2=4点
- M3=4点
- 点数が異なるため「すべて同じ」という記述は誤りです。
- A項目を見ると:
- 結論:この記述は誤りです。
⑤ 性能Dについて、M2とM3の差は3である
- 解説:
- D項目を見ると:
- M2=3点
- M3=1点
- 差は \(3−1=2\) 点です。したがって「差が3」という記述は誤りです。
- D項目を見ると:
- 結論:この記述は誤りです。
問題の要約とポイント
問題文に基づく正解
選択肢②:「M2は、3つの性能について、他の機械より優れている」が最も適切な選択肢です。
ポイントまとめ
- レーダーチャートでは「形状」や「各軸ごとのスコア」を比較して分析することが重要です。
- 各選択肢を検証する際には具体的な数値を確認し、「最も適切なもの」を選ぶ必要があります。
感想
正解でした!
この手の問題も初出だなあ。平成27年の問題はなかなか攻めてる感じがします。
ところで、レーダーチャートって、健康診断でよく見ますよね。
そこで思い出した。再検査に行かなくては・・・。