問題

Ⅲ-29 シミュレーションに関する記述として、最も不適切なものは次のうちどれか。

① 次事象法はシミュレーションにおける時間進行法であり、時間をΔt時間ずつ進行させて状態変化を追う。
② コンピュータシミュレーションは、大きく連続系と離散系に分かれる。
③ 乱数を発生させる方法には大きく分けて疑似乱数法と物理乱数法がある。
④ システムダイナミックスはシステムを個別事象の連鎖的な変化の過程であるとしてとらえ、因果関係を含む多重フィードバックを表す関連流れ図を作成し、その図に従って状態の変化を表現するシミュレーションである。
⑤  シミュレーションにかけられる対象のうち、ランダムな要素を含む事象はすべてモンテカルロ法の対象である。

解答

正解は 1 になります。

問題の概要

この問題は、シミュレーションに関する基本的な知識を問うものです。
シミュレーションとは、現実のシステムやプロセスをモデル化し、その挙動を模倣することで、予測や分析を行う手法です。
選択肢の中から「最も不適切なもの」を選ぶ必要があります。

各選択肢の詳細解説

① 次事象法はシミュレーションにおける時間進行法であり、時間をΔt時間ずつ進行させて状態変化を追う

  • 解説
    • 次事象法(Event-Driven Simulation)は、離散事象型シミュレーションで用いられる時間進行法であり、「次に発生するイベントの時刻まで時間を進める」方法です。
    • 一方、「時間をΔtずつ進行させる」方法は固定時間間隔法(Time-Step Simulation)と呼ばれます。
    • 次事象法では、イベントリストに基づいて最も早く発生するイベントの時刻までシミュレーションクロックを進めるため、Δtのような等間隔ではありません。
  • 結論:この記述は誤りです(正解)。

② コンピュータシミュレーションは、大きく連続系と離散系に分かれる

  • 解説
    • コンピュータシミュレーションは、モデル化対象の性質に応じて「連続系」と「離散系」に分類されます。
      • 連続系シミュレーション:流体や熱伝導など、連続的な変化を扱う。微分方程式や差分方程式を用いる。
      • 離散系シミュレーション:人やモノの流れなど、離散的な事象を扱う。イベント駆動型でモデル化される。
    • この分類は一般的であり、正しい記述です。
  • 結論:この記述は正しいです。

③ 乱数を発生させる方法には大きく分けて疑似乱数法と物理乱数法がある

  • 解説
    • 乱数生成には以下の2種類があります:
      • 疑似乱数法(Pseudorandom Number Generation):アルゴリズムによって決定論的に生成される乱数。例:メルセンヌツイスタ。
      • 物理乱数法(True Random Number Generation):物理現象(例:放射性崩壊、量子効果など)を利用して生成される乱数。
    • この分類は正確であり、多くの文献で採用されています。
  • 結論:この記述は正しいです。

④ システムダイナミックスはシステムを個別事象の連鎖的な変化の過程であるとしてとらえ、因果関係を含む多重フィードバックを表す関連流れ図を作成し、その図に従って状態の変化を表現するシミュレーションである

  • 解説
    • システムダイナミックス(System Dynamics)は、複雑なシステム内の因果関係やフィードバックループをモデル化し、それらが時間経過とともにどのように影響し合うかを分析する手法です。
    • 関連流れ図(Causal Loop Diagram)やストック・フローモデル(Stock and Flow Diagram)を用いて表現されます。
    • この記述は正確です。
  • 結論:この記述は正しいです。

⑤ シミュレーションにかけられる対象のうち、ランダムな要素を含む事象はすべてモンテカルロ法の対象である

  • 解説
    • モンテカルロ法(Monte Carlo Simulation)は、ランダムサンプリングによって確率分布や統計的特性を評価する手法です。例えば、不確実性が高いシステムや複雑な確率計算に適用されます。
    • ただし、「ランダムな要素を含むすべての事象」がモンテカルロ法の対象になるわけではありません。他にも適切な解析手法が存在します。
    • この記述には誇張が含まれますが、大きな誤りではありません。
  • 結論:この記述はほぼ正しいですが、問題文中では不適切とはされていません。

問題の要点とまとめ

問題文から導き出した結論

正解は ①:「次事象法」の説明が誤りである

ポイントまとめ

  1. シミュレーションには「連続系」と「離散系」があり、それぞれ異なる特性と用途があります。
  2. 次事象法は「次に発生するイベント時刻まで時間を進める」方法であり、「Δt時間ずつ進行させる」固定時間間隔法とは異なる。
  3. モンテカルロ法やシステムダイナミックスなど、多様な手法が用途ごとに使い分けられます。

感想

いや〜、⑤だと思った。

全部が全部モンテカルロ法でもないだろ?って考えから。

次事象法のほうが間違いだったか〜。ええ、このへんさっぱりわかりません(笑)

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