平成27年度 経営工学部門 Ⅲ-32PR含む
問題
Ⅲ-32 価値工学に関する次の記述の、[ ]に入る語句の組合せとして最も適切なものはどれか。
価値工学とは、最低の[ A ]で、必要な[ B ]を確実に達成するために、製品やサービスの[ C ]分析に注ぐ組織的な努力である。
A B C
① 総費用 機能 要求
② 総費用 機能 機能
③ 負荷 顧客満足 価値
④ 機能 価値 機能
⑤ 機能 顧客満足 費用

解答
正解は 2 になります。
価値工学(Value Engineering, VE)の解説
このブログでは、技術士試験の経営工学部門で出題される「価値工学」に関する問題を解説します。
価値工学は、製品やサービスの「価値」を最大化するために、コスト(費用)と機能のバランスを分析・改善する手法です。今回は、価値工学の定義を問う問題を取り上げ、初心者でも理解できるように解説します。
価値工学(VE)の基本概念
価値工学とは?
価値工学(Value Engineering, VE)は、「最低のコストで必要な機能を確実に達成する」ことを目的とした手法です。VEは、製品やサービスが持つ「機能」に注目し、それを実現するためのコストを最適化します。
- 価値(Value)
VEでは、「価値」を以下の式で表します:
価値 = 機能 ÷ コスト- 機能:製品やサービスが提供する役割や目的(例:車の移動能力)。
- コスト:その機能を実現するために必要な費用。
- 目的
VEの目的は、最低限のコストで必要な機能を確保し、顧客満足度を向上させることです。
各選択肢の詳細解説
選択肢①:総費用、機能、要求
- A「総費用」はVEで使用される適切な言葉です。「最低の総費用」という表現はVEの定義に合致しています。
- B「機能」はVEで中心的な要素であり、「必要なB」として正しいです。
- C「要求」は顧客が求めるものですが、この文脈では「製品やサービス」の分析対象として不適切です。
不正解
選択肢②:総費用、機能、機能
- A「総費用」はVEで使用される適切な言葉です。「最低の総費用」という表現はVEの定義に合致しています。
- B「機能」はVEで中心的な要素であり、「必要なB」として正しいです。
- C「機能」も適切です。「製品やサービスの機能分析」という表現はVEの定義そのものです。
正解
選択肢③:負荷、顧客満足、価値
- A「負荷」という言葉はVEで使用される一般的な用語ではなく、「最低の費用」を表す言葉として不適切です。
- B「顧客満足」は重要ですが、この文脈では「必要なB」として「機能」が求められています。
- C「価値」はVE全体の目標ですが、「分析」に注目している文脈では不適切です。
不正解
選択肢④:機能、価値、機能
- A「最低のA」には「最低の費用」が求められているため、「機能」は不適切です。
- B「必要なB」には「機能」が求められているため、「価値」は不適切です。
- C に「機能」が入っていますが、この文脈では自然ではありません。
- 不正解
選択肢⑤:機能、顧客満足、費用
- A「最低のA」には「最低の費用」が求められているため、「機能」は不適切です。
- B「顧客満足」は重要ですが、この部分には「必要なB」として「機能」が求められています。
- C の「費用」は、「製品やサービス」の分析対象として不適切です。
不正解
正解とその理由
正解は② 総費用、機能、機能です。この選択肢が正しい理由は以下の通りです:
- VEではコスト全体を最小化することが重要であり、「総費用」という表現が正しいです。
- VEでは顧客が求める役割や目的(=機能)を確実に達成することが重要です。「必要なB」には「機能」が最も適しています。
- VEでは製品やサービス全体を分析し、その改善点を見つけることが重要です。「分析」という言葉が正しい選択肢です。
問題全体のまとめ
- VE(価値工学)の定義
- 最低限のコスト(総費用)で必要な機能を達成するために行う手法。
- 製品やサービス全体を分析して改善点を見つけることが目的。
- VEで重要な要素
- コスト(総費用):最小化すべき対象。
- 機能:顧客が求める役割や目的。
- 分析:改善点を見つけ出すプロセス。
- 試験対策ポイント
- VEでは常に「コスト」と「機能」のバランスに注目する。
- 定義文中で空欄になっている場合、「総費用」「必要な機能」「分析」というキーワードが頻出。
感想
VEがらみは過去3回出ていますね。
今回の問題はひっかりました。
1か2だよなあとは思ったのですが、おんなじ言葉繰り返すかな?と思い1を選択してしまい・・・。
おんなじ言葉は使わない!って先入感捨てないとだな。