問題

Ⅲ-8 生産計画やスケジューリングに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 小日程計画は、日別・時間別に、また部品単位に、工程別ないしは作業者別・機械設備別に行う作業の内容と時間の計画である。

② 生産座席予約方式は、受注時に、製造設備の使用日程・資材の使用予定などにオーダを割り付け、顧客が要求する納期どおりに生産する方式である。

③ 工数計画とは、製品設計が完成した後、技術的、方法的及び空間的に製品をどのように変換するかの過程を計画することである。

④ ディスパッチングルールは、加工を待っている複数の待ちジョブの中から、次に優先して加工するジョブを決めるための規則である。

⑤ 資材計画は、生産に必要な品目、その所要量、品質、必要時期などを決める活動である。

解答

正解は 3 になります。

問題の背景と全体像

生産計画スケジューリングは、製造業における資源管理と効率化の根幹を成す概念です。
各選択肢の記述が生産管理の専門用語と整合しているかを判断し、不適切な記述を特定します。

各選択肢の徹底検証

① 「小日程計画は、日別・時間別に、部品単位に工程別・作業者別・機械設備別の作業内容と時間を計画」

  • 適切性:適切
  • 根拠
    小日程計画は、中日程計画を基に具体的な作業割り当てを行います。
    例えば、自動車工場では「溶接ロボット1号機を午前9:00~11:00にシャーシ組立に割り当てる」など、日単位の詳細な計画を指します。
    小日程計画は「作業者・機械別の日次計画」と定義

適切

② 「生産座席予約方式は、受注時に設備使用日程・資材予定を割り付け納期遵守する方式」

  • 適切性:適切
  • 根拠
    航空機の座席予約システムを製造に応用した手法。
    受注時にリソースを即時確保し、納期遅延を防ぎます。
    例えば、半導体工場で注文受け付けと同時にクリーンルームの予約を確定させるケース。

適切

③ 「工数計画=製品設計後の技術的・空間的変換過程の計画」

  • 不適切性:不適切
  • 誤りの核心
    工数計画は「作業に必要な人員数と時間」を算出する計画です。
    技術的変換過程の計画は「工程設計」の定義(例:自動車の組立順序設計)。
  • 正しい定義
    • 工数計画:\( \text{工数} = \text{作業量} \times \text{標準時間}\)
    • 工程設計:生産プロセスの技術的設計

不適切

④ 「ディスパッチングルールは待ちジョブの優先順位決定規則」

  • 適切性:適切
  • 根拠
    代表的なルール:
    • SPT(最短処理時間優先):半導体ウェハの短時間ロットを優先
    • EDD(最早納期優先):緊急医療機器の生産で適用

適切

⑤ 「資材計画は必要な品目・量・品質・時期を決定」

  • 適切性:適切
  • 根拠
    資材計画では、例えばスマートフォン製造で「リチウムイオン電池の仕様・調達量・納入スケジュール」を決定します。

適切

まとめ:技術士試験の重要ポイント

正解:③

誤りの核心
工数計画は「作業量×時間」の計算であり、技術的変換過程の計画(工程設計)と混同した点が誤りです。

用語の正しい定義整理

用語正しい定義
工数計画作業に必要な人員数と時間の算出
工程設計生産プロセスの技術的・空間的設計
ディスパッチングジョブの優先順位決定ルール

感想

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生産座席予約方式に関しては過去問にもあったので印象が強かった。

今回のは工数と工程、大事!ってことですよねえ。

見事に不正解でした・・・・。