問題
Ⅲ-12 品質管理の用語に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① QCストーリーには、新規業務への対応や現状打破を行う活動を効果的に進めるための手順である課題達成型QCストーリーと、問題点をみつけて解決していく問題解決型QCストーリーがある。
② QC7つ道具と新QC7つ道具は職場の問題解決等に用いられ、扱うデータとして数量的データが多数である場合にはQC7つ道具を活用し、言語データが多数である場合には新QC7つ道具を活用する。
③ シックスシグマにおける品質レベルは、ばらつきの単位である「σ」(シグマ)で表現され、顧客に不満足を与える頻度で表される。
④ 品質機能展開の1つに業務機能展開があり、これは品質を形成する業務を階層的に分析して明確化する方法である。
⑤ SDCAサイクルは、計画、実施、チェック、処置のサイクルを確実かつ継続的に回すことによって一定の結果が確実に得られるようなプロセスやシステムを作り上げるという考え方である。

解答
正解は 5 になります。
問題の背景と全体像
品質管理は顧客満足と製品信頼性を確保するための重要なプロセスです。
各選択肢が品質管理の用語や手法を正確に説明しているかを検証し、不適切な記述を特定します。
各選択肢の徹底検証
① 「QCストーリーに課題達成型と問題解決型がある」
- 適切性:適切
- 根拠:
QCストーリーは以下の2種類に分類されます:- 課題達成型:新規プロジェクトや目標達成を目指す(例:新製品開発)
- 問題解決型:既存の課題を改善する(例:不良率低減)
→ 定義が正確→適切
② 「QC7つ道具と新QC7つ道具の使い分け」
- 適切性:適切
- 根拠:
- QC7つ道具:パレート図、ヒストグラムなど数値データ分析に適す
- 新QC7つ道具:親和図、連関図など言語データ整理に適す
→ 実務的な区別が正しい→適切
③ 「シックスシグマの品質レベルをσで表現し不満足頻度で表す」
- 適切性:適切
- 根拠:
シックスシグマでは、1σ=約31.7%の不良率、6σ=3.4ppm(100万回中3.4回の欠陥)と定義。顧客不満足の頻度を定量化します。
→ 正確な説明→適切
④ 品質機能展開と業務機能展開
- 適切性: 適切
- 解説:
- 品質機能展開: 顧客要求を製品特性に変換する手法
- 業務機能展開: 品質を形成する業務を階層的に分析・明確化する方法
- 例: 自動車の乗り心地(顧客要求)をサスペンション性能(製品特性)に変換
→ 適切
⑤ SDCAサイクル
- 適切性: 不適切
- 誤りの核心: SDCAサイクルの説明がPDCAサイクルと混同されている
- 正しい説明:
- SDCA:標準維持 Standardize(標準化)→ Do(実行)→ Check(確認)→ Act(処置)
- 目的: 既存のプロセスやシステムの維持・管理
- PDCA:改善活動 Plan(計画)→Do(実行)→Check(確認)→Act(処置)
- PDCAとの違い: PDCAは改善、SDCAは標準の維持が主目的
→ 不適切
まとめ:技術士試験の重要ポイント
正解:⑤
誤りの核心: SDCAサイクルをPDCAサイクルと混同している点。
SDCAは標準化から始まり、既存プロセスの維持管理が目的。
用語の正しい定義整理
用語 | 正しい定義 |
---|---|
QCストーリー | 課題達成/問題解決の2タイプ |
品質機能展開(QFD) | 顧客要求を設計に反映する手法 |
SDCAサイクル | 標準化→実施→確認→処置(現状維持) |
感想
うん、これは正解でした。
計画はPlanだもんね。
品質管理で過去問を検索したらたくさん出ますね、さすがに。
とりあえずこのへんを参考として貼っておきます。
やっぱり品質管理、頻出ですわさすがに。