問題
Ⅲ-8 作業空間(作業域)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 最小作業域とは、固定した肩を中心に、手を最大に伸ばしたときの手の届く範囲である。
② 正常作業域とは、上腕を身体に近づけ、前腕を自然な状態で動かした範囲である。
③ 動作経済の原則に基づいて、工具、材料、制御装置は、作業に近接し、かつ前面に置くようにする。
④ 作業者の身体的な特性に合わせて、作業場所や椅子の高さを調整することは動作経済の原則に則している。
⑤ 隣接する作業域は互いに重ならないように配置すべきである。

解答
正解は 1 になります。
作業空間(作業域)の概要
作業空間(作業域)とは、人が作業を行う際に、身体の各部位を動かすことができる範囲の空間を指します。
例えば、デスクワークや組立作業などで「手が届く範囲」をイメージすると分かりやすいです。
作業域は主に「最大作業域」と「正常作業域」に分類され、作業の効率や安全性、快適性を考えるうえで非常に重要な概念です。
- 最大作業域:肩を中心に、腕を最大限に伸ばしたときに手が届く範囲
- 正常作業域:上腕を体に近づけ、前腕を自然な状態で動かしたときに手が届く範囲
この区分を理解することで、作業台や機械の配置、道具の置き場所などを最適化し、作業効率の向上や疲労の軽減につなげることができます。
各選択肢の詳細解説
① 最小作業域とは、固定した肩を中心に、手を最大に伸ばしたときの手の届く範囲である。
この選択肢は不適切です。
「最小作業域」という用語は一般的に使われず、正しくは「最大作業域」と呼ばれます。
最大作業域は、肩を固定した状態で腕を最大限に伸ばしたときに手が届く範囲です。
これに対し、「正常作業域」は腕を無理なく自然に動かせる範囲を指します。
したがって、「最小作業域」という表現自体が誤りであり、内容も最大作業域の説明となっているため、不適切な記述です。
② 正常作業域とは、上腕を身体に近づけ、前腕を自然な状態で動かした範囲である。
この選択肢は正しいです。
正常作業域は、上腕を体側に軽くつけて肘を曲げた状態で、前腕を自然に動かせる範囲を指します。
長時間の作業でも疲れにくく、効率的に作業できる範囲です。
③ 動作経済の原則に基づいて、工具、材料、制御装置は、作業に近接し、かつ前面に置くようにする。
この選択肢は正しいです。
動作経済の原則では、作業者の動作距離を短くし、無駄な動きを減らすことが推奨されます。
そのため、よく使う工具や材料、制御装置は作業者の前面、かつ手の届きやすい位置に配置するのが基本です。
④ 作業者の身体的な特性に合わせて、作業場所や椅子の高さを調整することは動作経済の原則に則している。
この選択肢も正しいです。
動作経済の原則の一つに「動作を楽にする」があり、作業者の体格や身体的特徴に合わせて作業環境を調整することは、効率的かつ安全な作業のために重要です。
⑤ 隣接する作業域は互いに重ならないように配置すべきである。
この選択肢は一般的に正しいです。
隣接する作業域が重なると、作業者同士がぶつかったり、効率が低下したりする恐れがあります。
特に複数人が同時に作業を行う場合は、作業域が重ならないように配置することが望ましいとされています。
作業域の説明
作業域の種類 | 説明 |
---|---|
正常作業域 | 上腕を体側につけ、前腕を自然に動かせる範囲 |
最大作業域 | 肩を中心に腕を最大限に伸ばしたときに届く範囲 |
まとめ:問題の要点
- 作業域には「正常作業域」と「最大作業域」があり、それぞれ定義が異なる。
- 「最小作業域」という用語は一般的に使われず、最大作業域の説明が誤っている。
- 動作経済の原則では、作業者の負担軽減や効率化のために、道具や作業環境の最適化が重視される。
- 隣接する作業域の重なり防止も、効率的な作業配置のポイント。
感想
とんでもない既視感。
これは過去問にあった!

うん、ほぼ一緒。
一部表現が違いますが、回答まで同一ですね。
このとき最大だから最大、と覚えていたので本日も正解でした!
よかった。
コメント