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平成29年度 経営工学部門 Ⅲ-10

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問題

Ⅲ-10 1種類の部品の加工をしているステーションへの材料の流入量と、そのステーションからの完成品の流出量を描いた2本の流動数曲線に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

① 流出量を描いた流動数曲線は、流出量が多いほど傾きが小さい。

② 2本の流動数曲線の横方向の幅は、そのステーションでの滞留量を示している。

③ 2本の流動数曲線は接することがあっても、通常は交差することはない。

④ ある材料がそのステーションで完成するまでの時間は、先入先出を行っていると2本の流動数曲線から測定できない。

⑤ 流入量を描いた流動数曲線は、右下がりの曲線になることがある。

解答

正解は 3 になります。

流動数曲線の概要

流動数曲線(Flow Diagram)は、生産現場や在庫管理の現場で「材料や部品がどれだけ入ってきて、どれだけ出ていったか」を時系列で把握するためのグラフです。
横軸に時間縦軸に累積の流入量(入ってきた数)や流出量(出ていった数)をとり、2本の曲線でそれぞれの推移を表します。
このグラフを使うことで、現場の「在庫量」や「滞留時間(材料が現場にとどまる時間)」を一目で把握できるため、生産管理や工程改善の現場で広く利用されています。


各選択肢の詳細解説

① 流出量を描いた流動数曲線は、流出量が多いほど傾きが小さい。

この選択肢は誤りです。
流動数曲線の傾きは「単位時間あたりの流出量(流入量)」を示します。
流出量が多いほど傾きは大きくなり、逆に流出量が少ないほど傾きは小さく(緩やかに)なります。
傾きが小さい=流出量が少ない、という関係です。

② 2本の流動数曲線の横方向の幅は、そのステーションでの滞留量を示している。

この選択肢は誤りです。
2本の流動数曲線(流入と流出)の「縦方向の差」がその時点での滞留量(在庫量)を示します。
横方向の幅は「滞留時間(その材料が現場にとどまっている時間)」を表します。
したがって、「横方向の幅=滞留量」という説明は誤りです。

③ 2本の流動数曲線は接することがあっても、通常は交差することはない。

この選択肢が最も適切です。
流動数曲線は、流入した材料が流出するまでの流れを時系列で表します。
流入したものが流出するため、累積流入量が累積流出量を下回ることはありません
したがって、2本の曲線は接する(重なる)ことはあっても、通常は交差しません。
これは「先入先出(FIFO)」で管理している場合にも当てはまります。

④ ある材料がそのステーションで完成するまでの時間は、先入先出を行っていると2本の流動数曲線から測定できない。

この選択肢は誤りです。
先入先出(FIFO)で管理している場合、流入曲線と流出曲線の「横方向の幅」が、材料が現場にとどまる時間(滞留時間)を表します。
したがって、流動数曲線から滞留時間を測定できます。

⑤ 流入量を描いた流動数曲線は、右下がりの曲線になることがある。

この選択肢は誤りです。
流入量を描いた流動数曲線は「累積値」を表すため、時間が進むにつれて値は増えるか、一定(水平)になります。
右下がり(値が減る)になることはありません。


流動数曲線のイメージ図


まとめ:問題の要点

  • 流動数曲線は、材料や部品の流入・流出を時系列で把握し、在庫量や滞留時間の管理に使う重要なグラフ。
  • 「傾き」は流量の大きさ、「縦方向の差」は在庫量、「横方向の差」は滞留時間を示す。
  • 2本の曲線は通常交差せず、接することはある。
  • 累積曲線は右下がりになることはない。
  • 最も適切な選択肢は「③ 2本の流動数曲線は接することがあっても、通常は交差することはない」。

感想

今日は正解でした。

流動数曲線、あんまり知らないんだけど問題をじっくり読んでたらわかった、ってパターンです。

②か?って一瞬思いましたがよくよく見ると横方向って書いてあるし。

流動数曲線、今まで出てきたっけ?って思って調べると

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出てきてました!

このときは明らかによくわかってなかったな・・・・。

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