目次
問題
Ⅲ-23 同じ機能を持つ4つの装置Sがある。これらの装置を組み合わせて下図に示すシステムを作るとき、システムの信頼度が2番目に高いものはどれか。


解答
正解は 3 になります。
システム信頼度問題の全体解説
この問題は、4つの同じ信頼度を持つ装置Sを直列・並列・混合で組み合わせた場合のシステム信頼度について問うものです。
システム信頼度とは「システム全体が正常に稼働する確率」を意味し、直列構成・並列構成・直並列構成・並直列構成などで計算方法が異なります。
- 直列システム:どれか1つでも故障すればシステム全体がダウンする(信頼度は各装置の信頼度の積)
- 並列システム:どれか1つでも正常ならシステムは動く(信頼度は「全てが故障する確率」を1から引く)
- 混合システム:直列と並列を組み合わせた構成で、部分ごとに計算して全体を求める
装置1個の信頼度をRとした場合、
- 直列4個:\(R^4\)
- 並列4個:\(1 – (1-R)^4\)
- 2直列×2並列など:部分ごとに計算し、全体の信頼度を求めます。
各選択肢の詳細解説
① 完全直列構成
4つの装置Sを直列につなげた構成です。
計算式:
\(R_{series} = R \times R \times R \times R = R^4\)
直列はどれか1つでも故障すると全体がダウンするため、信頼度は最も低くなります。
② 2直列×2並列(直並列構成)
2つずつ直列にし、それを並列につないだ構成です。
計算式:
- 直列部分の信頼度:\(R^2\)
- それを2組並列なので、
$$R_{2直列2並列} = 1 – (1 – R^2)^2$$
直列より高く、完全並列より低い信頼度となります。
③ 2並列×2直列(並直列構成)
2つずつ並列にし、それを直列につないだ構成です。
計算式:
- 並列部分の信頼度:\(1 – (1 – R)^2\)
- それを2組直列なので、
$$R_{2並列2直列} = [1 – (1 – R)^2]^2$$
この構成は、完全並列の次に高い信頼度となります。
④ 3並列+1直列
3つ並列+1つ直列の構成です。
計算式:
- 3並列部分:\(1 – (1 – R)^3\)
- それと1つ直列なので、
$$R_{3並列1直列} = [1 – (1 – R)^3] \times R$$
直列部分があるため信頼度はやや下がります。
⑤ 完全並列構成
4つすべてを並列につなげた構成です。
計算式:
\(R_{parallel} = 1 – (1 – R)^4\)
並列はどれか1つでも正常ならOKなので、最も高い信頼度となります。
信頼度の大小関係まとめ
- ⑤ 完全並列:最も高い
- ③ 2並列×2直列(並直列):2番目に高い
- ② 2直列×2並列(直並列)
- ④ 3並列+1直列
- ① 完全直列:最も低い
図解:各構成の信頼度イメージ
構成 | 信頼度の式 | 信頼度の高さ |
---|---|---|
完全並列 | \(1 – (1-R)^4\) | 1位 |
2並列×2直列 | \([1 – (1-R)^2]^2\) | 2位 |
2直列×2並列 | \(1 – (1-R^2)^2\) | 3位 |
3並列+1直列 | \([1 – (1-R)^3] \times R\) | 4位 |
完全直列 | \(R^4\) | 5位 |
まとめ:問題の要点
- システム信頼度は並列構成が高く、直列構成が低い。
- 混合構成では、2並列×2直列(並直列構成)が2番目に高い信頼度となる。
- 信頼度計算の基本式(直列:積、並列:1-全故障確率)を理解しておくことが重要。
感想
これはおもしろい!
式もすぐ覚えきれるし。
まあ、不正解だったのですがね!!
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信頼度については過去問でこれだけありましたが、あんまり似てない。
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この問題に近いですね!!どことなく記憶にあった。