問題
Ⅲ-9 レイアウトに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。ただし、SLPは、Systematic Layout Planningの略である。
① 工場レイアウトにおける運搬方法については、運搬対象物の運び出しやすさや動かしやすさの指標である運搬能率指数が減少しないように検討することが重要である。
② P-Q分析は、需要予測や市場調査に基づいて製品Pをその数量Qの大きな順に並べてグラフを作成して、両者の関係から製品の生産形態を分類し、レイアウト計画に活用する手法である。
③ 相互関係図表は、工場内に配置する部門間の定性的な関係である近接性の評価とその理由をまとめた図表である。
④ 生産対象の品種や量の生産条件について短期的変化に対応するために、部分的であっても設備や作業場所のレイアウトを変更すべきでない。
⑤ R. MutherによるSLPは、立地選定、基本レイアウト、詳細レイアウト、設備の4段階から構成される。

解答
正解は 4 になります。
レイアウトに関する問題の全体解説
工場や生産現場のレイアウトは、作業効率や生産性、品質管理に大きな影響を与える重要な要素です。
レイアウト計画では、運搬の効率化、作業動線の最適化、設備配置の柔軟性など、さまざまな観点から検討が行われます。
ここでは、代表的な分析手法や考え方をもとに、各選択肢について詳しく解説します。
① 工場レイアウトにおける運搬能率指数
- 工場レイアウトを考える際、運搬対象物の「運び出しやすさ」や「動かしやすさ」を数値化した指標として「運搬能率指数」や「運搬活性指数」が用いられます。
- この指数が高いほど、無駄な運搬や手間が少なく、効率的なレイアウトといえます。
- レイアウト設計時には、この指数が減少しないように、運搬経路や物の置き方を工夫することが重要です。
② P-Q分析とレイアウト計画
- P-Q分析は、「Product(製品)」と「Quantity(数量)」の関係をグラフ化し、製品ごとの生産量を大きい順に並べて分析する手法です。
- この分析により、製品の生産形態(大量生産・中量生産・少量多品種生産など)を分類し、それぞれに適したレイアウト(ライン生産、セル生産、機能別配置など)を計画する際の基礎資料となります。
- 需要予測や市場調査の結果を反映させることで、現場の実態に合ったレイアウト設計が可能となります。
③ 相互関係図表の役割
- 相互関係図表(アクティビティ相互関連図表)は、工場内の各部門や設備の「近接性」や「関係性」を定性的に評価し、その理由をまとめた図表です。
- どの部門同士を近くに配置すべきか、または離しても問題ないかを可視化し、効率的なレイアウト設計に役立てます。
- 例えば、材料倉庫と加工エリア、組立エリアと検査エリアなど、密接な関係がある部門は近接配置が推奨されます。
④ 生産条件の短期的変化とレイアウト変更
- この記述は不適切です。
- 生産現場では、製品の品種や生産量が短期間で変化することが多くあります。こうした変化に柔軟に対応するためには、必要に応じて部分的にでも設備や作業場所のレイアウトを変更することが重要です。
- 固定的なレイアウトに固執すると、作業効率の低下や無駄な運搬が発生しやすくなります。現場の状況や生産計画に合わせて、柔軟にレイアウトを見直すことが求められます。
⑤ SLP(Systematic Layout Planning)の4段階
- SLPは、R. Mutherによって提唱された体系的なレイアウト計画手法です。
- そのプロセスは「立地選定」「基本レイアウト」「詳細レイアウト」「設備設置」の4段階で構成されます。
- 各段階で、物の流れや部門の関係性、設備の配置などを段階的に検討し、最適なレイアウトを導き出します。
まとめ:問題の要点と正答
- 運搬能率指数や運搬活性指数は、効率的なレイアウト設計のための重要な指標である。
- P-Q分析は、生産形態の分類とレイアウト計画に活用される代表的な手法である。
- 相互関係図表は、部門間の近接性や関係性を可視化し、合理的な配置を実現するためのツールである。
- 生産条件の短期的変化には、柔軟にレイアウトを変更することが重要であり、「変更すべきでない」という記述は不適切である。
- SLPは、4段階のプロセスで体系的にレイアウトを計画する手法である。
本問の正答は「④」
生産条件の変化に対応するためには、部分的であってもレイアウトの変更が必要である。
感想
今日は正解でした。
そういえば昔某自動車会社系で働いていたとき、そこそこなお金かけてレイアウト変更をした際。
変更後しばらくそのレイアウトで作業してたんですが、効果が出ないと判明するやいなやすぐ元のレイアウトに戻っていました。
その判断力と仕事っぷりの早さに驚いたものでした。


過去問もあります。
今回の問題と微妙に違うのもなんかいいですね。