平成30年度 経営工学部門 Ⅲ-21

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問題

Ⅲ-21 故障解析に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。ただし、FMEAは、Failure Mode and Effects Analysisの略であり、FMECAは、Failure Modes, Effects and Criticality Analysisの略である。

① 故障モードとは、断線、短絡、摩耗など故障状態の形式による分類である。

② 故障解析とは、故障メカニズム、故障原因及び故障が引き起こす結果を識別し、解析するために行う、故障したアイテムの論理的、かつ体系的な調査と検討である。

③ FMEAでは、その発生が好ましくない事象について、発生経路、発生原因及び発生確率を、フォールトツリーを用いて解析する。

④ FMEAは、設計の不具合及び潜在的な欠点を見出すために実施される。

⑤ FMECAとは、FMEAに付加して、フォールト発生の確率及びフォールトによる影響の重大さの格付けを考慮する定性的な信頼性解析手法である。

解答

正解は 3 になります。

故障解析の概要

本問は、製品・システムの信頼性や安全性の向上を目指すために不可欠な「故障解析」について問われています。
特に現場の品質管理や設計段階で頻繁に使われるFMEA(故障モード影響解析)、FMECA(故障モード影響・重要度解析)、さらに代表的な分析手法であるフォールトツリー解析(FTA)の違いにフォーカスすることがポイントです。

故障解析とは何か?

故障解析」とは、実際に壊れてしまったアイテムやシステムに対して、どのような現象(モード)で壊れたのかなぜその現象が発生したのか(メカニズム・原因)壊れたことでどんな影響が出たのか——これら全てを論理的かつ体系的に整理・調査するプロセスです。
目的は“再発防止”や“設計・工程の改善”に役立てることです。

FMEAとFMECAとは?

  • FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)
     起こりうる故障(Failure Mode)ごとに、その影響(Effects)や原因をリストアップし、設計や工程段階で対策を講じて未然防止を図るための分析手法です。
  • FMECA(Failure Modes, Effects and Criticality Analysis)
     FMEAに「クリティカリティ(影響の重大さ・発生確率など)」の評価を加え、最も注意が必要な故障や対策優先度を明確にする高度な手法です(FMEAの進化形)。

選択肢ごとの詳細解説

① 故障モードとは、断線、短絡、摩耗など故障状態の形式による分類である。

  • 判定:適切
  • 解説:
     故障モードは、「どのような形態で壊れたか」を分類したもの。
     設計や品質管理の現場では断線や短絡などの“現象名”で分類し、それぞれの対策を検討します。

② 故障解析とは、故障メカニズム、故障原因及び故障が引き起こす結果を識別し、解析するために行う、故障したアイテムの論理的、かつ体系的な調査と検討である。

  • 判定:適切
  • 解説:
     これは故障解析の正しい説明です。
     単なる現象の特定に留まらず、原因・発生メカニズム・影響を論理的、かつ計画的に整理することが重要です。

③ FMEAでは、その発生が好ましくない事象について、発生経路、発生原因及び発生確率を、フォールトツリーを用いて解析する。

  • 判定:不適切(正解)
  • 解説:
     FMEAとフォールトツリー解析(FTA)は全く異なる手法です。
     FMEAは「項目ごと(モードごと)」にリスト化して影響・原因を分析しますが、FTAは「一つの不具合(トップイベント)」に原因を遡る形で樹形の論理展開を行います。
     FMEAがFTA(フォールトツリー)を“用いて”そのまま実施されるわけではありません。
     よって本選択肢は誤りです。

④ FMEAは、設計の不具合及び潜在的な欠点を見出すために実施される。

  • 判定:適切
  • 解説:
     FMEAの主目的は、設計や工程の段階で“潜在的な弱点”や“故障リスク”を事前に洗い出し、重大トラブルを未然に防ぐ点にあります。

⑤ FMECAとは、FMEAに付加して、フォールト発生の確率及びフォールトによる影響の重大さの格付けを考慮する定性的な信頼性解析手法である。

  • 判定:適切
  • 解説:
     FMECAはFMEAの進化形で、発生確率や影響度(クリティカリティ)を評価して信頼性やリスクをたかめることができます。設計の優先順位やリスクの許容度判断に役立つ手法です。

【図表】FMEAとFTAの比較

手法目的分析アプローチ主な特徴
FMEA故障モードごとの影響把握一覧表形式で分解・列挙未然防止、弱点の洗い出し
FTAトップイベントの原因追究樹形図による論理展開原因追跡型、逆引き型

まとめ・問題の要点

  • 故障解析とは、メカニズム・原因・影響を総合的に分析し再発防止や品質向上に役立てる調査
  • FMEAは“故障モードごと”のリストアップ型分析、FTA(フォールトツリー解析)は“最終事件から原因を遡る”樹形論理型
  • FMECAは、FMEAに重大性評価を加味した信頼性・リスク重点分析手法
  • 本問のポイントは、「FMEAとFTAの違いを正確に理解できているか」です

感想

この手の問題もそんなに得意では無いのだよな~。

なんて思いながら問いを読んでいたらあら簡単。

本日は正解でした!

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過去問的にはこれらでしょうか。

正解だったのでちょっとうれしい!

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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