平成30年度 経営工学部門 Ⅲ-29

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問題

Ⅲ-29 プロダクト・ミックスの問題について、a~cの条件及び下表に示す投資案のもとで、最も有利な投資方策はどれか。

【条件】
a.複数の投資案を選択することができる。
b.販売個数は、いずれの製品も500個とする(個数を分割しての販売はできないものとする)。
c.生産可能時間は500時間とする。

製品販売価格(円/個)材料費・変動加工費(円/個)標準加工時間(時間/個)
A2,0001,5000.15
B2,3002,0000.25
C3,0002,3000.55
D3,5002,8001.00
E4,2003,0001.20

① 製品Aを選択する方策
② 製品A、Cを選択する方策
③ 製品A、B、Cを選択する方策
④ 製品D、Eを選択する方策
⑤ 製品Dを選択する方策

解答

正解は 3 になります。

プロダクト・ミックス問題:全体解説

この問題は「限られた生産時間(500時間)」の中で、どの製品の組み合わせを生産すれば最も有利(=合計利益が最大)になるかを考える、典型的なプロダクト・ミックス(製品組合せ最適化)問題です。
経営上、限られた資源をどう活かして最も高い収益を目指すかという意思決定が求められます。

【条件の整理】

  • どの案も販売個数は500個単位で、個別に分割しては販売できない
  • 生産できるのは合計で500時間分
  • 複数案を組み合わせて選ぶことが可能

利益計算と判断の流れ

利益計算のポイント

まず各製品の「1個あたりの利益」=販売価格-材料費・変動加工費
そして「1ロット(500個)」の利益と、それに必要な生産時間を計算します。

製品1個あたり利益500個あたり利益1ロットの生産時間
A2,000-1,500 = 500500×500=250,000円0.15×500=75時間
B2,300-2,000 = 300300×500=150,000円0.25×500=125時間
C3,000-2,300 = 700700×500=350,000円0.55×500=275時間
D3,500-2,800 = 700700×500=350,000円1.00×500=500時間
E4,200-3,000 = 1,2001,200×500=600,000円1.20×500=600時間

各案の詳細計算

① 製品Aのみ

  • 利益:250,000円
  • 必要時間:75時間(余裕あり。他製品も選択可。)

② 製品A・C

  • 利益:250,000円(A)+350,000円(C)=600,000円
  • 必要時間:75時間(A)+275時間(C)=350時間(まだ枠あり)

③ 製品A・B・C

  • 利益:250,000円(A)+150,000円(B)+350,000円(C)=750,000円
  • 必要時間:75時間+125時間+275時間=475時間(500時間以内でOK)

④ 製品D・E

  • Dのロット:500時間で500個=1ロットのみ(Eは1ロットで600時間必要、500時間では作れないので選べない)
  • 利益:Dのみ350,000円

⑤ 製品Dのみ

  • 上記と同じく350,000円

制約条件と組み合わせの妥当性

  • 複数案の組み合わせ:例えばA〜Cを一度ずつ500個生産
  • 生産可能時間(合計500時間)内に収まる組み合わせのみ有効

結果の比較表

内容利益合計(円)必要時間(時間)
Aのみ250,00075
A+C600,000350
A+B+C750,000475
Dのみ(Eは不可)350,000500
Dのみ350,000500

各選択肢の詳細な解説

①製品Aのみ

Aのみだと1ロット(75時間)しか消費せず、残り時間が大きく余る。資源の有効活用ができない。

②製品A・C

A+Cの組み合わせも時間には余裕があるが、あと125時間残る。この時間枠でBも加えられるかを検討。

③製品A・B・C

A(75h)、B(125h)、C(275h)で合計475時間。500時間枠ぴったりに近く、利益合計も最大。

④・⑤製品DまたはD+E

Dは500時間でちょうど1ロット生産可。Eは1ロットに600時間必要なため、時間制約上選択不可。
→ どちらもDのみ350,000円が最大。

最終結論とまとめ

最も高い利益を得るのは「製品A・B・Cを各500個ずつ生産する案」(選択肢③)となります。
資源の全体最適利用と利益最大化がこの問題の解決ポイントです。

感想

プロダクト・ミックスという言葉は初めてだったけれども。

過去問では同様の問題が頻出しています。

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今日のは惜しくも間違えてしまいましたが、これらはしっかりと紙に書き出して計算するのが一番良いようですね。

解説もそれを意識して書きましたよ。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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