平成30年度 経営工学部門 Ⅲ-32

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問題

Ⅲ-32 物流における情報システムに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① RFIDとは、誘導電磁界又は電波によって、非接触で半導体メモリのデータを読み出し、書き込むために近距離通信を行うものの総称である。

② 二次元シンボルとは、長方形のバーとスペースの配列で情報を表し、バー及びスペースに対し垂直方向に走査することにより機械読み取りが可能なシンボルである。

③ 物流EDIとは、物流業務に関わる企業間のメッセージ交換及びデータ交換を、情報ネットワークを介して、コンピュータ間で行う電子データ交換である。

④ データキャリアとは、情報を入れ、動物又は物に付加し、人、動物又は物を特定するために利用する情報担体の総称である。

⑤ トレーサビリティとは、調達、生産、販売、消費、廃棄の各物流過程で、物資とその情報を追跡、及びそ及できることである。

解答

正解は 2 になります。

物流における情報システムの概要

現代の物流やサプライチェーンでは、商品やデータを安全かつ効率的に運ぶだけでなく、「いつ・どこに・何があるか」リアルタイムで正確に把握することが求められます。
このため、様々な情報システムやデータ伝送技術、識別・認証技術が活用されています。
それぞれの技術や用語がどのように使われているか、その特徴と役割を理解することは、物流の現場やシステム設計で必須の知識です。

各選択肢の詳細解説

選択肢① RFID

  • 内容のポイント
    「RFIDとは、誘導電磁界又は電波によって、非接触で半導体メモリのデータを読み出し、書き込むために近距離通信を行うものの総称である。」
  • 解説
    RFID(Radio Frequency Identification)は、ICタグ(電子タグ)とリーダー/ライター間で無線通信を通じ、非接触でID情報や各種データの読み書きができる技術です。
    倉庫管理や在庫管理、物流現場で広く使われています。
    「書き込み」もできる点は重要です。
    この説明は正しいです。

選択肢② 二次元シンボル

  • 内容のポイント
    「二次元シンボルとは、長方形のバーとスペースの配列で情報を表し、バー及びスペースに対し垂直方向に走査することにより機械読み取りが可能なシンボルである。」
  • 解説
    この説明には誤りがあります。
    二次元シンボルとは、情報を縦横方向の2次元に配置したコード(例:QRコードやDataMatrixコード)です。
    一方、長方形のバーとスペースの配列は「一次元バーコード」の特徴です。
    さらに、「垂直方向に走査」という説明もバーコード(一次元)の読み方にあてはまり、二次元シンボルでは専用イメージセンサで全体を撮像しデータ化します。
    この記述が最も不適切です。

選択肢③ 物流EDI

  • 内容のポイント
    「物流EDIとは、物流業務に関わる企業間のメッセージ交換及びデータ交換を、情報ネットワークを介して、コンピュータ間で行う電子データ交換である。」
  • 解説
    EDI(Electronic Data Interchange)は、企業間の受発注・配送指示などのデータをコンピュータ同士でやり取りする仕組みです。
    物流EDIはその物流業界向けとして捉えてよく、説明に誤りはありません。

選択肢④ データキャリア

  • 内容のポイント
    「データキャリアとは、情報を入れ、動物又は物に付加し、人、動物又は物を特定するために利用する情報担体の総称である。」
  • 解説
    データキャリアは、ICチップやバーコード、タグ、RFIDなど、情報を記録して物や動物に貼付・付加するためのものです。
    説明は正確です。

選択肢⑤ トレーサビリティ

  • 内容のポイント
    「トレーサビリティとは、調達、生産、販売、消費、廃棄の各物流過程で、物資とその情報を追跡、及びそ及できることである。」
  • 解説
    トレーサビリティとは、原材料の調達から商品が消費され廃棄されるまでの流れを追跡できるようにし、不具合時の原因究明やリコール対応に役立てるシステムです。
    説明は正しいです。

用語比較表

用語概要ポイント
RFID非接触型・無線通信でのデータ読み書き書き込みもでき、在庫管理・入出庫管理で活躍
二次元シンボル情報を縦横2次元に配置したコードQRコードやDataMatrixが代表例、イメージで読取
物流EDI企業間でデータ/メッセージを電子的に交換受発注や配送指示の自動処理を実現
データキャリア情報を記録した媒体で物品や動物へ付加されるICタグ・RFID・バーコードなどが該当
トレーサビリティ物流工程におけるモノの追跡性と履歴管理事故・リコール時の原材料特定や流通履歴の把握が可能

まとめ(要点)

物流における情報システムの重要用語は、基本原理や用途をはっきり押さえることが大切です。
二次元シンボルの定義には特に注意しましょう。一次元バーコードと混同しやすいので、「縦横2方向に情報を持つ」「読み取り方法が全体的」であることをしっかり区別し、覚えておきましょう。

感想

あっはっは。思いっきり間違えてしまいました。

まさにまとめで指摘されていることでしたわ。

過去問にも出ていたのだけどな。

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しっかり復習します。

解説書いたから理解は深まりましたが。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
同じ道を進む方や、資格取得を目指す方のお役に立てる情報をお届けします。

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