令和元年度(再) 経営工学部門 Ⅲ-3

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問題

Ⅲ-3 作業ペースに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 作業ペースは、作業を遂行する速さである遂行度と関連付けられた作業の速度のことである。

② 正常作業ペースは、熟練した作業者が、正常な作業条件のもとで、標準の作業方法に基づいて集中して作業を行う作業ペースである。

③ 作業ペースのうち動作の速度は、努力や熟練、作業場の条件などにより影響を受ける。

④ 標準ペースの基準の一つに、52枚のトランプのカードを、1フィート四方の四隅に、1枚ずつ30秒で配り終える手の速さがある。

⑤ 歩行に関する標準ペースとして、荷物を持たないで、平坦な道を真直ぐに3マイルを1時間で歩行する人の足の速さがある。

解答

正解は 2 になります。

作業ペースに関する問題の概要

この問題は「作業ペース」に関する基本的な理解を問うものです。
作業ペースは、現場や工場の労働管理・生産管理の分野で重要な概念です。
効率的に作業を進めるためのペースの基準やその評価方法については技術士試験でも頻繁に問われます。


各選択肢の詳細解説

① 作業ペース

「作業ペースは、作業を遂行する速さである遂行度と関連付けられた作業の速度のことである。」

作業ペースは「遂行度(仕事の進行状況)」と「速度(どれぐらい早く作業を進めるか)」を組み合わせて評価します。
例えば、同じ作業でもベテランと初心者では「遂行度」も「進捗速度」も異なります。
学術的にも妥当な定義です。


② 正常作業ペース

「正常作業ペースは、熟練した作業者が、正常な作業条件のもとで、標準の作業方法に基づいて集中して作業を行う作業ペースである。」

一見正しそうですが、「集中して作業」の部分が問題です。
正常作業ペースとは、「平均的な作業者」が「通常状態で」「無理なく」行うペースのことです。
「集中して作業を続ける」状態を基準にするのは現実的ではありません。労働安全衛生や持続可能性の観点からも適切ではありません。


③ 動作の速度と影響要因

「作業ペースのうち動作の速度は、努力や熟練、作業場の条件などにより影響を受ける。」

動作速度は作業者の経験、努力、作業環境(明るさや広さなど)によって大きく変化します。
各要素が複合的に影響するため、この説明は正しいです。


④ 標準ペースの基準(トランプ配り)

「標準ペースの基準の一つに、52枚のトランプのカードを、1フィート四方の四隅に、1枚ずつ30秒で配り終える手の速さがある。」

標準ペースの代表的な基準に「トランプ配りテスト」があり、管理工学でよく利用されます。手作業の標準的な速さを評価する代表例です。
作業研究や現場分析で標準的な動作を計測する際にも活用されます。


⑤ 歩行の標準ペース

「歩行に関する標準ペースとして、荷物を持たないで、平坦な道を真直ぐに3マイルを1時間で歩行する人の足の速さがある。」

標準ペースの一例として歩行速度があります。平坦な道、荷物なし、という条件も現実的です。
統計的な調査に基づいた標準値として信頼されています。


正常作業ペースと集中ペースの比較

状態概要持続可能性
正常ペース普通の作業者が無理せず行うペース長時間持続可能
集中ペース常に集中して最高速度で行うペース長時間持続不可

まとめ

  • 作業ペースは、遂行度や速度などの要因で決まる作業の進め方の基準。
  • 標準ペースの基準として、「トランプ配り」や「歩行速度」など具体的な指標がある。
  • 正常作業ペースは、無理なく持続可能なペースであり、「集中して」作業する状態は基準にならない。
  • 作業管理や生産管理、作業研究においてペースの設定と評価は業務効率化、安全管理の基本であり、技術士試験でも重要テーマ。

感想

作業ペース、あんまりなじみがないな、と思っていましたが。

過去問には出てきていますね。

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う~ん、すっかり忘れていました。

ということはもちろん不正解。

過去記事、もう一度纏め治す必要があるなあ。

カテゴリ毎にちゃんと分けるとかしなきゃだろうか。

ちなみに「3マイルを1時間で歩く速さ」は「時速約4.83km」ですね。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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