問題
Ⅲ-12 在庫管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 在庫回転率は、平均在庫量を一定期間の所要量で除して求められる。
② 在庫は、販売機会損失などのリスクを減らすバッファとしての役割もある。
③ 在庫水準は、在庫量を表す総称であり、最小在庫水準、最大在庫水準、適正在庫水準などがある。
④ 発注点方式は、在庫量があらかじめ定められた量よりも減少したときに、あらかじめ決められた量だけ発注する在庫管理方式である。
⑤ 定期発注方式は、あらかじめ定めた発注間隔で、発注量を発注ごとに決めて発注する在庫管理方式である。

解答
正解は 1 になります。
在庫管理の概要
在庫管理は、企業活動における資材や製品、部品など「物の流れ」を最適化するための重要な分野です。
適切な在庫管理によって、コスト削減、販売機会損失の防止、安定供給の確保などが可能となります。
ここでは、在庫管理に関連する代表的な用語や方式について、それぞれの選択肢を詳しく解説します。
各選択肢の詳細解説
①「在庫回転率は、平均在庫量を一定期間の所要量で除して求められる。」
在庫回転率は、在庫の効率的な活用度合いを示す指標です。
一般的な計算式は次の通りです。
$$\text{在庫回転率} = \frac{一定期間の所要量(売上高や消費量)}{平均在庫量}$$
この式からも分かるように、「平均在庫量で、所要量を割る」ではなく、「所要量で、平均在庫量を割る」のが正しい計算方法です。そのため、この選択肢の記述は誤りです。
②「在庫は、販売機会損失などのリスクを減らすバッファとしての役割もある。」
在庫のもう一つの大切な役割は、需給の変動や供給遅れなどが発生した場合でも、販売機会を逃さないための“バッファ”となることです。
在庫がないと、販売機会損失や生産停止リスクにつながるため、適切な在庫水準の維持は企業運営に不可欠です。
この選択肢は正しい記述です。
③「在庫水準は、在庫量を表す総称であり、最小在庫水準、最大在庫水準、適正在庫水準などがある。」
在庫水準は、保管している資材・商品などの在庫量を表す用語で、様々な基準値があります。
- 最小在庫水準:これ以下になると欠品リスクが高まる量
- 最大在庫水準:保管できる、または経済的に許容される最大の量
- 適正在庫水準:欠品も余剰も発生せず、最も効率的・経済的な量
この選択肢は適切な内容です。
④「発注点方式は、在庫量があらかじめ定められた量よりも減少したときに、あらかじめ決められた量だけ発注する在庫管理方式である。」
発注点方式では、在庫が「発注点(安全在庫ライン)」を下回った段階で一定数量を発注します。
たとえば、在庫が50個を切ったら100個発注、という方法です。
主に、安定した消費が見込まれ、発注タイミングを最適化したい場合に用いられます。適切な説明です。
⑤「定期発注方式は、あらかじめ定めた発注間隔で、発注量を発注ごとに決めて発注する在庫管理方式である。」
定期発注方式は、毎週・毎月など、あらかじめ設定された周期で発注を行います。
発注量は在庫残・予測消費量を基にして都度決めるのが特徴です
。需要変動の大きい商品や、発注タイミングを定期化したい場合に適しています。こちらも正しい説明です。
まとめ・重要ポイント
在庫管理において重要なのは、在庫回転率の正しい理解(売上高や必要量 ÷ 平均在庫量)、そして各在庫管理方式(発注点方式・定期発注方式)の特徴を把握することです。
適切な在庫管理は、企業の利益や安定供給を支える基盤となります。
感想
今日はなんとか正解。
あれ?おかしいなという違和感があったので。
在庫管理を完璧に把握しているわけではなかったので「なんとか」正解です。

在庫管理という語句はたくさん出てきますが、この問題は今回の問題と似ていますね!
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