問題
Ⅲ-14 サービスマネジメントにおけるサービスの特性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① サービス業では、同一のサービスを安定して提供することが容易であるため、同質性がある。
② 対人サービスにおいては、生産と同時に消費されるので、顧客が必要とする場所と時間に生産しなければならないため、同時性がある。
③ サービスは、諸活動、便益、満足などを意図するので形がなく、事前に確認したり、在庫したり、流通させることはできないため、無形性である。
④ サービスが提供されると、それを元に戻すことができないため、不可逆性がある。
⑤ サービス商品は、売れなければ消滅するため、消滅性がある。

解答
正解は 1 になります。
サービスマネジメントにおけるサービスの特性の問題概要
サービスマネジメントは、サービス業におけるサービス提供の特徴や課題を理解し、適切に管理するための考え方です。
この問題は、サービスのもつ特有の性質に関する正誤判断です。
サービスには「同質性」「同時性」「無形性」「不可逆性」「消滅性」といった特性があり、これらを正しく理解することが、サービスの質の向上や顧客満足につながります。
以下では、各選択肢の内容を詳しく解説します。
選択肢①:同質性について
「同質性」とは、サービスが常に同じ品質や内容で安定的に提供される性質を指します。
しかし、実際のサービス業では、人や環境によってサービスの質が変動しやすく、完全に同質なサービス提供は難しいとされています。
むしろ、サービスは『異質性(非均一性)』を持つことが一般的です。
例えば、同じ飲食店でも提供される料理の味や接客が日によって異なることがあります。
よって、「サービス業で同一のサービスを安定して提供することが容易であるため、同質性がある」という記述は不適切です。
選択肢②:同時性について
「同時性」とは、サービスが生産されると同時に消費される性質を指します。
対人サービスでは、顧客の求める場所と時間にサービスが提供され、その場で消費されます。
製造業のように商品を事前に作って保管することが基本的にできません。
例えば、理容室でのカットは、客がいる時にその場で行われ、同時に消費されるサービスです。
これを別名「不可分性」ともいいます。
選択肢③:無形性について
「無形性」とは、サービスが形のある物理的な製品とは異なり、目に見えず触れることもできない性質です。
サービスは「行為」や「便益」として提供されるため、事前に品質を直接確認したり、在庫として蓄えることができません。
例えば、コンサルティングサービスの価値は目に見えないため、信頼や実績に基づいて選ばれることが多いです。
選択肢④:不可逆性について
「不可逆性」とは、サービスが一度提供されると元の状態に戻せない特性です。物理製品のように返品や再販売ができないことが多いです。例えば、病院の診察やマッサージサービスは、提供後に取り消したりやり直すことができません。この性質はサービスの品質管理や顧客満足度向上の重要なポイントとなります。
選択肢⑤:消滅性について
「消滅性」とは、サービスは商品としての形が無いため、売れなかった場合に在庫として残すことができず、消滅してしまう性質をいいます。
たとえば航空券の座席サービスは利用されなければその時間で消え、後で販売できません。
このため需要予測や供給計画が非常に重要となります。
まとめ
この問題における重要なポイントは、サービスの持つ5つの特性の正しい理解です。
特に「同質性(異質性)」はサービス特性の核心であり、サービス提供が同一にはならないことが通常であることを認識しなければなりません。
以下が要点の整理です。
- サービスは異質性が強く、同一のサービスを常に提供することは難しい
- サービスは同時性(不可分性)を持ち、生産と消費が同時に行われる
- サービスは無形性を持ち、目に見えず在庫もできない
- サービスは不可逆性があり、一度提供されると元に戻せない
- サービスは消滅性があり、売れなければ消滅する
これらの特性を踏まえた管理がサービスマネジメントの基礎となります。
感想
サービスマネジメント、初出かなって思ったけれども。
ありました!

過去問のおかげかな?なんかこのあたり頭に入っていたので本日は正解でした。
食べ物のたとえが一番わかりやすい。
それにしても解答が1という問題、3日連続だ。
