令和元年度(再) 経営工学部門 Ⅲ-16

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問題

Ⅲ-16 次のうち,品質特性,不適合項目などとその原因との関係を表す図として,最も適切なものはどれか。

解答

正解は 4 になります。

問題の概要

この問題は「品質特性、不適合項目などとその原因との関係を表す図として、最も適切なものはどれか」という問いです。
品質管理においては、「問題の現象」と「その原因」の関係を明確化することが重要です。
製造現場やサービス業、技術開発など幅広い分野で原因分析ツールが使われています。
品質管理・QC(Quality Control)の代表的な図を知ることで、職場や現場で発生する問題を効率的に分析できるようになります。


選択肢ごとの図解説

① パレート図(Pareto Chart)

パレート図は、問題発生件数や不良品数などを項目ごとに集計し、その「重要度の高い順」に棒グラフで表示したものです。
棒グラフの横軸に項目(不良の種類など)を、縦軸に発生件数を並べ、累積和を折れ線グラフで表します。これにより、「どの項目が全体の大半を占めているか」がすぐわかり、効率的な対策立案が可能です。

  • 主な用途:どの問題に優先的に対応すべきかを判断する指標
  • 因果関係の表現:問題の量的優先順位を把握できるが、「原因との関係」を直接示すものではない

② 散布図(Scatter Plot)

散布図は2つの変数(例:温度と不良率など)の関係性を点としてプロットした図です。
点の分布を見ることで、相関関係(互いに関係があるかどうか)を分析できます。
例えば「温度が高いほど不良率も増える」といった傾向があれば、直線的な分布となります。

  • 主な用途:2つの要素間に関連性があるかどうかを調べる/相関係数の計算など
  • 因果関係の表現:「直接の因果関係(Aが原因でBが結果)」ではなく「傾向や関係性」を示すもの

③ ヒストグラム(Histogram)

ヒストグラムは、データの分布状態を把握するための棒グラフです。
例えば「寸法のばらつき」「工程の安定性」などを分析する際によく使います。
横軸に区間、縦軸にデータ数を並べて、工程が安定しているか異常があるかを判定します。

  • 主な用途:工程や部品のばらつき(分布)を分析する
  • 因果関係の表現:あくまでばらつきを示すものであり、「原因との関係」を表したものではない

④ 特性要因図(フィッシュボーン・ダイアグラム)

特性要因図は、問題(品質特性や不適合)とその「原因」を体系的に整理し、関係を視覚的に表した図です。
形が魚の骨に似ていることからフィッシュボーン(魚骨)ダイアグラムとも呼ばれます。
中心に「問題」を置き、そこから「原因群(人・機械・方法・材料など)」が枝分かれします。

  • 主な用途:問題・不適合の原因を網羅的かつ体系的に洗い出す/現場改善活動や品質管理
  • 因果関係の表現:直接的に「現象(結果)」と「原因」の関係を図示できる
  • この問題で問われている「原因との関係を表す」図として最も適切

⑤ 折れ線グラフ(Line Graph)

折れ線グラフは時系列データ(例:月毎の売上や不良率など)の変化を表すものです。
複数のデータポイントを線で結ぶことで、変化の「傾向」が分かります。
複数のグラフを重ねて分析することで比較もできます。

  • 主な用途:時系列トレンドの把握(季節変動など)
  • 因果関係の表現:単純に「推移や傾向」を示すものであり「原因との関係」を直接表すものではない

まとめ

「品質特性、不適合項目などとその原因との関係」を図として最も適切に表現できるものは、④特性要因図(フィッシュボーン・ダイアグラム)です。
他の図は個々の用途に優れているものの、「原因と結果の関係」を包括的に整理できるという観点からは、特性要因図が最適です。

感想

正解でした!

QC問題のもよく出ますよね。

過去問でももちろん。

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特性要因図が答え!というのは初めてですが。

QC関連は少しは理解してるのでどうにか正解でしたよ。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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