令和元年度(再) 経営工学部門 Ⅲ-24

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問題

Ⅲ−24 トラックを用いて複数の顧客の需要を満たすために荷物を運搬し、再びデポに戻る運搬経路問題において、総移動距離を最小化する顧客訪問順序を求めるための制約条件のうち、最も不適切なものはどれか。

① 顧客の位置・需要量・荷下ろし等の作業時間

② 顧客地点間の移動時間・移動距離

③ 利用可能なトラックの台数

④ トラックの最大積載量・最大稼働時間

⑤ トラックの燃料費用・経路通行料

解答

正解は 5 になります。

運搬経路問題(VRP)の概要

運搬経路問題Vehicle Routing Problem)は、「複数の顧客のニーズを満たすため、トラックを使って荷物を届ける際、総移動距離を最小化する訪問順序をどう決定するか?」という最適化テーマです。
物流や配送業界の効率化、コスト削減の基礎となる重要分野です。
今回はトラックはデポ(配送拠点)から出発・帰着し、各顧客の需要を満たす前提となっています。


問題のポイント

総移動距離最小化を主目的とする場合に、不適切な制約条件(直接的に関係しないもの)の選定が問われています。
制約条件=計画作成時に必ず守らなければならない前提やルールです。


選択肢① 顧客の位置・需要量・荷下ろし等の作業時間

  • 顧客の「位置」はルート作成に不可欠。
  • 「需要量」は各顧客への配送量を決める要素で、積載や配送回数にも影響。
  • 「荷下ろし作業時間」はスケジュールやルート選択に必須となります。
  • これらはすべて、運搬経路の計画に欠かせない制約です。

選択肢② 顧客地点間の移動時間・移動距離

  • 顧客間の移動時間・距離の情報がなければ、効率的な順序や最短ルートの決定が不可能。
  • 総移動距離の最小化には絶対に必須となる制約です。

選択肢③ 利用可能なトラックの台数

  • 使えるトラックの台数によって配送パターンやルートが大きく変わります。
  • 一台で全員に配送、複数台で分担など、基本的な計画が変化。
  • 運搬経路問題の計算において不可欠な制約条件です。

選択肢④ トラックの最大積載量・最大稼働時間

  • 最大積載量は、荷物の分配や一度にどれだけ運べるかの計画に必須。
  • 最大稼働時間(運転手の労働時間、安全性、法律など)は現実の運搬計画で絶対に必要。
  • どちらも当然の制約条件です。

選択肢⑤ トラックの燃料費用・経路通行料

  • 「燃料費用」「通行料」はコスト最小化問題の制約としては重要ですが、距離最小化単体の目的では直接の制約にはなりません。
  • 距離とコストは関係する場合もありますが、問われている主目的では必要ない制約です。
  • よって⑤は不適切です。

まとめ

  • 運搬経路問題(VRP)では、物理的・現実的制約が中心となります。
    (顧客の位置、需要量、トラックの台数・積載量・稼働時間、移動距離や作業時間など)
  • 一方、燃料費用・通行料などの金銭コストは「コスト最小化問題」の時のみ直接の制約条件となります。
  • 今回問われている「総移動距離最小化」では、⑤(燃料費用・経路通行料)が制約条件として不適切となります。

感想

今日は正解でした!

しっかりと問題読んで、おかしなのは5だった、という理由。

でもいつものようなウロ覚え度は低かったかと。

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あ、過去問を覚えてたから正解だったのか。

まあ、ちゃんと学習した証拠、ということで。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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