問題
III-28 次のa~eの【条件】のもとで、下表に示す設備投資案のうち、最も有利な投資方策はどれか。
【条件】
a.設備投資案はどれか1つしか選択ができない。
b.設備はレンタルにより借り、1年後に返却する。
c.設備の借入費用は年間1台当たり130万円である。
d.下表の利益は、売上から仕入原価、その他の費用を差し引いたもので、設備の借入費用には計上されていない。
e.期間は1年間とする。
| 案 | 設備台数 | 利益(万円) |
|---|---|---|
| A案 | 1 | 210 |
| B案 | 2 | 470 |
| C案 | 3 | 520 |
| D案 | 4 | 680 |
| E案 | 5 | 800 |
① A案
② B案
③ C案
④ D案
⑤ E案

解答
正解は 2 になります。
問題の概要と考え方
本問題は、複数の設備投資案(A〜E案)の中から、年間1台あたりのレンタル費用を考慮したうえで、最も利益が大きくなる投資案を選ぶ問題です。
与えられている利益には「設備の借入費用(レンタル費)」が含まれていないため、利益 − レンタル費用という形で各案の「実質的な利益」を比較する必要があります。
設備台数が増えるほどレンタル費用も比例して増えるため、規模の大きさではなく費用対効果の観点で比較することが重要です。
前提条件の整理
・選択できる投資案はひとつだけ
複数案の組合せは不可。
・設備はレンタルで調達し、期間は1年
レンタル契約を前提とした投資判断を行います。
・レンタル費用は 1台あたり年間130万円
台数が増えると費用も増える。
・表に示された利益は「レンタル費を含まない利益」
実質利益を求めるには、必ずレンタル費を差し引く必要があります。
各投資案の実質利益の計算
実質利益 = 表の利益 −(設備台数 × 130万円)
以下に案ごとの計算を示します。
A案(設備1台・利益210万円)
- レンタル費用:130万円
- 実質利益:210 − 130 = 80万円
B案(設備2台・利益470万円)
- レンタル費用:260万円
- 実質利益:470 − 260 = 210万円
C案(設備3台・利益520万円)
- レンタル費用:390万円
- 実質利益:520 − 390 = 130万円
D案(設備4台・利益680万円)
- レンタル費用:520万円
- 実質利益:680 − 520 = 160万円
E案(設備5台・利益800万円)
- レンタル費用:650万円
- 実質利益:800 − 650 = 150万円
実質利益の比較表
| 案 | 利益(万円) | 設備台数 | レンタル費用 | 実質利益 |
|---|---|---|---|---|
| A案 | 210 | 1 | 130 | 80 |
| B案 | 470 | 2 | 260 | 210 |
| C案 | 520 | 3 | 390 | 130 |
| D案 | 680 | 4 | 520 | 160 |
| E案 | 800 | 5 | 650 | 150 |
最も有利な投資案の判断
実質利益が最も高いのは B案(210万円) です。
利益金額だけ見るとD案やE案がよく見えますが、費用を差し引くとB案が最も効率的であることがわかります。
まとめ
この問題で身につけたいポイントは次のとおりです。
- 投資判断では、見かけの利益ではなく 実質利益(利益 − 費用) を評価する
- 設備台数が増えても 費用が増大すれば利益効率が下がることがある
- 与件を正確に読み取り、必要な計算を確実に行う力が重要
- 今回の最適案は B案 となる
特に、費用対効果、実質利益、投資案比較といった概念は、経営工学領域で頻繁に扱われる重要テーマです。
感想
今日は正解でした!
しっかりと計算したので。
実際の計算がこんなに簡単だったらいいのだけど(笑)

過去問、調べるのであれば投資対効果、とかってキーワードにするべきなのでしょうが。
この手の問題は今までもたくさんでてきましたのでズバリ「レンタル」で検索しました。
記憶通り、そこそこな数の問題がありましたよ!
