令和元年度(再) 経営工学部門 Ⅲ-32

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問題

Ⅲ-32 物流用語に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① クロスドッキングとは、地域間の、量をまとめた幹線貨物輸送をトラックから鉄道又は内航海運へ転換し、トラックと連携して複合一貫輸送を推進することである。

② コールドチェーンシステムとは、生鮮食料品、冷凍食品などを、品質維持のため品物の温度を必要十分に低く保ちながら、生産地から消費地まで流通させる仕組みのことである。

③ ユニットロードとは、複数の物品又は包装貨物を、機械及び器具による取り扱いに適するように、パレット、コンテナなどを使って一つの単位にまとめた貨物のことである。

④ ピッキングとは、保管場所から必要な物品を取り出す作業のことである。

⑤ デパレタイズとは、パレットに積み付けられた物品を取り卸す作業のことである。

解答

正解は 1 になります。

問題の概要

この問題は、物流現場で頻繁に使われる専門用語が正しく理解できているかを確認するものです。
各用語は倉庫作業、輸配送、保管、流通加工など、物流プロセス全体に深く関わる基本概念です。
用語の意味を正しく把握することは、効率的で安全な物流運営を考えるうえで不可欠です。

以下では、それぞれの選択肢について意味と背景をわかりやすく解説します。


各選択肢の詳細解説

① クロスドッキングとは、地域間の、量をまとめた幹線貨物輸送をトラックから鉄道又は内航海運へ転換し、トラックと連携して複合一貫輸送を推進することである。

クロスドッキングCross Docking)は、本来「在庫を持たずに、入荷した商品をすぐに仕分けして出荷へ回す物流方式」です。
倉庫に保管せず“横持ち”のように即時に流すため、リードタイム短縮・在庫削減が期待できます。

しかし、選択肢の説明は「モーダルシフト(トラック→鉄道・船による幹線輸送転換)」の説明になっています。

クロスドッキングとモーダルシフトはまったく別概念であり、ここが不適切な点です。


② コールドチェーンシステムとは、生鮮食料品、冷凍食品などを、品質維持のため品物の温度を必要十分に低く保ちながら、生産地から消費地まで流通させる仕組みのことである。

コールドチェーン(Cold Chain)は、品物の鮮度・安全性を保つために「適切な低温環境を切れ目なく維持する物流システム」です。

  • 生産地 → 集荷センター → 輸送 → 卸売市場 → 小売店舗
    に至るまで、温度帯が保たれている必要があります。

代表的な温度帯は以下の通りです:

種類代表温度帯
冷蔵0〜10℃
冷凍-18℃以下
チルド0〜5℃

説明として正確で問題ありません。


③ ユニットロードとは、複数の物品又は包装貨物を、機械及び器具による取り扱いに適するように、パレット、コンテナなどを使って一つの単位にまとめた貨物のことである。

ユニットロード(Unit Load)は、物流効率を上げるために「複数の貨物をまとめて標準化された一つの荷姿にする概念」です。

代表例は以下の通り:

  • パレット荷役(フォークリフトで運搬可)
  • コンテナによる一括輸送
  • カゴ車(ロールボックスパレット)

ユニットロード化により、
荷役時間の短縮、作業安全性の向上、輸送効率の向上
が実現できます。

選択肢の記述は正しいです。


④ ピッキングとは、保管場所から必要な物品を取り出す作業のことである。

ピッキング(Picking)は、出荷や製造工程のために「棚などの保管場所から必要な商品を取り出す作業」です。

代表的な方式:

  • シングルピッキング:注文ごとにピック
  • トータルピッキング:複数注文分をまとめてピック
  • デジタルピッキングシステム(DPS)
  • ピック・トゥ・ライト / ピック・トゥ・ボイス

品質・スピードの両立が重要な作業であり、物流現場の生産性に直結します。

記述は正しいです。


⑤ デパレタイズとは、パレットに積み付けられた物品を取り卸す作業のことである。

デパレタイズ(Depalletize)は「パレットから商品を取り卸す」作業です。

  • フォークリフト
  • デパレタイズロボット
  • ハンドリフター

など、作業方法はさまざまですが、共通するのは「パレット単位の商品を崩す作業」である点です。

選択肢の説明は正しいです。


追加解説:物流用語の関係性

下図のように位置づけると、各概念の違いが明確になります。

[輸配送の工夫]
  └ モーダルシフト(鉄道・船へ転換)

[荷役効率化]
  ├ ユニットロード
  ├ デパレタイズ
  └ ピッキング

[温度管理]
  └ コールドチェーン

[在庫削減・リードタイム短縮]
  └ クロスドッキング

このように、物流の各プロセスは目的が異なります。


まとめ

この問題で問われているのは「物流用語の正確な理解」です。
各用語は似た印象を持ちやすいものの、実際には用途や目的が異なります。

特に重要なポイントは次のとおりです。

  • クロスドッキングは在庫を置かず即時仕分けする方式
  • モーダルシフトは幹線輸送の転換
  • コールドチェーンは低温維持による品質管理
  • ユニットロードは荷姿の標準化による効率化
  • ピッキングは出荷のための取り出し作業
  • デパレタイズはパレット荷崩し作業

これらの違いを整理すると、物流プロセス全体の役割が理解しやすくなります。


感想

物流用語、というか物流問題はいつも30番以降の最後あたりに出てきます。

本職では過去に自分の設計した装置の荷造り荷下ろしとかやったり。

学生時代は倉庫のアバイトやったりで、金融物に比べると不思議と抵抗のないジャンルです。

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だいたいなんとなく、わかってくるんで本日は正解でした。

まあたまたまなのかもしれませんが。
案外ここで学んでいることもあってこのジャンル、だいぶ強くなってきたのかもしれません。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
同じ道を進む方や、資格取得を目指す方のお役に立てる情報をお届けします。

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