令和元年度(再) 経営工学部門 Ⅲ-34

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問題

Ⅲ-34 発想法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① カタログ法は、イメージが広がりそうな画像などを用意し、それを見ながら連想して発想する方法である。

② シネクティックスは、類比による発想を多く活用しているところに特徴がある。

③ マインド・マップは、3×3の九つのマス目の中心にテーマを書き、そこから連想されるものを周りの八つのマスに記入し、さらに八つのそれぞれを中心にして同様に発想を広げていく方法である。

④ チェックリストの使用方法の1つとして、ほかに使い道はないか、応用できないか、拡大したらどうなるか等のチェック項目をもとに発想を行う方法がある。

⑤ TRIZは、過去の特許を中心とした世界中の発明を研究し、そこから発明に利用できそうな発想の視点・観点を体系づけ、今後の発明に活用しようとする方法である。

解答

正解は 3 になります。

問題の概要

本問題は、創造的思考を高めるための「発想法」に関する理解を問う内容です。
発想法は、製品開発、改善、企画立案などの場面で広く用いられており、それぞれに特徴的なプロセスや狙いがあります。
問題では、代表的な発想技法について正しい説明と不適切な説明が混在していて、それらを見分ける力が求められます。


各選択肢の詳細解説

① カタログ法は、イメージが広がりそうな画像などを用意し、それを見ながら連想して発想する方法である。

カタログ法は、文字どおり「カタログ(一覧)された情報」を見ながら連想を広げる発想法です。
実際に製品カタログ、写真、画像資料などを眺めることで、普段思いつかないような新しい組み合わせや用途を発見することに役立ちます。

例えば、新しいバッグのデザイン案を考える場合、ファッションカタログだけでなく、自然風景、動物、建築物など多様な画像を見ながら形状や配色のヒントを得ることができます。

このように、外部から視覚的刺激を得ることでアイデアを誘導する典型的な「連想発想法」であり、記述は正しい内容です。


② シネクティックスは、類比による発想を多く活用しているところに特徴がある。

シネクティックス(Synectics)は、ビジネスや工学分野で活用される創造技法のひとつで、核心は「類比(アナロジー)」の積極活用です。
物事を異分野のものに置き換えて考えることで、日常の固定観念を外し、新しい視点を得るための技法といえます。

類比は以下のように分類されます。

  • 直接類比(自然界や他分野からヒントを得る)
  • 個人的類比(自分が対象物になったつもりで考える)
  • 象徴的類比(イメージを抽象化して連想する)
  • 空想類比(非現実的な発想をあえて利用する)

これらを組み合わせることで、革新的な発想を導く構造的な手法であるため、記述は正しいです。


③ マインド・マップは、3×3の九つのマス目の中心にテーマを書き、そこから連想されるものを周りの八つのマスに記入し、さらに八つのそれぞれを中心にして同様に発想を広げていく方法である。

この記述は不適切です。

マインド・マップは、テーマ(中心概念)を紙の中央に置き、そこから放射状に枝(ブランチ)を伸ばして関連するアイデアを書き広げていく視覚化手法です。
放射状に広がる「樹状構造」こそが特徴であり、3×3のマス目を使う技法ではありません。

問題文の説明は「マンダラート(曼陀羅チャート)」と呼ばれる別の発想技法の説明であり、マインド・マップとは異なります。

代表的な違いは以下のとおり。

技法名中心の配置広がり方特徴
マインド・マップ中央にテーマ放射状に枝分かれ自由度が高く、思考の流れを視覚化
マンダラート3×3のマス周囲8マス→さらに展開体系的で整理しやすいフレームワーク

よって、記述は誤りです。


④ チェックリストの使用方法の1つとして、ほかに使い道はないか、応用できないか、拡大したらどうなるか等のチェック項目をもとに発想を行う方法がある。

チェックリスト法は、既存のアイデアや対象物に対して、多角的な質問項目(チェック項目)を投げかけながら発想を広げる技法です。
代表的なチェックポイントには以下があります。

  • 転用できないか(他の用途は?)
  • 応用できないか
  • 変更したらどうなるか(色・大きさ・形)
  • 縮小・拡大したらどうなるか
  • 組み合わせられないか

これらはSCAMPER法(Substitute、Combine、Adapt…)として体系化されることも多く、改善や新製品開発で活用されます。

記述内容はチェックリスト法の典型的説明であり正しいものです。


⑤ TRIZは、過去の特許を中心とした世界中の発明を研究し、そこから発明に利用できそうな発想の視点・観点を体系づけ、今後の発明に活用しようとする方法である。

TRIZ(トゥリーズ)は旧ソ連で生まれた発明理論であり、多数の特許を分析して導出した「技術的矛盾」「物理的矛盾」などの解決パターンを体系化した発想法です。
特に「40の発明原理」「矛盾マトリクス」は有名で、技術課題の解決において再利用できる知見が整理されています。

TRIZの狙いは、創造活動を偶然任せにせず、科学的に再現性のある発明手法として活用する点にあります。
よって、この記述は正しいものです。


追加解説:発想法の全体像を捉える

発想法は、大きく次のように分類されます。

  • 外部刺激型(カタログ法)
  • 類比型(シネクティックス)
  • 視覚構造型(マインド・マップ、マンダラート)
  • 問いかけ・チェック型(チェックリスト法)
  • 組織化理論型(TRIZ)

発想法ごとの特徴を理解することで、業務改善、設計、生産管理、サービス開発などさまざまな現場で使い分けが可能となります。


まとめ

発想法には、視覚的刺激、類比、体系化されたフレームワーク、チェック項目など、多様な切り口があります。
本問題では、正しい説明の中に、マインド・マップとマンダラートを混同させる記述が含まれており、これが不適切な選択肢です。

重要なポイントは以下のとおり。

  • カタログ法は画像から連想する外部刺激型の発想法
  • シネクティックスは類比思考を活用する構造的な技法
  • マインド・マップは放射状に広がる思考整理法であり、3×3マスを使うのはマンダラート
  • チェックリスト法は「応用できるか」「拡大したらどうか」などの質問で視点を広げる
  • TRIZは特許分析から導いた発明の原理を体系化した理論

特に、マインド・マップとマンダラートの区別、TRIZの位置づけなどは試験でも頻出のテーマです。


感想

このへんはバッチリですよ!

仕事柄TRIZも使うしマインドマップだって書きます。

あとのはあんまり使ってないけれど・・・・。

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発想法に関してもそこそこ過去問に出ていますね。

今回みたいにハッキリとコレが違う!という正解のものは、解いててなんだかすっきりしますね。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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