令和2年度 経営工学部門 Ⅲ-1

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問題

Ⅲ-1 生産形態の【区分の観点】ア~オと【生産形態】a~eの組合せとして,最も適切
なものはどれか。

  【区分の観点】           【生産形態】
   ア.生産と注文の時期        a.見込生産・受注生産
   イ.生産方式            b.多種少量生産・少種多量生産
   ウ.生産品種・生産量        c.プッシュ型・プル型
   エ.加工品の流れ          d.フロー型・ジョブショップ型
   オ.生産指示の与え方        e.個別生産・連続生産

 ① ア-a,ウ-d
 ② ア-e,ウ-b
 ③ ア-c,エ-e
 ④ イーe,エーd
 ⑤ イーb,オーa


解答

正解は 4 になります。

問題の概要:生産形態を定義する多角的な分析視点

製造業の生産活動を最適化するためには、その特性を複数の切り口(次元)から分析し、整合性の取れたシステムを構築する必要があります。
本問で示されている「区分の観点」は、工場の物理的構成、情報の制御方法、そして事業戦略としての納期対応を定義する極めて重要なフレームワークです。

経営工学の観点からは、これらの区分は単なる用語の整理に留まりません。例えば「受注生産(時期)」を選択した場合、必然的に「リードタイムの短縮」が技術的課題となり、その解決策として「フロー型(流れ)」や「プル型(指示)」の検討が導かれます。本問は、こうした各要素の理論的な結びつきを正確に理解しているかを問う、専門性の高い良問といえます。


各選択肢の詳細解説

選択肢 ①(ア-a,ウ-d)

  • ア-a(生産と注文の時期 - 見込生産・受注生産):
    この組み合わせは理論的に正しいものです。
    「生産と注文の時期」とは、需要の不確実性に対してどのタイミングで資源を投入するかを決定する基準です。
    見込生産(MTS)は需要予測に基づき、在庫をバッファとして顧客に即納する形態であり、受注生産(MTO)は確定注文をトリガーとして生産を開始し、在庫リスクを回避する形態です。
    これらはまさに「時期」という時間軸による区分です。
  • ウ-d(生産品種・生産量 - フロー型・ジョブショップ型):
    この組み合わせは不適切です。
    「品種と量」は生産対象の多様性と規模を指すのに対し、フロー型ジョブショップ型は、設備や作業者の配置という物理的な「加工経路」を指す概念です。
    品種・量に対応する形態は「多種少量・少種多量」であるべきです。

選択肢 ②(ア-e,ウ-b)

  • ア-e(生産と注文の時期 - 個別生産・連続生産):
    この組み合わせは不適切です。
    個別・連続生産は、仕事が断続的に発生するか、あるいはプロセス産業のように絶え間なく続くかという「生産の連続性(生産方式)」を指します。
    顧客がいつ注文を出すかという「時期」の観点とは、概念の階層が異なります。
  • ウ-b(生産品種・生産量 - 多種少量生産・少種多量生産):
    この組み合わせは理論的に正しいものです。
    製品の種類(Variety)と、一種類あたりの生産量(Volume)の相関関係を定義するものであり、生産管理における「P-Q分析(製品量分析)」の基礎となる非常に重要な区分です。

選択肢 ③(ア-c,エ-e)

  • ア-c(生産と注文の時期 - プッシュ型・プル型):
    この組み合わせは不適切です。
    プッシュ型(押し出し)プル型(引き出し)は、工程間における生産指示や情報の伝達メカニズムを定義するものであり、「いつ作るか(時期)」ではなく「どのように指示を出すか(情報流)」の観点に属します。
  • エ-e(加工品の流れ - 個別生産・連続生産):
    この組み合わせは不適切です。「加工品の流れ」は、ワークが工場内を移動する経路の規則性を指します。個別生産・連続生産は、時間の経過に伴う生産活動の定常性や繰り返し性を指す「生産方式」の観点であるため、流れの観点とは合致しません。

選択肢 ④(イ-e,エ-d) = 正解

  • イ-e(生産方式 - 個別生産・連続生産):
    この組み合わせは非常に適切です。
    生産方式」という観点は、生産活動の繰り返し性の度合いを分類します。
    一回限りの仕様を扱う「個別生産」、一定のロットで繰り返す「ロット生産」、そして石油精製などのように連続して流れる「連続生産」という区分は、経営工学における標準的な体系です。
  • エ-d(加工品の流れ - フロー型・ジョブショップ型):
    この組み合わせも極めて適切です。
    「加工品の流れ」とは、工場内のレイアウト設計(SLP: Systematic Layout Planning)に直結する概念です。
    製品の加工順序に従って設備を並べる「フロー型(製品別配置)」と、同種の機能を備えた機械をまとめてワークを移動させる「ジョブショップ型(工程別配置)」は、物理的なワークの流動性を定義する対照的な形態です。
  • 結論:
    イとエ、それぞれの観点に対して、対応する生産形態(eとd)が理論的・技術的に完全に整合しているため、本選択肢が正解となります。

選択肢 ⑤(イ-b,オ-a)

  • イ-b(生産方式 - 多種少量生産・少種多量生産):
    この組み合わせは不適切です。
    多種少量・少種多量は、あくまで「品種・量」という対象の属性を示すものであり、生産の進め方(方式)そのものを指す言葉ではありません。
  • オ-a(生産指示の与え方 - 見込生産・受注生産):
    この組み合わせは不適切です。
    見込・受注は前述の通り「注文の時期」による区分です。
    生産指示の与え方」という観点に対応するのは、現場の自律制御に関わる「プッシュ型・プル型」でなければなりません。

まとめ

本問を解く鍵は、生産管理の各用語が「どの断面(観点)」から定義されたものかを厳密に区別することにあります。
特に選択肢④で示された「生産方式」と「加工品の流れ」の区分は、実際の工場設計においても「ライン生産にするか、機能別配置にするか」という極めて重要な意思決定項目となります。

技術士試験においては、これらの用語の表面的な意味だけでなく、各観点(ア〜オ)が相互にどのように影響し合い、一つの生産システムを構成しているかという全体最適の視点を持つことが求められます。


感想

今回からアイキャッチ画像を変えてみました。正方形。

画像作成するAI、この形でしかでしてくれないので・・・・。

今日は残念ながら不正解・・・。

本来であれば得意分野のハズですが、見事に間違いました。

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過去問では正解してるのでちょっと能力落ちてきてるな・・・・。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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