問題
Ⅲ-12 サービスマネジメントにおけるサービスの特性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① サービスは、諸活動、便益、満足なので形がなく、事前に確認したり、在庫にしたり、流通させることはできないため、「無形性」がある。
② 対人サービスにおいては、生産と同時に消費されるので、顧客が必要とする場所と時間に生産しなければならないため、「同時性」がある。
③ サービス業では、同一のサービスを安定して提供することが容易であるため、「同質性」がある。
④ サービス商品は、売れなければ消滅するため、「消滅性」がある。
⑤ サービスが提供されると、それを元に戻すことができないため、「不可逆性」がある。

解答
正解は 3 になります。
サービスマネジメントにおけるサービスの特性の概要
サービスマネジメントの分野では、サービスの特性として「無形性」「同時性(不可分性)」「異質性(非均一性)」「消滅性(非貯蔵性)」が広く知られています。
これらは、モノの製品と異なり、サービスならではの性質を理解し、適切なマネジメントやマーケティング戦略を立てる上で極めて重要です。
- 無形性:サービスは形がなく、目に見えない・触れない
- 同時性(不可分性):サービスの生産と消費が同時に起きる
- 異質性(非均一性):サービスの品質は提供者や状況によってばらつく
- 消滅性(非貯蔵性):サービスは在庫として蓄積できず、売れ残ったら消えてしまう
各選択肢の詳細解説
① サービスは、諸活動、便益、満足なので形がなく、事前に確認したり、在庫にしたり、流通させることはできないため、「無形性」がある。
この選択肢は正しいです。
サービスは物理的な形がなく、事前に目で見たり手で触ったりすることができません。
また、在庫として保管したり、一般的な製品のように流通させたりすることもできません。
これが「無形性」というサービスの代表的な特性です。
② 対人サービスにおいては、生産と同時に消費されるので、顧客が必要とする場所と時間に生産しなければならないため、「同時性」がある。
この選択肢も正しいです。
サービスは、提供と同時に消費される(例:美容室でのカット、レストランでの食事など)ため、「同時性(不可分性)」という特性があります。
顧客がその場にいなければサービスは成立しません。
③ サービス業では、同一のサービスを安定して提供することが容易であるため、「同質性」がある。
この選択肢が最も不適切です。
サービス業では、同じ内容のサービスであっても、提供者や状況によって品質や内容にばらつきが生じやすいです。
これを「異質性(非均一性)」と言い、サービスの品質を完全に均一化することは困難です。
「同質性」はサービスの特性ではなく、むしろ「異質性」が本質です。
④ サービス商品は、売れなければ消滅するため、「消滅性」がある。
この選択肢は正しいです。
サービスは在庫として蓄積できず、提供の機会を逃すと「消滅」してしまいます。
たとえば、空席のまま終わったコンサートや、予約が入らなかった美容師の時間などは後から取り戻せません。
これが「消滅性(非貯蔵性)」です。
⑤ サービスが提供されると、それを元に戻すことができないため、「不可逆性」がある。
この選択肢はやや言い換えですが、内容としては正しいです。
サービスは一度提供されると元の状態には戻せません。
例えば、カットした髪は元に戻せない、受けた接客はやり直せない、といった「不可逆性」があります。
サービスの特性まとめ表
特性 | 内容例・キーワード |
---|---|
無形性 | 形がない、在庫不可、事前確認不可 |
同時性 | 生産と消費が同時、現場性 |
異質性 | 品質のばらつき、標準化困難 |
消滅性 | 在庫不可、売れ残りは消滅 |
まとめ:問題の要点
- サービスには「無形性」「同時性」「異質性」「消滅性」などの特性がある。
- 「同質性」はサービスの特性ではなく、むしろ「異質性」が本質。
- サービスの特性を正しく理解することで、適切なサービスマネジメントや顧客満足度向上の施策が可能となる。
感想
今日は思いっきり間違えました。
このあたり、とんと疎いのもあるのですが・・・。
サービスマネジメント自体、お初の出題のようです。
小売店勤務の友人にこのへん、よくきいておこう・・・。
コメント