令和元年度 経営工学部門 Ⅲ-16

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問題

Ⅲ−16 np管理図を採用する条件に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 群の大きさが一定でなく、大きく変動する場合。

② 工程の合否判定のための管理図として用いる場合。

③ 不適合品数を管理する場合。

④ 群間の変動の異常原因の検出が可能になるように群を選択できる場合。

⑤ データが簡単な試験によって、速やかにあまりコストをかけずに得られる場合。

解答

正解は 1 になります。

np管理図とは

np管理図は、製造や品質管理の現場でよく使われる「管理図」の一種です。
特に製品の合否判定(合格・不合格)や、不適合品の数を管理したい場合に使用します。
「np」とは、「number of nonconforming products」(不適合品数)の略です。
np管理図は、各検査群の大きさ(検査件数)が常に一定のときに、不適合品数だけを記録して工程が安定しているかどうかを監視します。


各選択肢の詳細解説

① 群の大きさが一定でなく、大きく変動する場合(最も不適切)

np管理図が成り立つ前提は、「群の大きさ(サンプル数)が一定であること」です。
なぜなら、不適合品“数”だけを管理しているため、群のサイズが変動してしまうと、本来比べるべき指標がバラバラになってしまい、正しい管理ができなくなります。

サンプル数が変化する場合は、np管理図でなく、p管理図(不適合品率=割合を管理)が適切です。
したがって、この①の記述はnp管理図の前提を満たさないため「最も不適切」といえます。

② 工程の合否判定のための管理図として用いる場合

np管理図は、「良品か不良品か」という合否判定に適した管理図です。
工程から抽出したサンプルを合否で判定し、不適合品の”数”をプロットします。
そのため、工程の合否判定で管理図を使いたいときは、このnp管理図が有効です。


③ 不適合品数を管理する場合

np管理図の最大の特徴は、不適合品“数”を扱うことです。
不適合率(割合)ではなく、実際の「何個の不適合品が出たか」に注目します。
群のサイズが一定の場合、この管理図は品質管理の現場でよく利用されています。


④ 群間の変動の異常原因の検出が可能になるように群を選択できる場合

np管理図では、サンプル(群)を時間ごと、ロットごとなど任意に選んでよいですが、その際、管理図を使う本来の目的は「群ごとの変動の異常」を見つけることです。
そのため、群の選び方にも意味があります。
この選択肢は、np管理図に求められる運用のひとつです。


⑤ データが簡単な試験によって、速やかにあまりコストをかけずに得られる場合

np管理図のデータ収集方法はシンプルで、例えば目視で合否の判定ができるような試験が向いています。
高価な分析機器が不要なケースが多く、コストと時間両面でメリットがあります。


【図解】np管理図とp管理図の適用条件

管理図種類管理対象サンプルサイズの条件
np管理図不適合品数一定
p管理図不適合品率(割合)一定でなくてもOK

まとめ

np管理図は「群(サンプル)の大きさが一定」で、「合否による不適合品数」を簡単な方法で記録・監視したい場合に活用されます。
不適合品の”数”が気になる現場や、シンプルな試験方法が使える場合に力を発揮します。
ただしサンプル数(群の大きさ)が大きく変動する場合は適用できず、その場合はp管理図(不適合品率を管理)を選びましょう。


感想

np管理図あんまり得意でないことを実感。

今日も不正解でした。

そもそもnp管理図、単独で出てくるのはどうやら初めてのようです。

管理図の問題はたくさんあるのにな。

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今日もしっかり復習です。

最近、実務に追われているせいか覚えが悪いな・・・。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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