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問題
Ⅲ-22 窓口が1つの銀行で、顧客Aが5分前に整理券を受け取ったとき、すでに10人が待っており、5分が経過した現在までに、さらに1人の顧客が到着した。この時点での平衡状態(状態が時間に対して変化しないとき)における顧客Aの残りの待ち時間として、次のうち最も近いものはどれか。
① 2.5分
② 5.0分
③ 10.0分
④ 20.0分
⑤ 25.0分

解答
正解は 4 になります。
問題設定の整理
- 窓口が1つ(単一サーバ)
- 顧客 A が整理券を受け取った時点で、前に 10人待ち
- 5分経過後、新たに 1人到着 → ただし A の後ろに並ぶ
- 問題としては 定常状態(平衡状態) を前提とし、A の残り待ち時間を推定する
解法のポイント
- 平均処理時間の仮定
問題文には「1人あたりにかかる時間」が明記されていないため、選択肢から逆算して仮定する必要がある。 - 残り人数の把握
A の前に待っている人数は 10 人。新しく来た人は A の後ろであるため、残り待ち時間の計算には含まれない。 - 残り待ち時間の計算式
$$\text{残り待ち時間(期待値)} \;=\; (\text{前に待っている人数}) × (\text{平均処理時間/人})$$
選択肢の解釈と計算
仮定される平均処理時間/人 | 計算 | 対応する選択肢 |
---|---|---|
2分/人 | 10人 × 2分 = 20分 | ④ 20.0分 |
2.5分/人 | 10人 × 2.5分 = 25分 | ⑤ 25.0分 |
各選択肢の検討
- ① 2.5分
あまりに短いため、10人も待っている状況に対して現実的ではない。 - ② 5.0分
10人待ちを反映できず、処理時間を過小に見積もっている。 - ③ 10.0分
10人待ちという人数に比して時間が短すぎる。仮に平均処理時間約1分でも10分だが、銀行窓口では通例より速すぎる。 - ④ 20.0分
平均処理時間を 2分/人 とみなすと、最も自然に計算が通る。定常状態の仮定とも整合する。 → 模範解答。 - ⑤ 25.0分
もし平均処理時間を 2.5分/人 と仮定するか、「サービス中の人も含めて前に待っている人数を11人」と考えるならこの値になる可能性あり。だが、試験で標準的な「待ち人数=サービス未開始の人数のみ」の定義を使うと⑤は過大評価。
問題の要点まとめ
- 平均処理時間が問題文には書かれていない → 選択肢の数値から逆算することが必要。
- 「前に待っている人数」は 10人、後から来た1人は A の後ろなので無関係。
- 残り待ち時間=「前に待っている人数 × 平均処理時間」
- 選択肢の中で ②・③ は過小、⑤ は過大、よって ④ 20.0分 が最も妥当。
- 補足:実務的または別の解釈(例:平均処理時間を 2.5 分/人とする、サービス中の人を待ち人数に入れるなど)を採れば⑤も一理あるが、試験標準の解釈では ④ を選択。
感想
待ち行列の問題も頻出ですね。
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とはいえ今日は間違ってしまいました。
いや、待ち時間2分ってどこから出てきたの?
5分で1人も消化できなかったからおかしくない?
仮に2分で1人さばいてたら前には8人しか残ってなくない?
なにか釈然としない・・・・。