令和元年度 経営工学部門 Ⅲ-27

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問題

Ⅲ-27 ディペンダビリティ又は総合信頼性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 保全性の概念は、ハードウェアのアイテムだけでなく、ソフトウェアアイテムについても用いられる用語である。

② ディペンダビリティとは、アベイラビリティ、信頼性、回復性、保全性及び保全支援性能などを表す包括的な用語であり、総合信頼性とも呼ばれる。

③ 故障モードとは、アイテムが要求事項を満たしていない程度を指している。

④ 信頼性とは、アイテムが与えられた条件の下で、与えられた期間、故障せずに、要求どおりに遂行できる能力を意味している。

⑤ ヒューマンエラーとは、人間が実施する又は省略する行為と、意図される又は要求される行為との相違と定義される。

解答

正解は 3 になります。

ディペンダビリティ(総合信頼性)についての問題概要

本問は、「ディペンダビリティ」や「保全性」「信頼性」など、ものづくりやシステム運用の実務で頻出する専門用語の理解を問うものです。
ディペンダビリティは、システムや製品がどれだけ信頼できるか、長期間安定して動作し続けられるかを考える時に不可欠な概念です。
こうした用語は、エンジニアリングや運用管理の現場だけでなく、品質管理やリスクマネジメントなど幅広い分野で活用されます。

この問題は、「5つの選択肢のうち、最も不適切なものはどれか(誤りを選べ)」という形式なので、それぞれの用語の本質と正しい定義をしっかり理解することがポイントとなります。


選択肢ごとの詳しい解説

①「保全性の概念は、ハードウェアのアイテムだけでなく、ソフトウェアアイテムについても用いられる用語である。」

解説:
保全性(Maintainability)は、製品やシステムが故障したとき、どれだけ速やかかつ効率的に修理や回復ができるかを表します。
近年は製品の中心がソフトウェアに移りつつあり、「保全性」はハードウェアだけでなく、ソフトウェアシステムにも適用されます。例えば、ソフトウェアのバグ修正やアップデートも保全性の一部です。
結論:
この記述は正しい内容です。


②「ディペンダビリティとは、アベイラビリティ、信頼性、回復性、保全性及び保全支援性能などを表す包括的な用語であり、総合信頼性とも呼ばれる。」

解説:
ディペンダビリティ(Dependability)は、システムや製品がどれくらい利用者の期待に応えられる状態を長く維持できるかを示す総合的な指標です。

  • アベイラビリティ(可用性):使いたいときに使えるかどうか
  • 信頼性:故障せずにどれだけ動作し続けられるか
  • 回復性:故障時、どれだけ早く元に戻れるか
  • 保全性:維持・修理のしやすさ
  • 保全支援性能:保全作業を円滑にするための設計や仕組み

これらをまとめて評価するのがディペンダビリティであり、日本語では「総合信頼性」とも呼ばれます。
結論:
この記述は正しい内容です。


③「故障モードとは、アイテムが要求事項を満たしていない程度を指している。」

解説:
故障モード(Failure Mode)」は、製品やシステムがどのように壊れるか、壊れ方の具体的な種類や現象のことを指します。
例えば、「ヒューズが溶断する」「ポンプが動かなくなる」などが故障モードです。
一方、記述にある「要求事項を満たしていない程度」とは“どれくらい”ダメかという度合いのことで、これは「故障状態(Failure State)」や「故障の程度(Severity)」に近い表現です。
「モード」は“壊れ方の種類”“どう壊れるか”を表す専門用語なので、上記記述は定義がずれています。
結論:
この記述は誤りです。不適切な選択肢となります。


④「信頼性とは、アイテムが与えられた条件の下で、与えられた期間、故障せずに、要求どおりに遂行できる能力を意味している。」

解説:
信頼性(Reliability)は、「特定の期間・条件下で、製品やシステムが当初の機能を維持し、故障せずに動作し続ける能力」です。
たとえば、自動車のエンジンが10万キロ走っても故障せず動く、サーバが1年間連続稼働できるなどが信頼性の例です。記述の内容は信頼性の定義に合致しています。
結論:
この記述は正しい内容です。


⑤「ヒューマンエラーとは、人間が実施する又は省略する行為と、意図される又は要求される行為との相違と定義される。」

解説:
ヒューマンエラー(Human Error)は、作業者が本来行うべき操作・手順を「間違える」「やり忘れる」「逆に操作してしまう」など、人が意図どおりに行動しないこと全般を指します。例えば、ボタンを押し間違える、必要な作業を抜かしてしまう、手順を逆に行うなどです。
この記述は、ヒューマンエラーの一般的な定義内容に沿っています。
結論:
この記述は正しい内容です。


まとめ:本問の要点と各専門用語の理解

本問の要点は、「ディペンダビリティ(総合信頼性)」を中心とした信頼性工学の基本概念を、用語ごとに正しく理解しているかどうかです。故障モードの定義ミスが唯一の誤りなので、ここが解答のポイントとなります。

  • ディペンダビリティは、システムや製品の「総合的な信頼性」を示す重要用語です。
  • 故障モード(Failure Mode)は“壊れ方の具体的な現象・種類”です。「故障の程度」や「状態」と混同しないよう注意しましょう。
  • 保全性(Maintainability)ヒューマンエラー(Human Error)も、幅広い分野で頻繁に出てくる重要キーワードです。
  • 誤りの選択肢(③)を的確に見抜くには、それぞれの用語の定義や意味をしっかり理解することがカギになります。

感想

ディペンダビリティ、言葉としてなかなか覚えきれません。

初耳だわ!と思っていたら過去問にありました。

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むむ~。今後も出そうな予感。

しっかり学習しておかないといけませんね。

あ、何が何だか、って感じでしたので本日は不正解でした・・・・。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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