令和元年度 経営工学部門 Ⅲ-29

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問題

Ⅲ-29 物流における用語に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① サードパーティーロジスティクスとは、荷主企業でも物流事業者でもない第三者が荷主のロジスティクスを代行するサービスであるが、物流事業者が荷主企業のアウトソーシングニーズに広範に対応して一括受注するケースも含まれる。

② 貨物とは、輸送、保管される物資の総称であり、その形態、性状などによって、一般貨物と特殊貨物とに分けることがある。

③ オーダーピッキングとは、出荷指示に基づいて物品を保管場所から取り出す作業のことであり、顧客単位にピッキングする種まき方式、及び物品ごとにピッキングしたあと顧客単位に仕分ける摘取り方式がある。

④ 輸送とは、貨物をトラック、船舶、鉄道車両、航空機、その他の輸送機関によって、ある地点から他の地点へ移動させることであり、配送は、貨物を物流拠点から荷受人へ送り届けることである。

⑤ 流通加工とは、流通過程の倉庫、物流センター、店舗などで商品に加工することである。

解答

正解は 3 になります。

問題の概要

本問題は、「物流」に関する基本的な用語およびその定義について理解を問うものです。
物流は、現代のサプライチェーンやビジネスの中で非常に重要な分野であり、正しい用語の理解は効率的な運営や問題解決に直結します。
本問のような用語問題は、用語同士の違いや正確な意味の把握が求められます。


各選択肢の詳細解説

① サードパーティーロジスティクス(3PL)

サードパーティーロジスティクス(3PL)は、荷主企業(メーカーや商社など、実際に商品を持つ企業)でもなく、従来の物流事業者(配送のみ行う業者)でもない「第三者」が、荷主企業に代わって、物流全体(例えば保管・輸送・在庫管理など)を一括して請け負うサービスです。

  • 特徴として、荷主企業の「アウトソーシングニーズ=外部委託したいニーズ」に幅広く対応し、その仕事をまとめて受注する「一括受注」も含まれます。
  • つまり、“物流全体の最適化”や“効率化”を狙って外部の専門集団に委ねる形となります。
  • 多くの現代企業で利用が進んでいます。

② 貨物の定義

貨物」は、一般的に“輸送”または“保管”される物すべてを指します。また、その中身や状態によって分類されることがあります。

  • 形態や性質の違いで分ける例:普通の荷物(一般貨物)、温度管理が必要な冷蔵・冷凍品や危険物などの「特殊貨物」など。
  • 日常的に使われる用語であり、幅広く様々な物品が対象になります。

③ オーダーピッキング

オーダーピッキングは、出荷作業の中で重要な工程で、「出荷指示」に基づいて倉庫内から商品を取り出す作業のことです。ピッキングの方法には主に2つあります。

  1. 種まき方式
    顧客ごとにピッキングする——つまり、各注文単位で指定された商品をまとめて取り出す方法です。
  2. 摘み取り方式
    まず商品ごとにまとめてピッキングし、その後で顧客別に仕分けを行う方式です。

本問選択肢では、「種まき」と「摘み取り」の説明がになっています。
*正しい定義:

  • 種まき方式は「商品ごとにピッキングし、その後顧客単位に分ける」
  • 摘み取り方式は「顧客単位でまとめてピッキングする」
    —この点が不適切(正解となる)のポイントです。

④ 輸送と配送の違い

輸送」とは、トラックや鉄道、船、飛行機などを使って、ある場所から別の場所へ“貨物を運ぶ”広義の意味です。

  • 輸送手段は多種多様で、長距離・短距離を問わず含みます。
  • 「配送」は特に、物流拠点や倉庫から実際の受取人まで届けることを指し、輸送工程の最終段階で用いられます。
  • どちらも物流工程上、重要な段階を担っています。

⑤ 流通加工

流通加工は、商品が流通過程にある中で、倉庫や物流センター、店舗などで必要に応じて「加工」することです。

  • 例:ギフト包装、セット組み、値札貼りなど。
  • 最終消費者にとって価値が高まるように、商品仕様の一部を調整したり組み合わせたりする工程です。
  • 流通現場では欠かせない作業の一つです。

まとめ:問題の要点と攻略ポイント

  • 物流用語の定義違いを正確に理解しよう。
  • 特に「オーダーピッキング」の“種まき方式”と“摘み取り方式”は、現場で混同しやすいので注意!
  • 輸送・配送・流通加工・3PLなど主要キーワードは、技術士試験対策の上でも頻出分野。
  • 用語は選択肢の中で説明されている内容が正しいか、公式・標準的な解説と照らし合わせて確認する習慣が大切。

図表:オーダーピッキング方式の違い

方式名ピッキング手順
摘み取り方式顧客ごとに必要な商品をまとめてピッキング
種まき方式商品ごとにピッキング後、顧客ごとに仕分け

感想

物流に関する問題はいつも最後の方に出てきます。

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でもこの年のは少し毛色が違いますね。

サードパーティーロジスティクスなんて今まで出ていないんですけどね。

時流に合った問題が出ている、ということで。

しかしながら本日は不正解でした・・・・。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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