令和元年度 経営工学部門 Ⅲ-32

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問題

Ⅲ-32 国土交通省による「総合物流施策大綱(2017~2020年度)」に示された物流における「新技術の活用による“物流革命”」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、IoTは、Internet of Things、BDは、Big Data、AIは、Artificial Intelligenceである。

① IoT、BD、AI等の活用によるサプライチェーン全体の最適化

② 隊列走行及び自動運転による運送の飛躍的な効率化

③ ドローンの物流への導入による空の産業革命

④ 物流現場の多様な人材の確保

⑤ 船舶のIoT化・自動運航船

解答

正解は 4 になります。

物流革命とは何か?【概要解説】

現代の物流業界は、「物流革命」と呼ばれる大きな変革期を迎えています。
これは、IoT(Internet of Things)、BD(Big Data)、AI(Artificial Intelligence)といった最先端技術を活用することで、物流の効率化やサービス品質の向上が求められているからです。
たとえば、荷物がどこにあるかをリアルタイムで把握したり、膨大なデータを解析して最適な配送ルートを自動で選択したり、無人の車や船を使った輸送を実現したりと、物流の在り方そのものが大きく変わろうとしています。
今回は、国土交通省による「総合物流施策大綱(2017~2020年度)」に示された「新技術の活用による物流革命」において、どの記述が不適切かを問う問題です。


選択肢ごとの詳細解説

① IoT、BD、AI等の活用によるサプライチェーン全体の最適化

IoTやビッグデータ、AIは、物流だけでなく生産から消費までの「サプライチェーン全体」の効率化に大きく貢献しています。
例えば、IoTを使えばトラックや倉庫の稼働状況をリアルタイムで確認でき、在庫の最適配置や配送ルートの自動更新が可能になります。
ビッグデータは過去の配送履歴や需要予測に使われ、AIはこれら膨大なデータを高速で解析し、最も効率的な物流フローを提案します。
これらの取り組みは総合物流施策大綱にも明確に盛り込まれており、業界の標準的な方向性となっています。

② 隊列走行及び自動運転による運送の飛躍的な効率化

隊列走行とは、複数のトラックが自動制御システムで隊列を組みながら走行する技術です。
自動運転との組み合わせで、ドライバー不足の解消や燃費向上、交通渋滞の緩和など多くのメリットがあります。
日本国内でも、高速道路などで実証実験が進められており、物流全体の生産性向上策のひとつとして高く評価されています。

③ ドローンの物流への導入による空の産業革命

ドローンによる配送は、山間部や災害時など従来の輸送手段が使いにくい地域で活躍が期待されています。
小型無人機を使って短時間で荷物を届けることができ、新たな産業として注目を集めています。
「空の産業革命」と表現されるように、物流の未来を大きく変えうる技術です。
総合物流施策大綱でも、ドローンの利活用は施策例のひとつとして明確に記載されています。

④ 物流現場の多様な人材の確保

この選択肢が「不適切」と判断されるポイントです。
「総合物流施策大綱」における「新技術の活用による物流革命」は、あくまでIoT、BD、AIといったデジタル・自動化技術の導入による効率化や自動化が主眼です。
「多様な人材の確保」自体は物流業界の重要テーマですが、これは「働き方改革」や「人手不足」解消を目的とした政策軸に含まれるものであり、「新技術の活用による物流革命」の本質的な内容とは直接関係がありません。
そのため、この記述は他の選択肢と比べて「新技術」という観点で一致していません。

⑤ 船舶のIoT化・自動運航船

船舶分野においても、IoTを活用した船体・航路管理の効率化や、AIによる自動運航技術は積極的に開発されています。港での荷役作業も含めて、海上輸送の効率化は国際競争力向上のために不可欠です。
施策大綱でも、船舶分野での最先端技術導入がしっかりと盛り込まれています。


まとめ【本問の要点】

「新技術の活用による物流革命」では、IoTビッグデータ(BD)AI、自動運転、ドローン、船舶の自動化といった「技術革新」による物流の効率化・最適化が中心テーマです。
一方、「多様な人材の確保」は、物流現場全体の課題として重要ですが、新技術の活用というテーマからは外れるため、本問では不適切な記述となります。

感想

物流革命、過去問の中では出てこない言葉でした。

さすが令和だぜ。

なので参考にできる過去問もないけれど。

とはいえこの辺が近いのでしょうか。

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2020年代、とにかく経営に対するスピード感も求められてきています。

しっかりと学んでおかねばですね。

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この記事を書いた人

技術士試験対策と経営工学の学びを発信するブログです。
私はもともと機械設計の仕事をしており、現在は経営工学の知識やスキルを習得中です。
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