問題

IV-32 VEの基本的な手順の一つである機能定義に関する説明として、最も不適切なものはどれか。

① 機能定義とは、対象とするモノやコトなどの構成要素の働きを明らかにして、他のモノやコトとの違いを明確にすることである。

② 機能を表現するためのルールとして、例えば「顧客満足度の高い高級な質感を与える塗装で外装を表面処理する」と要求品質を明確に表現するような形容詞や副詞などの名詞や動詞を飾る語句は省略しないルールが使われる。

③ 機能を表現するためのルールとして、例えば「騒音を出さない」という否定文で機能を表現するというルール、すなわちこの例では「音を防ぐ」という肯定文で表現するルールが使われる。

④ 抽出された機能の関連性を明確にし、体系的に整理する方法として、機能系統図法が用いられる。

⑤ 対象品を構成する部品や要素に分解して、すべての構成要素の機能が抽出されれば、それらの機能を目的(上位機能との関係)と手段(下位機能との関係)とに関連付けて整理することになる。

解答

正解は 2 になります。

VE(Value Engineering)の基本概念を説明し、その後各選択肢を詳しく見ていきましょう。

VEの基本概念

VEとは、製品やサービスの価値を向上させるための手法です。「機能」と「コスト」の観点から分析し、最適な設計や改善を行います

VEの重要な手順の一つが「機能定義」です。これは、製品やサービスの働きを明確にする作業です。

各選択肢の解説

① 機能定義とは、対象とするモノやコトなどの構成要素の働きを明らかにして、他のモノやコトとの違いを明確にすることである。

  • 正しい説明です。機能定義は、対象の働きを明確にし、他との違いを明らかにします。

② 機能を表現するためのルールとして、例えば「顧客満足度の高い高級な質感を与える塗装で外装を表面処理する」と要求品質を明確に表現するような形容詞や副詞などの名詞や動詞を飾る語句は省略しないルールが使われる。

  • この説明は不適切です。VEでは、機能を簡潔に表現するために、形容詞や副詞を省略するルールが一般的です。正しくは「外装を処理する」のように簡潔に表現します。

③ 機能を表現するためのルールとして、例えば「騒音を出さない」という否定文で機能を表現するというルール、すなわちこの例では「音を防ぐ」という肯定文で表現するルールが使われる。

  • 正しい説明です。VEでは、機能を肯定的かつ積極的に表現することが推奨されます。

④ 抽出された機能の関連性を明確にし、体系的に整理する方法として、機能系統図法が用いられる。

  • 正しい説明です。機能系統図法は、機能の関連性を視覚的に整理する手法です。

⑤ 対象品を構成する部品や要素に分解して、すべての構成要素の機能が抽出されれば、それらの機能を目的(上位機能との関係)と手段(下位機能との関係)とに関連付けて整理することになる。

  • 正しい説明です。これは機能系統図を作成する際の基本的な考え方を説明しています。

結論

最も不適切なものは②です。VEでは機能を簡潔に表現するために、形容詞や副詞を省略するルールが一般的であり、この選択肢はそれに反しています。

補足:機能系統図の例

 製品の主機能 / \ 副機能1 副機能2 / \ / \部品A機能 部品B機能 部品C機能 部品D機能

この図は、製品の機能を階層的に整理した簡単な機能系統図の例です。主機能から副機能、さらに各部品の機能へと分解されていく様子がわかります。

以上の説明で、VEにおける機能定義の基本的な概念と問題の解答が理解できたと思います。

感想

今日は正解でした。

それにしても「顧客満足度の高い高級な質感を与える塗装」って明確かなあ?

すごくフワッとした表現だと思うのですが。

全然定量的でもないですし。

ところで。

本日もOCRが強烈でした。

「モノやコト」を「パート」と認識したり。

「語句は省略しない」を「言語は許されない」とかなり厳しめの表現で統制したりと大変でしたわ〜〜。