問題
Ⅲ-7 標準時間の設定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① ストップウォッチ法は、作業要素が反復して現れる作業一般、特にサイクル作業に適している。
② 作業測定は、作業又は製造方法の実施効率の評価及び標準時間を設定するための手法である。
③ 実績資料法を用いた場合、求めた作業時間の多くは余裕時間が含まれている。
④ 経験見積法は、作業時間のデータを分類・整理して、時間と変動要因との関係を数式、図、表などにまとめたものを用いて標準時間を設定する方法である。
⑤ ビデオ分析のねらいの1つは、作業・動作に関する詳細な分析を繰り返し行うことである。
解答
正解は 4 になります。
標準時間とは
標準時間とは、ある作業を適切なペースで行うのに必要な時間のことです。これは工場や事務所での作業計画や効率化に重要な役割を果たします。
標準時間を設定する方法
標準時間を設定するには、いくつかの方法があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
1. ストップウォッチ法
- 特徴:作業を直接観察し、ストップウォッチで時間を計測します。
- 適している作業:繰り返し行われる作業、特に一定のサイクルで行われる作業に適しています。
- 例:組立ライン作業、パッケージング作業など
2. 実績資料法
- 特徴:過去の作業記録を使用して標準時間を設定します。
- 注意点:この方法で得られた時間には、多くの場合、休憩や準備時間などの余裕時間が含まれています。
- 例:過去の生産記録や作業日報を分析する
3. ビデオ分析法
- 特徴:作業をビデオで撮影し、繰り返し分析します。
- メリット:細かい動作まで詳しく分析できます。
- 例:スポーツ選手の動作分析にも使われる技術を応用
4. 経験見積法
- 特徴:熟練者の経験に基づいて時間を見積もります。
- 注意点:主観的な判断が入る可能性があります。
- 例:ベテラン作業者に新しい作業の所要時間を見積もってもらう
問題の解説
さて、問題の選択肢を見ていきましょう。
- ①は正しい説明です。ストップウォッチ法は繰り返し作業に適しています。
- ②も正しい説明です。作業測定は効率評価と標準時間設定のための手法です。
- ③も正しい説明です。実績資料法では余裕時間が含まれていることが多いです。
- ④は不適切な説明です。これは経験見積法ではなく、別の方法(例:標準データ法)の説明に近いです。経験見積法は熟練者の経験に基づく主観的な方法です。
- ⑤は正しい説明です。ビデオ分析は繰り返し詳細な分析を行うために使用されます。
したがって、最も不適切なものは④です。
まとめ
標準時間の設定は、作業の効率化や生産計画に重要な役割を果たします。様々な方法がありますが、それぞれの特徴を理解し、適切な方法を選択することが大切です。
感想
さすがに標準時間に関しては過去問でもたくさん出てきます。
こちら↓がいちばん今回の問題に近いでしょうか。
このときも経験見積法の説明が違っていました。
傾向としては同様、ですね。
今後の問題でも同様の傾向が見られるでしょうか??