問題

標準時間の設定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① ストップウォッチ法は、作業要素が反復して現れる作業一般、特にサイクル作業に適している。

② MTMを用いた場合、レイティングを行う必要はない。

③ 実績資料法を用いた場合、求めた作業時間の多くは余裕時間が含まれている。

④ 経験見積法とは、作業時間のデータを分類・整理して、時間と変動要因との関係を数式、図、表などにまとめたものを用い、標準時間を設定する。

⑤ ビデオ分析のねらいの1つは、作業・動作に関する詳細な分析を繰り返し行うことである。

解答

正解は 4 になります。

問題の概要

この問題は、標準時間の設定に関する様々な手法や概念についての理解を問うものです。標準時間とは、ある作業を標準的な速さで行うのに必要な時間のことです。

各選択肢の解説

① ストップウォッチ法は、作業要素が反復して現れる作業一般、特にサイクル作業に適している。
  適切: ストップウォッチ法は、実際に作業を観察しながら時間を計測する方法です。繰り返し行われる作業、特にサイクル(周期的)作業に適しています。

② MTMを用いた場合、レイティングを行う必要はない。
  適切: MTM(Methods-Time Measurement)は、作業を細かな動作に分解し、それぞれの動作に対して事前に決められた時間を割り当てる方法です。レイティング(作業者の熟練度による調整)は不要です。

③ 実績資料法を用いた場合、求めた作業時間の多くは余裕時間が含まれている。
  適切: 過去の作業実績から時間を算出する方法です。多くの場合、実績には既に余裕時間(休憩や準備時間など)が含まれています。

④ 経験見積法とは、作業時間のデータを分類・整理して、時間と変動要因との関係を数式、図、表などにまとめたものを用い、標準時間を設定する。
  不適切: この説明は経験見積法ではなく、標準資料法の説明です。経験見積法は、熟練者の経験に基づいて時間を見積もる方法です。

⑤ ビデオ分析のねらいの1つは、作業・動作に関する詳細な分析を繰り返し行うことである。
  適切: ビデオで作業を撮影し、それを繰り返し観察して詳細に分析する方法です。微細な動作も確認できる利点があります。

正解の解説

正解は④です。経験見積法の説明が誤っています。正しい経験見積法の説明は以下の通りです:

経験見積法:熟練した作業者や管理者の経験と勘に基づいて、作業時間を見積もる方法。簡便ですが、個人の主観に依存するため精度に課題があります。

標準時間設定の主な手法

  1. ストップウォッチ法
  2. PTS法(MTMなど)
  3. 実績資料法
  4. 標準資料法
  5. 経験見積法
  6. ビデオ分析法

各手法の精度と実施の難易度は、

ビデオ分析法 → PTS法(MTM) → ストップウォッチ法 → 標準資料法 → 実績資料法 → 経験見積法

の順に高くなります。先述の通り、経験見積法が一番精度が悪くなります。
一般的に、精度が高い手法ほど実施が複雑になる傾向があります。

まとめ

標準時間の設定には様々な手法があり、それぞれに特徴があります。作業の種類や求められる精度、利用可能なリソースなどに応じて適切な手法を選択することが重要です。この問題では、経験見積法の説明が誤っていたことが分かりました。

感想

標準時間。すごくだいじなやつですね。

ある作業を標準的な速さで行うのに必要な時間

です。

やはりこの手の計算を伴わない問題は解きやすいかもしれません。

またもや当てずっぽうで正解しました。

技術士の一次試験は35問中25問を解くものなので、率先してこのような文字のみ問題を解いていきたいものです。

時間配分がどうなるかも視野に入れつつ。