問題

III-28 ある製品に関する製造原価の条件が下表のとおりであるとき、全部原価計算と直接原価計算で製造原価を計算した場合、次の記述のうち最も適切なものはどれか。

直接材料費1,750円/個
直接労務費(変動費扱い)800円/個
変動製造間接費250円/個
固定製造間接費(総額)14,000,000円
生産数量8,000個/月

① 直接原価計算に基づく1個当たりの製造原価は2,800円となる。

② 全部原価計算に基づく1個当たりの製造原価は4,300円となる。

③ 全部原価計算に基づく1個当たりの固定製造間接費は2,000円となる。

④ 月の生産量が2倍になったとき、全部原価計算に基づく1個当たりの製造原価は7,350円となる。

⑤ 月の生産量が2倍になったとき、直接原価計算に基づく1個当たりの製造原価は3,675円となる。

解答

正解は 1 になります。

製造原価計算の問題について、わかりやすく解説していきましょう。

問題の基本情報

この問題では、ある製品の製造原価を「直接原価計算」と「全部原価計算」の2つの方法で計算し、比較することが求められています。

与えられた条件

  • 直接材料費: 1,750円/個
  • 直接労務費: 800円/個
  • 変動製造間接費: 250円/個
  • 固定製造間接費: 14,000,000円(総額)
  • 生産数量: 8,000個/月

計算方法の解説

直接原価計算の場合

  1. 変動費のみを製品原価として計算
  2. 計算式:直接材料費 + 直接労務費 + 変動製造間接費
  3. = 1,750 + 800 + 250 = 2,800円/個

全部原価計算の場合

  1. 変動費に加えて固定費も製品原価に含める
  2. 固定製造間接費の単価 = 14,000,000円 ÷ 8,000個 = 1,750円/個
  3. 合計 = 2,800円 + 1,750円 = 4,550円/個

各選択肢の詳細分析

選択肢①:直接原価計算 = 2,800円(正解)

  • 変動費のみを集計
  • 計算:1,750 + 800 + 250 = 2,800円/個
  • 生産量に関係なく一定

選択肢②:全部原価計算 = 4,300円

  • 変動費:2,800円/個
  • 固定費配賦:14,000,000円 ÷ 8,000個 = 1,750円/個
  • 正しい計算結果:4,550円/個
  • 選択肢の金額が異なるため不正解

選択肢③:固定費単価 = 2,000円

  • 実際の固定費単価:1,750円/個
  • 数値が異なるため不正解

選択肢④:生産量2倍時の全部原価 = 7,350円

  • 固定費単価:14,000,000円 ÷ 16,000個 = 875円/個
  • 変動費:2,800円/個(不変)
  • 正しい計算結果:3,675円/個
  • 選択肢の金額が大きく異なるため不正解

選択肢⑤:生産量2倍時の直接原価 = 3,675円

  • 直接原価は生産量によらず2,800円/個で一定
  • 選択肢の金額が誤りのため不正解

重要な学習ポイント

  1. 直接原価計算は変動費のみを対象とする
  2. 全部原価計算は固定費も含めて計算する
  3. 生産量の変動は固定費単価にのみ影響する
  4. 変動費単価は生産量に関係なく一定

感想

原価計算、ここ↓でも書いたように得意ではありません。

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とはいえ避けて通れないし。

今日の解説はわかりやすいと思うんですよねえ。

だいぶ苦手意識も薄れてきた・・・・かも??