問題
III – 5 作業における直接作業と間接作業に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
① 目的とする生産に対して、主体作業や準備段取作業は直接作業である。
② 製品工程分析で、各加工や検査の実施に関わる作業は直接作業である。
③ 余裕や非作業、非生産的作業は間接作業である。
④ 生産において、間接的に使用する間接材料や補助材料を取り扱う作業は、間接作業である。
⑤ 間接作業は、生産目的である付加価値を直接的に産み出す作業ではない。

解答
正解は 4 になります。
作業における直接作業と間接作業の解説
直接作業と間接作業は、製造業やサービス業における作業分類の基本的な概念です。これらを理解することで、どの作業が生産性向上に直結するのか、またどの部分を効率化すべきなのかを判断できます。
- 直接作業: 製品やサービスに直接的な付加価値を与える作業。
- 例: 部品の加工、製品の組み立てなど。
- 間接作業: 製品やサービスに直接的な付加価値を与えないが、直接作業を支援するために必要な作業。
- 例: 機械のメンテナンス、材料の運搬など。
この問題では、直接作業と間接作業に関する記述から「最も不適当なもの」を選ぶ必要があります。以下で各選択肢について詳しく解説し、正解である④が不適当とされる理由を説明します。
各選択肢の詳細解説
① 目的とする生産に対して、主体作業や準備段取作業は直接作業である。
- 解説: 主体作業とは、製品そのものを加工したり組み立てたりする工程です。また、準備段取作業(例: 機械の設定や工具の準備)は、生産プロセスに欠かせない工程であり、直接的に生産活動に関わります。
- 適否: この記述は正しいです。
② 製品工程分析で、各加工や検査の実施に関わる作業は直接作業である。
- 解説: 加工は製品そのものを変形・加工して付加価値を与える行為であり、検査は製品品質を保証するための重要なプロセスです。これらは製品工程分析上、直接的に生産活動に関与するため「直接作業」に分類されます。
- 適否: この記述も正しいです。
③ 余裕や非作業、非生産的作業は間接作業である。
- 解説: 「余裕」とは休憩時間や待ち時間など、「非作業」は生産活動以外の時間(例: 会議参加)、「非生産的作業」は無駄な動きなどを指します。これらは付加価値を生み出さないため「間接作業」に分類されます。
- 適否: この記述も正しいです。
④ 生産において、間接的に使用する間接材料や補助材料を取り扱う作業は、間接作業である。
- 解説: この記述には誤りがあります。間接材料(例: 潤滑油や洗浄剤)や補助材料(例: ボルトなど)を取り扱う作業は、生産活動そのものには直接関与しないように思えるかもしれませんが、その取り扱いが製品製造プロセス内で行われる場合、それらは「直接作業」として扱われることがあります。したがって、「間接作業」と断定するのは不適切です。
- 適否: この記述が不適当です(正解)。
⑤ 間接作業は、生産目的である付加価値を直接的に産み出す作業ではない。
- 解説: 間接作業(例: 材料運搬や機械保守)は、生産活動を支援する役割を果たしますが、それ自体が付加価値を直接的に生み出すわけではありません。この定義は一般的にも正しいとされています。
- 適否: この記述も正しいです。
なぜ④が不適当なのか?
選択肢④では、「間接材料や補助材料を取り扱う作業」が「間接作業」とされています。しかし、この分類には状況によって異なる判断が求められます。例えば:
- 生産ライン上で補助材料(ボルトなど)を取り扱う場合、それは「直接的な生産活動」に該当します。
- 一方、生産ライン外で補助材料を管理・運搬する場合、それは「間接作業」となることがあります。
このように一概には言えないため、「間接作業」と断定する記述は不適切です。
問題の要点まとめ
- 直接作業とは:製品やサービスに付加価値を与える活動(例: 加工・組み立て)。
- 間接作業とは:付加価値を直接的には生まないが、生産活動を支援する活動(例: 運搬・保守)。
- 各選択肢について:
- 選択肢①〜③および⑤は正しい記述。
- 選択肢④は状況によって異なるため、不適当とされる。
感想
直接、間接、よく出てきます。
工場においてはボルト入庫とかあって所定位置まで運ぶの、間接ですもんね。
お客様がお金を払ってくれるようなものは全部直接!って覚えていましたが。
間違いではない、ですね。