問題

Ⅲ-29 製品の販売価格が123円/個、単位当たり変動費が59円/個、工場の賃料が750,000円、倉庫の賃料が240,000円のとき、損益分岐点における売上数量に最も近いものはどれか。

① 6,100個

② 8,600個

③ 12,700個

④ 15,500個

⑤ 16,800個

解答

正解は 4 になります。

問題の概要解説

この問題は、「損益分岐点」を求める計算問題です。損益分岐点とは、売上が費用とちょうど同じになる点、つまり利益がゼロになる売上数量や売上金額のことです。この概念は経営工学や経営管理の重要な基礎知識であり、企業がどのくらい製品を販売すれば利益を出せるかを知るために使われます。

この問題では、以下の情報が与えられています:

  • 製品の販売価格:123円/個
  • 単位当たり変動費(1個作るごとにかかる費用):59円/個
  • 固定費(工場と倉庫の賃料):750,000円 + 240,000円 = 990,000円

これらを使って、損益分岐点における売上数量を計算します。


解説:損益分岐点の計算方法

損益分岐点を求めるためには、次の公式を使います:

$$
損益分岐点売上数量 = \frac{\text{固定費}}{\text{販売価格} – \text{単位当たり変動費}}
$$

ステップ1:固定費を確認

固定費は、工場と倉庫の賃料を合計したものです:
$$
固定費 = 750,000 + 240,000 = 990,000 \, \text{円}
$$

ステップ2:貢献利益(販売価格 – 単位当たり変動費)を計算

貢献利益は、製品1個あたりで固定費や利益に貢献する金額です:
$$
貢献利益 = 販売価格 – 単位当たり変動費 = 123 – 59 = 64 \, \text{円/個}
$$

ステップ3:損益分岐点売上数量を計算

公式に数値を代入して計算します:
$$
損益分岐点売上数量 = \frac{990,000}{64} \approx 15,468.75
$$

この結果から、損益分岐点に最も近い選択肢は「④ 15,500個」です。


各選択肢の詳細解説

① 6,100個

6,100個では固定費990,000円をカバーするには不十分です。具体的には、6,100個販売した場合の貢献利益は:
$$
6,100 \times 64 = 390,400 \, \text{円}
$$
となり、固定費990,000円に全く届きません。

② 8,600個

8,600個でもまだ固定費をカバーできません。計算すると:
$$
8,600 \times 64 = 550,400 \, \text{円}
$$
これも固定費990,000円に足りません。

③ 12,700個

12,700個の場合も固定費には届きません。計算すると:
$$
12,700 \times 64 = 812,800 \, \text{円}
$$
これでもまだ不足しています。

④ 15,500個

15,500個ではどうでしょうか?計算すると:
$$
15,500 \times 64 = 992,000 \, \text{円}
$$
これは固定費990,000円を超えており、損益分岐点に最も近い値となります。

(正解)

⑤ 16,800個

16,800個の場合は明らかに損益分岐点を超えています。計算すると:
$$
16,800 \times 64 = 1,075,200 \, \text{円}
$$
すでに利益が出ている状態です。


まとめ:問題の要点

  • 損益分岐点とは「売上が費用と等しくなるポイント」のこと。
  • 計算式は次の通り:
    $$
    損益分岐点売上数量 = \frac{\text{固定費}}{\text{販売価格} – \text{単位当たり変動費}}
    $$
  • この問題では、固定費が990,000円、貢献利益が64円/個なので、
    $$
    損益分岐点売上数量 = \frac{990,000}{64} \approx 15,469
    $$
  • 正解は「④ 15,500個」。

感想

これは簡単でしたね。

ちゃんと正解しました。

もちろん、電卓を使いましたが!!

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損益分岐点、過去問にも数回出ています。

この平成24年度のやつ、数値が違うだけでほぼ一緒ですね!!